Photo: Masataka Nakada(STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

Classic and Modern
Exquisite balance is good
New Balance 2022 SS Best Selection

昨今のスニーカーマーケットで高いプレゼンスを誇っているニューバランス。コロナ禍という世界規模の逆風にありながら、クラシックとモダンをバランスよく組み合わせた新時代のベーシックとなり得るモデルと、不変的な定番モデルの両方が支持され、昨年に引き続き、好セールスを維持しているらしい。編集部に届いたヒットモデルの最新カラーと今年生まれ変わったアトモスのCEOである本明秀文氏にニューバランスについて取材した。

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XC-72

New Balance 2022 SS Best Selection

XC-72 “WORN PACK”
BEIGE, NAVY

XC-72は、トレイルシューズの375、クロスカントリーシューズのXC15、軽量ランニングシューズの620からインスピレーションを得て、ヘリテージを継承しながら現代の視点でデザインされた人気モデル。今回、ヴィンテージ加工が施されたアウトソールは内側と外側でデザインが異なり、それぞれ375、XC-15からインスパイアされたもの。疾走感のあるスリークなシルエットに映えるビッグサイズのNロゴも特徴で、ヒールカウンターのデザインは620のアウトソールから着想を得ている。13,200円

About New Balance Greenleaf
ニューバランスが続可能な地球環境を考慮したサスティナビリティプログラムの対象商品として付与しているのが「グリーンリーフ」のアイコン。XC-72はその対象モデルにあたり、今季から環境にやさしい材料と作業工程で仕上げたエコフレンドリーなモデルに昇華。また、一部の574に関しては、アッパー素材の50%をエコ素材に転換。さらに生産工程を変更し65%の廃棄をカットすることが発表された。

 

237

New Balance 2022 SS Best Selection

MS237
BLACK, NAVY, BEIGE

237は、1970~1980年代に登場したランニングシューズのスリム&ロープロファイルなシルエットを現代風にリファインし、印象的なビッグNロゴを採用したモデル。つま先のアウトソールの巻き上げ、切りっぱなしのタンなどがポイントで、現在のスニーカーシーンにマッチしたスタイルに仕上がっている。このカラーは環境にやさしいエコな材料と作業工程で作られたサステナブルな一足。10,340円

 

327

New Balance 2022 SS Best Selection

MS327
BLACK, NAVY, BROWN

327は、1970年代に登場したヘリテージモデルの象徴的なデザイン、ディテールを取り入れながら、その要素をアレンジし、現代的なスタイルに仕上げたモデル。左右が異なるアシンメトリーデザインにスマートなシルエットとビッグサイズのNロゴ、ラギッドなアウトソールが特徴的で元祖オフロードモデルの355、1976年に登場し同年に「ランナーズワールド」誌で1位となった320、1977年に発売された軽量レーシングモデルのスーパーコンプからインスピレーションを得ている。13,090円

 

57/40

New Balance 2022 SS Best Selection

M5740
NAVY / YELLOW, BEIGE / GREEN

57/40(フィフティーセブン/フォーティ)は、1980年代の流れを汲むニューバランスのアイコンモデルのひとつである574のDNAを残しながら、トレンドを反映してモダンにデザインした新世代スニーカー。90年代のシューズにインスパイアされたウェービーなデザイン、存在感のあるビッグサイズのNロゴ、チャンキーで立体的なミッドソール、ラギッドなアウトソールが大きな特徴。本モデルは、上質なピッグスキンスエードとテキスタイルのコンビ素材アッパーで仕上げ、春に映えるビタミンカラーをテーマにデザインアップされている。16,500円

 

574

New Balance 2022 SS Best Selection

M5740
BURGUNDY, OFF WHITE, GRAY

574は、オフロードでの走行性能を追求した500シリーズの名機576のDNAを受け継ぎながら、ライフスタイル向けに開発し1999年代に発売されたニューバランスを代表するロングセラーモデル。本モデルは持続可能な地球環境を考慮し、アッパー素材の50パーセントをエコ素材に。また、生産工程を変更し65パーセントの廃棄をカットすることが発表され、ニューバランスの顔とも呼べる定番モデルがエコフレンドリーなモデルに昇華している。10,890円

 

BB550

New Balance 2022 SS Best Selection

BB550
WHITE, BLACK

BB550は、1989年にリリースされた競技者向けバスケットボールシューズ、プライド550を復刻したモデル。2度のNBA王者、2度のNBAファイナルMVPに輝いているカワイ・レナード選手のシグネチャーモデルを筆頭に、トップ選手たちがニューバランスのパフォーマンスモデルを愛用している。それがストリートにも拡大し、復刻されたクラシックバスケットボールシューズに若い世代からも人気が集まっている。15,400円

