Photo : Masataka Nakada (STUH)
Interviewer & Edit & Text : Shin Kawase
MT580 Text : Fumihito Kouzu

Classic and Modern
Exquisite balance is good
New Balance 2023 SS Best Selection Part4

タイムレスな定番モデルで性別年齢を問わず、世界的人気ブランドの地位を確立しているニューバランス。近年では、クラシックとモダンを組み合わせたハイブリッドモデルが人気を集めているが、一方で過去人気を集めたアーカイブモデルも注目だ。春夏コレクションでは2000年代にストリートから熱烈に支持された“MT580”をフィーチャー。2023年最新モデルを紹介すると共に、ニューバランスが支持される理由をビリーズのバイヤーに取材した。

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MT580
New Balance 2023 SS Best Selection

About MT580

1996年にオフロード用のランニングモデルとして登場したMT580。MT580は、1995年にリリースされアメリカで展開されていたMADE in USAのM585を改良して誕生したもの。安定性と堅牢性が大きな特徴で、特に軽量で堅固なグラファイト素材であるROLLBAR(ロールバー)を採用することで着地時のブレが抑制されたことが、当時のランナーから高く評価された。そして2000年に人気ブランドのヘクティクと、ミタスニーカーズとのコラボレーションモデルが登場したことで、ストリートで支持を得ることに。以降、MT580をベースにさまざまなブランドとのコラボレーションモデルが登場している。2016年に20周年を記念しリリースされたのが、MRT/WRT580。当時の最新テクノロジーである軽量性とクッション性に優れたRevLight(レブライト)が搭載されていた。2019年にリリースされたCMT580は、フルレングスのABZORB(アブゾーブ)ミッドソールに耐久性に優れたC-CAPが搭載されていた。ストリートを盛り上げながら、時代に合わせて定期的なアップデートがされてきたのだ。

MT580 RCB

今回登場したMT580は、初期モデルと同様に軽量で堅固なグラファイト素材のROLLBARを搭載。中足部にはTPUのサポートパーツがしっかりと施されており、MT580らしい安定性を感じられる一足となっている。ミッドソールには軽量性と弾性、耐久性に優れたPU素材を使用。ラスト(足型)は、990と同様のSL-1 LASTを採用。

90年代当時の重厚感はありながらも、つま先周辺がシャープな印象のシルエットとなっている。ラバーのアウトソールはもちろんオフロードモデルらしいパターンが採用されている。シュータンにはロゴとモデル名が刺繍で施されており、上質感のある仕上がりとなった。

MT580 RCB
¥18,700

MT580 RTB
¥18,700

MT580 RCA
¥18,700

MT580 HSC
¥18,700

MT580 HSB
¥18,700

 

RAINIER
New Balance 2023 SS Best Selection

RAINIER OG (URAIN OG)

レーニアは、著名な登山家・ウィタッカー氏の依頼で1982年に誕生したニューバランス初の軽量ハイキングブーツ、OGモデル。アッパーは、型押しフライングNBロゴを配したフルグレインレザーに高強度のコーデュラを組み合わせ、オリジナルカラーを採用。ソールもオリジナルモデル同様にビブラムソールが採用されている。22,000円

RAINIER LOW (UALGS OG)
¥20,900

BB550
New Balance 2023 SS Best Selection

BB550 VTC
最近では女性からも高い支持を集め、今やニューバランスを代表する定番モデルに成長したBB550。BB550は、1989年にバスケットボールシューズとして登場したプライド550の復刻モデル。上質なフルグレインレザーを採用し、クラシックな雰囲気が魅力的でコートシューズファンにはたまらない一足。BB650はそのハイカットバージョン。18,700円

BB550 VTB

BB550 VTA

BB650 RCF
¥19,800

BB650 RCG
¥19,800

 

90/60
New Balance 2023 SS Best Selection

U9060 MUS

90/60(ナインティシックスティ)は、昨年登場したばかりだが人気モデルの仲間入りを果たしている一足。ニューバランスを代表する990と2000年代初頭に登場した860からテクノロジーやシルエットを取り入れ、ソールユニットには2000年代のランニングシューズのソールを参考にした993をベースとして、860v2のエッセンスを取り入れたハイブリッドモデル。19,800円

U9060 TRU
¥19,800

 

RC30
New Balance 2023 SS Best Selection

URC30 AG

RC30は、1970年代のレーシングシューズからインスパイアされたスリム&ロープロファイルなシルエットに、ビッグNロゴと中足部から爪先にかけて巻き上がるラギッドなアウトソールをブレンドしたライフスタイルシューズ。アウトソールは1978年にニューバランス初のレーシングシューズとして登場したCOMP100のデザインが継承されている。12,980円

URC30 AI
¥12,980

 

610
New Balance 2023 SS Best Selection

610T A

610Tは、2011年に誕生したエントリー層向けトレーニングシューズをベースに、アッパーにはシンセティック×オープンメッシュアッパーを採用し、ソールにはアウトドアアクティビティで幅広く活躍したトレイルランニングシューズ、MT610のオリジナルソールを搭載した一足。テッキ―なトレイルルックと目を引くカラーリングも魅力的。13,200円

610T C
¥13,200

 

