Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

Hello! I’m SK8 Converse 110th Anniversary
ALL OF
CONVERSE SKATEBOARDING

ブランド誕生110年を記念して日本国内では初となる、コンバースのスケートライン、“コンバース スケートボーディング”がスタートした。コンバースといえば、オールスター生誕100年を機に全ての機能が向上したオールスター 100と、史上最軽量モデルの、オールスター ライトが爆発的な好セールスを記録する中、満を持して登場したニューライン、“コンバース スケートボーディング”。そのポテンシャルを確かめるため、キーマンを取材した。

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新カテゴリーとなる“コンバース スケートボーディング”は、コンバースのオフィシャルサイトの中で特設サイトを開設。ムービーをはじめ、ライダー紹介、ニューモデルのスペックなどその詳細が掲載されている。

CONVERSE SKATEBOARDING Special Website
http://converseskateboarding.jp/

To start CONVERSE SKATEBOARDING
2018 FALL & WINTER
FOOTWEAR COLLECTION

“コンバース スケートボーディング”は、リアルスケーターに向けた本格仕様の“+ SERIES”(プラスシリーズ)と、基本スペックは搭載しながらライフスタイルでも履ける“STANDARD SERIES”(スタンダードシリーズ)の2シリーズから構成され、すべて日本で企画されている。スケート業界も注目する中、満を持してリリースされたコンバースのスケートラインの全貌を知るべく企画担当の加古山氏を取材した。

About “CONVERSE SKATEBOARDING”
Junichi Kakoyama (CONVERSE FOOTWEAR)
Interview

企画課 チーフデザイナー / 加古山純一 (かこやま じゅんいち)
広島県出身。文化服装学院で革靴作りを3年間学ぶと同時に独学でグラフィックデザインを習得。2003年、ビーズインターナショナル入社。ストリートファッションのデザインとグラフィックを担当。数多のシューズブランドとのコラボレーションモデルを手掛け、2016年にコンバースフットウェアに転職。“コンバーススケートボーディング”の立ち上げメンバーの中心人物の一人。

CONVERSE SKATEBOARDING “+ SERIES”
BREAKSTAR SK HI +
PRORIDE SK OX +

–––待望のスケートボーディングコレクションがスタートしました
そうですね…率直にいうと、ようやく形になって本当にうれしいです。スケートボーディングの企画自体は、2年半ほど前から始まっていたので。でも、うれしい気持ちとその反面、今後、コンバースの定番となっていけるかという不安もあります。将来的に長く履いてもらえるロングセラーモデルになってもらえたら、という想いが強いです。

–––アメリカのスケートボーディングと日本企画の違いを教えてください
アメリカ企画との違いは、過去にスポーツシューズとして使われていたシェブロン&スターのモデルをベースとして使用していることです。そこを基に改めて日本人に向けたラスト(足型)を作り、細かな所までスケートボード仕様にスペックアップしています。ラストの形状、アウトソールのデザイン、使用するラバーの配合比率、インソールなどの内側の構造を日本企画として新たに見直しました。日本の幅広いスケーターにむけて、+(プラス)シリーズとスタンダードシリーズの2シリーズで展開します。

–––まず、プロユースの+(プラス)シリーズのコンセプトから教えてください
+(プラス)シリーズに関しては、ベーシックな見た目でありつつ、スケートがしっかりできるものを目指してデザインをしています。先ほどお話ししたように、コンバースという歴史のあるブランドのイメージを踏襲しながら、プロスケーターのハードなスケートボーディングにも耐えることができるスペックを搭載したスケートボード専用のシューズがコンセプトになります。

CONVERSE SKATEBOARDING “+ SERIES”
BREAKSTAR SK HI +

¥12,000+tax

–––モデルの詳細を教えてください
ブレイクスター SK HI +の一番の特徴は、アッパーのサイド部分とタン部分の素材を切り替えているところです。ハイカットということもあり通気性を考慮し、サイド部分はスエード、タン部分はキャンバスにしています。プロライド SK OX +は全面スエードでハードな履きこなしでも長持ちする作りになっています。柔らかく足なじみもいいのでスケートしやすいシューズです。