 

The future of atmos
and the future of global sneaker market.
Hidefumi Hommyo(Foot Locker atmos Japan CEO)
Special Interview

2021年8月、世界最大級の米国発スニーカーショップチェーン「フットロッカー」が、アトモスを3億6000万ドル(約396億円)で買収した。スニーカー業界に激震が走ったそのニュース後、今年から屋号を「フットロッカー アトモスジャパン」と変え、新生アトモスがスタートを切っている。生まれ変わったアトモスのCEOである本明秀文氏に今、スニーカーマーケットにおいて好調なセールスを続けているニューバランスについて、アトモスとの取り組みを取材した。(インタビュー取材:2022年1月13日)

本明秀文(ほんみょう ひでふみ)
atmos グローバル担当 CEO兼チーフクリエイティブオフィサー。1969年生まれ。米国の大学を卒業後、商社勤務を経て、1996年に原宿のジャンクヤードにスニーカーショップ「チャプター」を開店し、2000年に「アトモス」をスタート。昨年までに、グローバルに49店舗を展開し、年商約192億を売り上げる優良企業に成長。2022年1月から「フットロッカー アトモスジャパン」と屋号を変え、新生アトモスがスタート。

About New Balance

–––近年、ニューバランスが好セールスを続けていると聞いています
ナイキ一強と言われるスニーカーマーケットでナイキの次に勢いがあるのがニューバランスですね。それを象徴するのが「2002R」シリーズでしたね。Made in U.S.A.の2万、3万円台の1000番代や900番代のヘリテージモデルが堅調に売れている中で、高額なモデルに手が出ない人たちに対して1万円台で買える「2002R」シリーズを出した。正直、皆が皆、2万、3万円する靴ってなかなか買えないじゃないですか。見た目はオリジナルのMade in U.S.A.とほとんど変わらないアジア生産の「2002R」シリーズって、お客さんの立場に立った究極の物作りじゃないですか。その姿勢にすごく共感するところがありました。そしたらまたヘリテージモデルをハイブリッドした「327」や「57/40」とか、そういった新シリーズも出してきた。さらにバスケットボールシューズの「550」も発売して、新しいカテゴリー、新しい形もどんどん出していって、新しいお客さんにもリーチするっていう。ニューバランスってただ売れているだけじゃなくて、一生懸命努力していると思うんですよね、お客さんの立場に立って。アトモスのお客さんって15歳から30歳ぐらいの人が多くて、お客さんの立場に立つと一足2万円がマックスなんですね、いいと思ったら買える価格って。そういう経緯で「2002R」シリーズのアトモス別注とかをやらせてもらっているんです。お客さんの立場に立って考えるニューバランスに、僕たちアトモスはまだまだポテンシャルがあると思っています。

–––いつ位からニューバランスと本格的な取り組みを始めたのでしょうか?
密にやり始めてそんな長くないです、ここ何年かですね。今では毎日のようにニューバランスの担当者としゃべってますけど。ニューバランスは、ミタスニーカーズの貢献が大きいと思いますね。国井くんやヘクティクのYOPPIさんと一緒に「580」シリーズをストリートに、スニーカーマーケットに定着させた。うちは本当に最近ですから。ニューバランスは本当によく売れるんですけど、全然在庫が足りてないんで、売れるのに売る物がないから今は大変ですよ(苦笑)。

–––アトモスで購入する方の男女比は?
ちょうど半々ぐらいでメンズのほうが年齢が若いですかね。10代の男性のお客さんが「2002R」シリーズなんかをどんどん買ってますからね。男性は30代くらいまでが中心で、女性だと30代から40歳くらいが多い。全体的な傾向としては、定番で売れるものが片寄ってなくて、色々なカテゴリーが出てきて、またどんどん横に広がってく感じです。

–––安定してニューバランスが支持されている理由は、どこにあると思いますか?
やっぱり履き心地の良さだと思います。最近は行けてないですけど、アメリカ出張の時には「993」を履いていくことが多いんです。でも、僕はグレーとかじゃなくて、カラフルなのが好きなのでカラフルな色を履いてます。最近はお客さんが履き心地が大切というか重要視しているので、履き心地が悪い靴は、若い人には売れますけど、ちょっと年を取ってくると全然売れないですね。
最近、僕が個人的に履き心地がいいと思うブランドは、ニューバランス、ホカ、オンですかね。あとニューバランスのモデルは形がベーシックで落ち着いた色合いだからじゃないですか。アトモスの売り上げの大半がグレーなんですよ。あとは黒とかネイビーみたいな感じで。グレーやネイビーなんて、どこのメーカーも出してるんですけど、圧倒的に売れるのはニューバランスのモデルに対してのカラーリングセンスが素晴らしいからだと思います。

