via SHOES MASTER “KARHU” About LEGEND LINE
先週からのインタビュー取材つながりで
もうひとつ。
来日したカルフスタッフも
取材しました。
本誌で掲載した内容を紹介します。
via
SHOES MASTER Vol.28
210-211_page
KARHU
About LEGEND LINE
フィンランドの首都ヘルシンキで生まれたカルフは、昨年100周年を迎えた老舗ブランド。2016年に名作シンクロンを、シンクロンクラシックとして復刻。一躍スニーカーフリークから注目されるブランドとなった。グローバルライフスタイルマネージャーを務めるレムコ・ノース(Remko Nouws)氏に、カルフの持つ魅力とその可能性について聞いた。
Photo: Kazumasa Takeuchi (STUH)
Text: Fumihito Kouzu
ヒストリーとストーリーがカルフの魅力。
―レムコさんが手掛けているレジェンドラインのコンセプトを改めて教えて下さい。
カルフには最先端の機能を追求したランニングシューズを展開するパフォーマンスラインと、ライフスタイルコレクションを展開するレジェンドラインに分かれています。その方向性、世界観は統一されたものですが、レジェンドラインは、100年という長い歴史の中で生み出されてきた数々の名作を復刻することが基本です。シェイプはなるべく当時のものを忠実に再現し、素材は現代的にアップデートしています。例えばミッドソールに使うEVAは、往年のものよりも当然進化をしています。ルックスや雰囲気は昔のままをキープしながら、履き心地はより良いものになっていると言えますね。
―日本では本格展開が始まってまだ日が浅いですが北欧を中心としたヨーロッパでカルフのアイコンのようになっているモデルがあれば教えて下さい。
1つはチャンピオンエアでしょう。カルフがいち早く開発したエアクッションミッドソールを初めて搭載したシューズです。1977年に発表され、1884年まで展開されていたのですが、100万足以上売れたトップセラーモデルです。それからアルバトロスもアイコン的な存在ですね。1982年にオリジナルが発売されたモデルですが、軽量でシンプルなスタイルが多くの人から支持されています。
―日本のスニーカーシーンにはどのようなイメージを持っていますか?
日本にはたくさんのスニーカーファンがいるというイメージがあります。驚くのは展開されているスニーカーのバリエーションの数の多さと、街でさまざまなスタイルのスニーカーを履いている人を見かけることですね。ヨーロッパやアメリカでは見かけないブランド、デザインのスニーカーを見つけることができます。私もスニーカーファンの一人ですが、日本には私と同じようにスニーカーを好きな方が多いのでしょう!だから、カルフも日本のスニーカーシーンで受け入れてもらえるんじゃないかと思います(笑)
―カルフのレジェンドラインは、日本のスニーカーシーンでどのようなポジションを築きたいと思っていますか?
ブランド自体は決して大きいものではありません。ただカルフには長い歴史があり、多くの魅力的なアーカイブがあります。北欧生まれであること、ヒストリーがあることは他の多くのブランドと異なる点であり、カルフの個性です。それを生かしながら、少しずつファンを獲得していければと思っています。そして長期的には、グローバルブランドとしてしっかりと成長していきたいと考えています。
―スニーカーファンのレムコさんからの視点で、カルフの魅力はどこにあるでしょうか。
ヒストリーとストーリーですね。100年を超える長い歴史を持っている分、カルフのアーカイブにはユニークなモデルがたくさん見つかります。これはとても魅力的ですね。1950年代に当時使用していた3本のストライプを現在の価値でおよそ1600ユーロほどの金額とウィスキー2本で売却した逸話や、カルフのシューズを履いて陸上界を席巻した“Flying Finns”の活躍といったストーリーは、スニーカーファンの心を踊らせるものだと思います。あっ、それから忘れてはいけないのが、クマをモチーフにしたロゴのキュートさですね!
―この秋冬に展開されるレジェンドラインのモデルで、レムコさんのオススメを教えて下さい。
私が子供のころ、とても流行っていまして個人的にお気に入りだからなのですが(笑)、シンクロンクラシックがオススメですね。1980年にデビューし、1990 年代の後半まで人気を誇っていたシンクロンの復刻モデルです。つま先部分に斜めにかけられ、小指周辺まで届く独特のレーシングシステムは、フィット性を高めるために考案されたものですが、デザイン上の大きな個性にもなっています。あと、アッパーとシュータンが一体化した構造が特徴的なアリア。90年代に展開されていたモデルの復刻になります。それから、チャンピオンエア。いち早くエアクッションを搭載したモデルです。オリジナルデザインをそのままに、履き心地をさらに向上させ今シーズン復刻させました。絶対におすす めの1足です。
Remko Nouws
カルフのグローバルライフスタイル マネージャー。過去の名作を
復刻するレジェンドラインを手掛けている。根っからのスニーカー
フリークで、長年に渡りヴィンテージスニーカーを収集。600足以上
を保有するコレクターでもある。アシックスヨーロッパを経て現職に。
エアクッションミッドソールを搭載し100万足以上を売り上げたカルフの伝説的なシューズを
リモデルしたチャンピオンエア。¥12,000+tax
スウェードとナイロンのコンビアッパーを採用したアリア。ブーティライナーによって軽快かつ
安定性のある履き心地を実現している。各¥14,800+tax
インタビュー時にも履いていたシンクロンクラシックは、レムコ氏のお気に入りであり、今シーズンの
イチオシでもある。エアクッションを採用しているので、クッション性も抜群。¥16,800+tax
About KARHU
デザインの国、フィンランドの首都ヘルシンキでカルフが誕生したのは1916年のこと。ブランド名のカルフは、フィンランド語で“熊”という意味を持っている。設立当初はスキーの板や陸上競技の槍などを手がけ、その後ランニングスパイクの開発をスタート。フィンランド代表選手が着用する公式サプライヤーにも選ばれ、カルフのシューズを履いた“Flying Finns”の活躍により、知名度を上げていった。1952年のヘルシンキ五輪では、フィンランドナショナルチームが大活躍し、カルフは競技用シューズのリーディングメーカーとなる。1977年にはエアクッションミッドソールを搭載したチャンピオンエアをリリース。100万足以上を売り上げた。1980年代に入ると、着地時から蹴り出しまでのスムーズな重心移動をサポートするフルクラムテクノロジーを大学と共同開発。 技術開発は現在でも続いており、今シーズン、ミッドソールが立体構造となった新しいテクノロジー、オルティックスを発表。パフォーマンスラインは、ランニング大国アメリカを中心に多くの国で支持されている。
INFORMATION |
シードコーポレーション 054-238-3359
http://japan.karhu.com/