スペック部分でのお話をすると、コンバース スケートボーディング全般のスペックになりますが、アウトソールをスケート仕様に特化させています。スケートで大切なグリップ力が効くように、ソールには滑りづらいと評判のオールスター 100モデルで採用している“トラクションソール”を踏襲。さらに、深い溝を入れて力が加わると沈み込むよう、スケート仕様に仕上げました。

ラスト(足型)に関しては、通常のモデルよりも幅を少しだけ広くしています。本当に微々たる差ではあるんですけど、従来のシルエットはキープしたまま日本人の足に合う形状に変更しました。また、安定性を持たせるために、つま先の部分を少し下に下げています。これによって接地面が多くなり、スケートをする上で安定性が向上しました。

それにプラスして、+(プラス)シリーズには追加スペックがあります。一つは“インナーホールドシステム”です。これは、伸縮性に優れたネオプレン素材をタンの内側に配することでフィット感、ホールド感をアップさせ、よりアクティブなスケーティングを可能にさせるための機能になっています。

二つ目は、“リアクトHD(ハイデンシティ)”という高密度で硬い衝撃吸収素材を採用したカップインソールです。あとに紹介しますスタンダードシリーズでもカップインソール機能を搭載したモデルもありますが、リアクトHDは、独自で開発したEVAの2層構造になっていて、優れた安定性と反発性でより快適なスケーティングをサポートします。

CONVERSE SKATEBOARDING “+ SERIES”
PRORIDE SK OX +

¥12,000+tax

–––完成するまで一番大変だったことは何ですか?
一番大変だったのは、先ほどお話しした各所のスペックの決定でした。インソールの硬さや厚さ、アウトソールの形状などを決定するのが本当に大変で…。ソールラバーの硬度においては、グリップ力を上げるためにやわらかくすると摩耗が早くなって、摩耗を防ぐために硬くするとグリップ力が悪くなるんです。インソールのクッション性もそう。クッション性を良くしようと厚みを持たせると靴の中の空間が狭くなって足入れが悪くなる。逆に薄くしてしまうと、クッション性が損なわれて…。一番重要な「スケートをやった時の最高なバランス」にたどり着くまでは、本当に長い道のりでした。色々なサンプルを沢山作って、スケーターの人たちに実際に履いてもらって。それのフィードバックを見て、もう一回違うサンプルを履いてもらって。また履いてもらって、フィードバックをもらって作り直す。それを繰り返しやるんです。すごく大変な工程だったんですけど、そこがスケートボードシューズの一番の肝であり、命ですからね。その甲斐あって最終的には、すごくいい物ができたと思っています。

–––大手ブランドのスケートラインと比べての違いを教えてください
一番大きな違いでいうと、コンバースのアーカイブを活用し、クラシックな見た目のスケートシューズを開発していることだと思います。スケートシューズ全体をみると、やっぱりちょっとハイテクな感じだったり、ランニングシューズっぽかったりするデザインが多い気がします。自社のアーカイブを活用し、クラシックな見た目のスケートシューズを開発しているブランドは少ないので、そういった所は分かりやすい違いだと思います。あと、色々な方たちに試し履きしてもらっているのですが、耐久性の面で高い評価をもらっています。スケートシューズは「何回か履くとすぐ壊れる」という意見も多々ありますが、うちのアイテムはアッパー素材とソールの耐久性がすごく強いと言われます。実際履いてもらっている方々の主観ではありますが「他社と比べて強度が強い」というのは、皆さんに共通しますね。あと、ポリエステルが主流のシューレースもコットンを採用しています。それは見た目のクラシックさと強度の部分でやっぱり切れづらいので。安心して履けるように最善を尽くしている感じです。

