“Supreme” History Book #2
以下、編集部・河瀬の個人的な「Supreme論」で恐縮ですが…
今、改めて見ても当時の衝撃が薄れることなく、
十分な説得力と写真から発する熱(エネルギー)を全く失っていない。
Supremeの軌跡は、
ストリートカルチャーの歴史、アイコンの一つであるといっても過言ではないと思う。
ストリートから、あらゆる業界の中心人物やブランドを巻き込んだコラボレーションの数々。
また、そのすべてを同等にSupremeとして消化していく過程を東京からずっと見てきた。
15年の時を経ても、その一貫性と変わらないスタンスは称賛に値する。
ジェームス・ジェビアの
けしてブレることのないフィロソフィーは、Supremeというアイコンに普遍性をもたらし、
ストリートファッションの可能性をこの世に知らしめたと思っている。
世界のファッション、アート、音楽、スポーツなど、あらゆるジャンルとストリートブランドの
Supremeがボーダレスにしてフラット化させていったのだ。
ジョルジオ・アルマーニがニューヨークのSupremeショップに訪れた話など、
その象徴といえる。
その後、
「コラボ」という言葉だけが一人歩きし、表面的かつ商業目的オンリーのコラボレーション
の乱発が、本来の共同プロジェクトの本質を陳腐化させ、多くの消費者を食傷させた企業の
功罪は大きい。
「モノを売る手段のみ」のコラボレーションは今後、
この混沌とした社会では益々敬遠されるだろう。
私にとって、
本質的なコラボレーションの意義とストリートカルチャーの真髄を教えてくれたのが、
ジェームス・ジェビアである。
そんなジェームスが、
フェイバレットマガジンに「SHOES MASTER」を選んでくれていることを光栄に思う。
ジェームスは、これからも淡々と我が道を歩いていくだろう。
しかし、ひとつのプロジェクトに膨大な労力がかかっていることを最後に書かせてもらう。
「実現するのがどんなに大変か、根気がいるかって普通は知らないし知る必要もない。
なんの苦労もないように見えるべきなんだ」と語ったジェームス。
これからも、Supremeの歩みを見続けていたい。