Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

Since 1952
From London, United Kingdom
FRED PERRY

1952年、英国ロンドンで誕生したフレッドペリー。創設者は、テニスの世界4大大会を制した伝説的テニスプレイヤー、フレデリック・ジョン・ペリー。ファッションブランドならではの幅広いラインナップとメイド・イン・ジャパンモデルなどが人気を博し、ここ数年でスニーカーセレクトショップをはじめ、国内最大手チェーン店にも並ぶほどの成長を遂げている。

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Breaux Leather (Made in Japan)
¥16,000+tax

2016年春夏シーズンからスタートしたフレッドペリー初の国産モデル、ブロー レザー。1980年代にフレッドペリー社が英国で製造していたテニスシューズをベースに現代版にアレンジ。アッパー素材に上品な光沢感のあるスムースレザーを使用。かかとをスリムに絞って甲を高くしたことで得られる、つま先から甲への美しい曲線を描くドレスシューズのようなフォルムが特徴。かかと芯にはサッカースパイクで使われる RENO-FLEX を採用し、絶妙なフィット感とホールド感があるコンフォータブルな一足。モデル名のブローは、創設者フレデリック・ジョン・ペリーの奥さんの名前から取られている。

FRED PERRY FOOTWEAR’S
now and the future
~Autumn / Winter 2018 “Main Product”~

2018年秋冬コレクションのメインは、キャンバス生地を採用した定番モデルのブロー ヴァルカ。シンプルながら独特なシルエットで人気ブローは、日本を代表するスニーカーセレクトショップスタッフからも支持を集めている。フレッドペリーの魅力についてアトモスとビリーズのスタッフに聞いてみた。

Breaux Vulca
Navy, White 
¥9,500+tax

2018年秋冬の新作となるブロー ヴァルカは、定番モデルのブロー レザーをレトロ感のあるバルカナイズ製法で仕上げた一足。アッパー素材は、きめ細かいキャンバスを使用し、ローレルマークは、ポップな印象を与えるマルチカラーの刺繡が施されている。また、従来よりも厚手のインソールを採用することでクッション性も向上させ、快適な履き心地も提供してくれる。

Voice of sneaker select shop
atmos & BILLY’S ENT
About FRED PERRY Footwear 1/2

Interview
Tsuyoshi Yoshizaki (atmos)
吉崎 豪 / アトモス

ジョージ・コックスやウォルシュなど老舗ブランドとの共作は、
今なお続くブランドへのリスペクトを顕著に表している。

–––取り扱いを始めた時期は? またフレッドペリーが支持される理由は?
6年位前からのお付き合いになります。フレッドペリーは、ロンドン発のモッズやパンク、サブカルチャーとクロスオーバーしたファッションのアイコン的存在で、その象徴がロゴマークの月桂樹だと思います。僕もフレッドペリー世代なので、洗練されていながら特有のエッジがあるアイテムとロゴマークには特別な思い入れを持っています。でも、それが僕だけじゃないことは、長年続いているコム デ ギャルソンとのコレクションやラフ・シモンズとのコラボレーションが何より物語っていると思います。シューズでもジョージ・コックスやウォルシュなど英国を代表する老舗ブランドとの共作は、今なお続くブランドへのリスペクトを顕著に表していると思います。メジャーブランドでありながら、尖がったアンダーグランドな雰囲気を持ち合わせたブランドカラーが多くの人に支持される理由だと思います。

–––アトモスでの具体的な展開と好セールスなモデルを教えてください。
今はウェブのみの展開ですが、現在リアル店舗での展開を準備中です。アトモスで好セールスなのは、ジョージ・コックスとのコラボレーションモデルです。高額商品なのですが本当によく売れるんです。その次は、定番モデルのケンドリックやスペンサーなども人気があります。今、フレッドペリーが若い世代にも認知されはじめていると実感していて、リアル店舗での販売がスタートすると、若い世代の人たちにもっと注目されるのでないかと期待しています。

–––今後、別注する予定は?
残念ながら今のところないのですが、アトモスとしてはいつでもやりたいと思っています。色々とハードルがあって難しいみたいですが…。もし、共同企画が実現するなら、シューズはもちろんですが、ポロシャツ、バッグ、小物なども交えたユニセックスのカプセルコレクションを展開するのが理想ですね。

Voice of sneaker select shop
atmos & BILLY’S ENT
About FRED PERRY Footwear 2/2

Tartan Breaux Vulca
Red(BILLY’S Exclusive Model), Navy
¥10,000+tax

タータン ブロー ヴァルカ(レッド)は、ビリーズと共同開発したエクスクルーシブモデル。ブロー ヴァルカをベースモデルに、英国を代表するタータンチェック柄をビリーズの提案により採用。タータンチェックにすることでよりフレッドペリーらしさが表現されている。また、何度もサンプル作成を繰り返し、納得いくまで履き心地を向上させたことにより、スタイリッシュな見た目は変わらず快適に履ける一足に仕上がっている。

Interview
Keita Sato (BILLY’S ENT)
佐藤 敬太 / ビリーズ エンター

フレッドペリーが支持される理由は、
どんなファッションアイテムにでも合わせやすい絶妙なボリューム感。

–––取り扱いを始めた時期は?またフレッドペリーが支持される理由は?
2年位前から展開しています。フレッドペリーは、スポーツブランドと違ってファッションブランドが提案する靴なので、どんなファッションアイテムにでも合わせやすい絶妙なボリューム感が支持されている理由だと思います。それとブランドの持っている背景、音楽やサブカルチャーとリンクしているイメージが他ブランドと一線を画しているのも魅力ですね。個人的にはカッコイイ不良の大人が愛用するイメージです。