About New Balance
Takamasa Ando (BILLY’S)
Interview

安藤剛正 / ビリーズ バイヤー

–––ニューバランスがずっと好セールスを続けていると聞いています
はい。分岐点になったのは2020年2月の「M992」(グレー)の復刻のあたりからですね。それからずっと好調を維持しています。2022年前半はコロナ禍における影響があり、お客様の要望があっても販売できる在庫がなく、良くも悪くも生まれてしまった枯渇感がさらなるブームの盛り上げに一役買った印象があります。入荷は昨年後半から現在にかけてようやく安定しました。が、それでも人気モデルは、全国の店舗、オンラインでもあっという間になくなって過去に類を見ない好セールスを記録し続けています。

–––ビリーズ渋谷でニューバランスを購入している人の特徴を教えてください
おおよそ年齢は20代~40代と幅広く、近くにミヤシタパーク(旧宮下公園)ができた影響も大きいと思いますが、最近は女性の支持率が非常に高まっていて男性が6割、女性が4割位でしょうか。女性の中でニューバランスの認知度がまた上がった感じがありますね。シンプルで落ち着いたファッションの足元に合うシューズとして選ばれている印象です。

–––男女共に幅広い世代に安定して支持されている理由は、どこにあると思いますか?
「996」や「1400」など、ニューバランスのルーツとなっているクラシックランニングモデルや、再評価されている「BB550」のコートスタイル、最近のトレンドのメインストリームになっているハイブリッドモデル「327」など、それぞれに魅力的なストーリーと個性があるからではないでしょうか。ブランドトータルで非常に良いバランスが取れている稀有な存在だと思います。また、矯正靴メーカーとして誕生したブランドのアイデンティティである「履き心地の良さ」がどのシューズにも担保されていることは忘れてはいけませんね。

–––ビリーズ渋谷では、特にどのモデルの人気が高いのでしょうか?
「2002R」や「990」シリーズですね。Made in USA / UKのラインは生産数が限られていることもあり、モデルによっては即完売となりますし、常に品薄の状態が続いています。それと「BB550」は、男性だけでなく女性にもすごく人気があって、最近では「BB550」を探しに来られる女性も増えているぐらいなんです。男女に人気と言えば、去年リリースされた「90/60」もすごく引き合いがありますね。あと、復刻を果たしたばかりの「MT580」が確実に存在感を高めています。個人的にも20年ほど前にストリートブランド2社とのコラボレーションモデルをリアルタイムで履いていたこともあり、今後の動向には非常に注目しています。

–––ニューバランスのコンペティターといえば?
ここ数年、履き心地を大切にされるお客様が本当に増えています。履き心地の良さでオンやホカをチョイスされる方が多く、ニューバランスのコンペティターになるのでは?と思います。コンペティター同士でさらなる進化を促してほしいなと思いますね。それぞれのブランドは個人的にも愛用しているので、ひとりのスニーカーファンとしても楽しみなところです。

–––ビリーズ渋谷のリコメンドモデルを教えてください(2023年春)
昨年デビューした「1906R」のビリーズエクスクルーシブカラーを販売しています。「1906R」は、2010年に登場したハイパフォーマンスランニングシューズのハイブリッドモデルで、ソールには「2002R」と同じツーリングを使用しています。リリース開始からほぼすべてのカラーを販売していますが、どれも非常に好調です。オリジナルモデルの完成度はもちろん高いのですが、その時代に発売されていたシューズの価値を改めて見直す機運を高めたのでは?と感じました。アッパーの素材使いやカラーリングで印象がガラッと変わる「1906R」は、ただの懐古主義にとどまらない新しいスタイルを提示している一足だと思います。ビッグヒットした「2002R」と同様に、2000年代のランニングシューズリバイバルを更に盛り上げる新しい牽引役として期待していますね。あと、テッキーなスタイルで最近とても人気のある「ML610」のビリーズエクスクルーシブカラーもリリースする予定です。

M1906RX (BILLY’S Exclusive Color)
¥19,800

ML610 TBG (BILLY’S Exclusive Color)
¥13,200

–––今後のニューバランスに期待することは?
世代的に昔ながらの質実剛健なスタイルにどうしても思い入れが強いのですが、最近は改めてハイブリッドモデルのような新しいチャレンジを試みたモデルに魅力を感じています。どこか優等生な印象があるニューバランスなので、履き心地の進化はもちろんなのですが、コラボモデルで散見されるような見た目の大胆な「遊び心」もインラインにどんどん取り入れてほしいですね。「伝統」と「革新」の振り幅が広くなれば広くなるほど、お互いの存在がさらに輝くってものですから。

安藤 剛正
埼玉県川越市出身。中学校でバスケットボール部に所属。NBAブームも重なり、競技よりもバスケットボールシューズ、スニーカーに目覚める。雑誌「Boon」「asayan」などを愛読し、裏原宿のストリートカルチャーに多大な影響を受ける。裏原宿通いでお気に入りのスニーカーを探す大学時代を過ごし、卒業後に某大手スニーカーストアに入社。現在は、ビリーズのバイヤーを担当。現在までのスニーカー所有足数は600足を超える。

BILLY’S ENT TOKYO SHIBUYA
東京都渋谷区神宮前 6-23-7
03-5466-2432
Shop hours 11:00 – 20:00
www.billys-tokyo.net/

INFORMATION
ニューバランスジャパンお客様相談室
0120-85-7120

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