–––販売店舗を教えてください
8月31日から、スケートボード専門店とファッションセレクトショップ、高感度スニーカーショップでの販売がスタートしています。

–––どんな人に履いて欲しいですか?
やっぱり、スケートをしっかりやってるリアルスケーターの方ですね。スケートをすることで分かるスペックもあるので実際に履いてスケートしてもらえるのが一番いいかなぁと思っています。あと、これから始めようと考えている方にも履いてもらえたらうれしいですね。

–––契約プロスケーターについて教えてください
現在、佐川海斗さん、砂川元気さん、伊藤慎一さん、竹田昭馬さん、廣瀬祐樹さんの5名が在籍しています。

RIDER: KAITO SAGAWA
PHOTO: KENJI HARUTA

–––2年後、コンバーススケートボーディングはどうなっているでしょうか?
数あるスケートシューズブランドの一つの選択肢として日本のスケーターの皆さんに認知されるモデル、チームを作っていたいですね。さらに、イベントやプロモーションなども含めてスケートボード全体を盛り上げるブランドのひとつになっていたいと思います。

–––スタンダード シリーズのコンセプトを教えてください
ストリートファッションにもマッチするトレンド性も取り入れながら、スケートシューズとしてのスペックも搭載したシリーズです。

SKATEBOARDING “STANDARD SERIES”
BOARDSTAR SK MID

¥7,500+tax

–––モデルの特徴を教えてください
スケートボードのエントリーモデルだと考えています。ミッドカットなので、くるぶし部分が保護されて、ローカットより安心してスケートができるデザインが特徴です。アッパーのロゴプリントもトレンド性も取り入れた、ストリートユースでも使えるポップなデザインに仕上げています。

SKATEBOARDING “STANDARD SERIES”
BOARDSTAR SK OX

¥7,000+tax

BOARDSTAR SKのOXバージョンになります。アッパー素材に軽量ながら強度が高いリップストップの生地を使っています。ミッドカットと違って脱ぎ履きが楽で、足首の部分に生地がないので可動域が広くて、よりアクティブに動けるところが特徴ですね。

SKATEBOARDING “STANDARD SERIES”
PRORIDE SK CV OX

¥7,500+tax

+(プラス)シリーズで展開するPRORIDEの、スタンダードシリーズモデルになります。アッパーにキャンバス素材を採用し、小指の付け根部分に同色ラバーのオーリーガードを配置することでデザインアクセントとし、かつ耐久性にも配慮したモデルです。

SKATEBOARDING “STANDARD SERIES”
COURTRIDE SK CV OX

¥8,000+tax

キャンバスアッパーのつま先部分を大きくラバーで覆ったデザインで、オーリーやキックフリップ時に当たる部分に補強を付けたモデルです。アッパーの色から、シューレース、インソール、ミッドソール、アウトソールに至るまで、すべてワントーンで統一されたスタイリッシュな一足になっています。

SKATEBOARDING “STANDARD SERIES”
FLIPSTAR SK HI

¥9,500+tax

キャンバスとスエードを合わせたコンビのアッパー素材が特徴です。スケートのオーリー時を考えて、スエード部分を広く入れて補強してあり、かかと部分は通気性を考慮してキャンバスにしてあります。ヒール部分もヒールフリップ時を考え、ヒールカウンターを入れて外からスエードで補強しているんです。こちらもスケート機能を取り入れつつ、スタイリッシュなデザインに落とし込んだモデルとなっています。

–––スタンダードシリーズが完成するまで一番大変だったことは何ですか?
手に取りやすいスケートシューズとして、価格を抑えながら+(プラス)シリーズにも劣らない機能とデザインを実現することが大変でしたね。

–––販売店舗を教えてください。
+(プラス)シリーズは限られた店舗になりますが、スタンダードシリーズはファッションセレクトショップをはじめ、全国のスニーカーショップなどで販売されています。目にする機会が多いと思いますので、ぜひこの機会に一度、足を通していただければうれしいです。

INFORMATION
コンバースインフォメーションセンター
0120-819-217
converse.co.jp

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