–––別注モデル(タータン・レッド)のコンセプトは?
フレッドペリーなのでやっぱりUKを意識して、モッズやパンクをデザインテーマに作らせてもらいました。今のスニーカー全体の主流がアメリカライクなこともあって、ヨーロッパテイストを入れたかったんです。僕自身も中・高校時代にフレッドペリーに憧れてポロシャツを着ていましたし、ブランドの背景にあるサブカルチャーの影響を受けているので、ビリーズとして新しい提案をしたかった。UKといえば、フレッドペリー。フレッドペリーといえば、赤いタータンチェック。ドンズバで直球なのですが、これ以外あり得なかったです。

–––特にこだわった所は?またどんな人に履いて欲しいですか?
赤いタータンチェック柄はもちろんですが、ソールを白から黒ラバーに変えた所です。黒にすることで単なるキュートなスニーカーから革靴感覚で履けるシューズになる。そうするとジョージ・コックスやドクターマーチンなどを好むUKカルチャー好きな人たちにも受け入れてもらえるかと。あとは履き心地ですね。これは納得いくまで3回位やり直しています。「納得できるものが出来上がるまでリリースしない」っていうのがビリーズのルールなので、安心して履いてもらえるように仕上げていますし、ユニセックスサイズ展開で、ペアで履けるようにも作ってあります。日本、アジアの方はもちろんですが、今回のモデルに関しては特に、ヨーロッパ、イギリスの人に気に入ってもらって履いてもらえたら嬉しいですね。

FRED PERRY from the birth to the present
~フレッドペリーの誕生からの現在までの軌跡~

Frederick John Perry

フレッドペリーの創業者であり、テニス界の英雄“フレデリック・ジョン・ペリー”は、1909年に英国北部で誕生。19歳で卓球の世界チャンピオンになり、その後、テニスのウィンブルドン3連覇をはじめ、全米選手権を3度、全豪、全仏選手権もそれぞれ制し、史上初のグランドスラムを達成した伝説のテニスプレーヤー。さらに特筆すべきは、恵まれた容姿に加えて、お洒落でベストドレッサーとしても認められていたことである。また、旅好きで知られ、縛られることが嫌いで自由な性格だったフレデリック・ジョン・ペリーは、4度の結婚と7回の結婚式を挙げるほどロマンスの絶えない人生を送った伊達男なのだ。そんな彼が、英国ロンドンでフレッドペリースポーツウェア社を設立させたのが1952年。この時、今日にも継承される月桂樹のマークが誕生した。当時、だぶだぶのテニスウェアシャツが市場に溢れていたのに対し、フレッドペリーは体にフィットする革新的なシルエットを発表。体にフィットするシャツは機能性が高いだけでなく、スタイリッシュで多くのテニスプレイヤーから重宝がられた。自らもテニス実況解説時にシャツを着用し、「月桂樹=世界最高のテニストーナメント・プレイヤー」というイメージが確立された。人々はこぞってフレッドペリーのシャツを求めるようになった。 その後、初期のブリティッシュ・モッズ・ムーブメントのメンバーも愛用したことからフレッドペリーはスポーツウェアからストリートウェアを横断した最初のブランドとなった。1960年代当時“モッズ”と呼ばれていた英国の若者文化はファッション・カルチャーの最先端であり、その動向は世界中の若者に大きく影響を与えていた。また、1970年代にはパンクムーブメントが巻き起ったが、そこでも支持され、フレッドペリーは、スポーツ、ファッション、音楽のカルチャーをミックスさせた世界初のクロスオーバーブランドとして、グローバルにその地位を不動なものにしていった。 2002年に50周年を迎えた頃から、スポーツウェアだけでなく、ファッション性の高いアイテムを本格的にスタートさせ、ファッションブランドとしても注目されるブランドに成長していく。2004年からは、 コム デ ギャルソンやラフ・シモンズを始めとするファッションブランドやデザイナーとのコラボレーションを開始。ハイファッションの世界にも進出すると共に現在もアンダーグラウンドのファッション、ブリティシュクールの象徴となり、世界50ヶ国以上にショップを展開し、他に類を見ないブランドとしてさらなる進化を遂げている。フレッドペリーのフットウェアを履くということは、フレデリック・ジョン・ペリーの生き方、ヘリテージ(遺産)を継承するとともに、フレッドペリーが歩んできた半世紀以上のスポーツ、音楽、ファッションとのクロスオーバーカルチャーの歴史を踏みしめることに他ならない。今後の展開に大いに期待したい。
SHOES MASTER編集部

 

FRED PERRY
Footwear Collection
Autumn / Winter 2018

フレッドペリーフットウェアには前半で紹介したクローズアップモデル以外にも様々なバリエーションのアイテムが揃っている。キャンバススニーカーはもちろんのこと、レザーシューズ&ブーツ、ジョージ・コックス、エイチ・カツカワとのコラボレーションモデルなどフレッドペリーらしい2018年秋冬の最新モデルがラインナップ。

Arktis Printed Hughes Mid
¥14,000+tax

Fred Perry × George Cox Creeper Mid
¥28,000+tax

Vinson Nylon
¥12,000+tax

Vinson Leather
¥16,000+tax

Hawley Mid
¥16,000+tax

CVS Creeper
¥13,000+tax

Fred Perry × H.Katsukawa Oxford
¥36,000+tax

Hughes Zip Ripstop
¥12,000+tax

Printed Laurel Verc
¥14,000+tax

Breaux Wool
¥15,000+tax

INFORMATION
FRED PERRY SHOP TOKYO
東京都渋谷区神宮前5-9-6
03-5778-4930
www.fredperry.jp

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