–––アトモスで特に人気が高いモデルは?
最近では「2002R」ですね、ぶっちぎりです。抽選で終わりみたいな。あとは「990」や「992」とかですかね。今は入荷が少なくなっているんですけど、Made in U.S.A.のヘリテージモデルも1,000足あっても抽選で終了完売する状況ですね。

–––Made in U.S.Aを購入する層は?
30代の男性が一番多いですかね。あと40代位の人も買いますね。物があればいくらでも売れます。そんなにいっぱいじゃないですけど女の人も結構います。Made in U.S.Aは抽選してもすぐ終わるぐらいだから、アトモス的にはまだまだ足りないけど、鉄板モデルや売れる物ばっかりやっていたら、そのモデルが死んじゃうし、アトモスとしても面白くないから、タイミングを見ながら少しずつやっていく感じですね。そういう意味ではTOKYO DESIGN STUDIO New Balance(TDS)とかいいですね。あれはいつもすごいなと思います。たまに入るんですけど、いつも少量なのですぐに売り切れます。プロダクトとしても売り方もすごくいいですよね。

–––990シリーズ(990 v5)はどうですか?
990 v5は僕たちもやっています。今はv5だけどv1、v2、v3ってあるじゃないですか。でも、多くの人は、意味が分かってないですよね。v5はものすごく売れたんですけど、逆に今、皆が探してんのってv3とかなんですよね。これってすごく面白いなと思うんですよ。普通のブランドだったら、同じモデルをバージョンアップさせないじゃないですか。これって電気自動車メーカーのTESLA(テスラ)がソフトを入れ込んで車をバージョンアップするのに、すごく似てるなと思ってて。もしかしたらテスラはニューバランスの990シリーズから盗んだのかなって思ってましたもん(笑)。iPhone(アイフォン)のバージョン幾つってアップデートもそうだけど、靴で同じことをやっているのが本当にすごいと思います。

–––990シリーズは、会長のOKが必要な唯一のシリーズですよね
売れる物があったら、売れなくなるまで売るメーカーが多い中、足数をしぼり、これ以上やらないってセグメントしているニューバランスはすごいなと思います。理想的なブランディングですよ。「1300」もそうじゃないですか。5年に1回しか出てこなくて。それ以上は絶対にやらない。やればもっと売れると分かっているのに。そういう意味でいくとニューバランスは、僕が考える理想的な売り方をしているブランドと言えますね。

–––新しいカテゴリーの「327」や「57/40」は?
新しいお客さんが買っていますね。ニューバランスファンというより、お洒落な人がファッション性で買っていく感じで、ニューバランス初心者が多い印象ですね。ファンだけじゃなくファッション感度の高い新しいお客さんを取り入れている感じがすごくします。

–––最近、アトモススタッフのニューバランス着用率も上がっているような気がしますが?
今ではうちのスタッフ、大体半分ぐらいがニューバランスですね。一番初めにディレクターの小島がニューバランスを履きだしたんですよ。うちの人間は分かりやすいんで小島の影響でどんどん増えていって、今では半分くらい男女ともにニューバランスになっています(笑)。僕らの場合はずっと1日立って仕事をしているんで、仕事履きとして楽というのも大きいですね。

–––2022年アトモスとニューバランスとの具体的な取り組みを教えてください
5月位に東京のコンクリートに、ネズミの足跡が付いている「ドブネズミ」をコンセプトにしたコラボレーションモデルを出す予定です。その他にも企画自体は結構あるので楽しみにしてほしいです。

–––最後にニューバランスへの個人的な想い、希望があったら教えてください
僕の個人的な想いは、ニューバランスジャパン企画で30センチのモデルを作ってくれっていうことです。29センチまでしか作られてないんですよ。ニューバランスジャパンのスタッフと毎日のように会ってるのに、足のサイズが30センチの俺が履ける靴ないじゃんみたいな(苦笑)。ニューバランスが大好きで色々履きたいのに履けない。だからアメリカに行った時に買うしかないのが現状なんですよ。

Spring / Summer 2022
atmos Recommended Model

WL996AB2
¥14,080 ※ウィメンズ限定モデル

M991GL
¥30,800(4月発売予定)

M2002RAT Shibuya Rats
¥19,800(5月発売予定)

取材協力:
atmos BLUE Omotesando
東京都渋谷区神宮前4-29-4 Barbizon78
03-6438-9445
www.atmos-tokyo.com

INFORMATION
ニューバランス ジャパンお客様相談室
0120-85-7120
https://shop.newbalance.jp/shop

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