Photo : Soma Doi (STUH)
Interviewer& Edit & Text : Shin Kawase
Text(Product) : Hirohito Iso

On's potential in the sneaker scene
by Shigeyuki Kunii (mita sneakers)

2010年に誕生して以来、驚異的なスピードで成長を遂げ、今や世界中のランナーから愛されるスポーツブランド“On”(オン)。近年はランニングをはじめとするパフォーマンスシーンのみならず、ファッションシーンでもプレゼンスが向上し、スニーカーシーンでも欠かせないブランドの地位を確立している。現在のポテンシャルを確認するため、日本が世界に誇るスニーカーショップ、ミタスニーカーズの国井栄之氏を取材した。(インタビュー取材:2022年7月下旬)

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ミタスニーカーズの国井栄之氏が
スニーカーシーンにおける
Onのポテンシャルを検証

About On
Shigeyuki Kunii (mita sneakers)
Interview

国井栄之 / ミタスニーカーズ

–––オンを取り扱うことになったきっかけを教えてください
2022年春夏からで“Cloud 5”(クラウド 5)のリニューアルがきっかけですね。それまでボリューム感やシルエットに若干タイトな印象を持っていましたが、このリニューアルではラストが改良されたり、素材がサステナブルになったりと、様々な部分で一変して良いタイミングでした。

Cloud 5
All Black
¥15,180

–––取り扱いがスタートする以前のオンのイメージは?
構造的なツーリングの新しさに注目していました。ただ僕らが取り扱う場合、ホカなどの他社との単純な比較で打ち出したくなかったんですよ。テクノロジー系のブランドが出てきた時って、分かりやすく比較することが多いですよね。でもカテゴリーは同じかもしれませんが、それぞれ専門分野があるし、答えの出し方も三者三様だから比較しても意味がないなと。むしろ、まだインディペンデントとしてのポジションだった彼らが、その専門性や魅力を携えながら、メジャーブランドの中にどう食い込んで行くかに興味がありました。

–––ミタスニーカーズで展開するまで結構な時間がかかりましたね
そうですね。例えば2020年にはロジャー・フェデラーと共同開発したモデルがリリースされ、ライフスタイル寄りの広いマーケットで認知されるようになりましたが、僕たちとしては機能的なパフォーマンスシューズであることにオンの魅力を感じていたので、その後もミタスニーカーズらしい提案ができるタイミングを探っていました。ビジネスの規模ですとオン・ジャパンとミタスニーカーズとではバランスが合いませんが、お互い求めていることがありましたし、それが醸成するタイミングがベストだよねっていう話もオンのチームとはしていたんです。4年以上かかりましたが、一番アイコニックなモデルであるクラウド 5のリニューアルということや、この時話題となっていた“Cloudmonster”(クラウドモンスター)もまさにローンチする時で、これまでと違うアプローチでの打ち出しを考えていた僕らにとって、求めていたものが凝縮したタイミングだったんです。

–––スタートから今までのセールス状況はいかがですか?
最初から好セールスで、こんなに早く反響があるとは予想していませんでした。特にクラウドモンスターは発売したその日に即完でした。

Cloudmonster
All Black

–––ミタスニーカーズではどんな方が購入されていますか?
オールバーズやニューバランスのMade in U.S.A.をお求めになるお客様とリンクしているのではないでしょうか。一過性のトレンドでアイテムを選ばれる方ではなく、ブランドの特性やバックボーンを理解して、オンをチョイスしている印象があります。特にクラウドモンスターのブラックは、いわゆるトリプルブラックのスニーカーを履くようなトラッドな方々にも人気がありました。いわゆるハイプ好きだけが購入しているのではなく、ブランド全般が常に選択肢にあって、ブランドごとにアイコニックなものを購入される方や、ずっと気にはなっていてミタスニーカーズでの取り扱いが後押しになって購入頂いたケースも多い印象です。

–––他ブランドと比べてオンの優れている所は?
機能やデザインは言うまでもなく、考え方が独創的なところですかね。今、各スポーツブランドは課題の設定が同じなら、その商品開発も似通っています。例えば、アディダスがブーストを発売して以来、各メーカーが一様にフォームの開発に着手したりだとか。コンピューターで計算すれば弾き出される数字は同じになる可能性もありますし、突き詰めた結果で仕方ないとは思うんですけど、オンは自分達の発想でカバーしていこうとするスタンスを感じます。

もちろん、緻密な計算の上であることは大前提ですが、開発者ならではの設計思想が、良い意味でのヒューマンエラーも起こしながらデザインで表現されていて、すごく新鮮に映るんです。オンのランニングシューズのサブスク(定期継続購入)についても、そのサービスを生んだ発想ってテクノロジーありきじゃない所からのものだと思いますし、スイスならではの環境への向き合い方がベースになっている気もします。

–––店舗へのサポートがいいと聞きました
はい。このコロナ禍で各メーカーがデジタルにシフトしてく中で、オンは店頭にもしっかり力を入れるんですよ。大きいモールに入っているスポーツショップでも、オンのコーナーはちゃんと作り込まれていて、サポート体制もしっかり整っているんです。それを見たときに、東京でショップを構える僕らとしては、実店舗に可能性を見出す姿勢にすごく感銘を受けました。それは世界規模で行われていて、オン・ジャパンの皆さんも全国の売り場を飛び回り、商品のノウハウを持つスタッフを送り込んで勉強会を開催しています。こういうことって昔は普通だったと思うんですけど、ビジネスライクな時代の風潮にそういった丁寧さがどんどん後回しになっているんです。そういった現状の中で、オンは新鮮に見えて惹かれるし、信念を持ってブランドを創っているなぁと実感しています。

Shigeyuki Kunii (mita sneakers)
国井栄之 / ミタスニーカーズ クリエイティブディレクター

1996年、ミタスニーカーズに入社。プレスを経てマーチャンダイザーとして仕事の幅を広げながら、入社2年目に会社にも内緒の直談判により当時は未知であったコラボレーションを実現。現在は、クリエイティブディレクターに就任し同店を率いる立場であり、スポーツ・アウトドア・ファッション・ラグジュアリーに至るまで、様々なジャンルのブランドとのコラボレーションや、インラインのディレクションを数多く手掛けている。

INFORMATION
mita sneakers
東京都台東区上野4-7-8 アメ横センタービル 1,2F
定休日:第三水曜日
03-3832-8346
http://www.mita-sneakers.co.jp

 

About Cloudmonster

Cloudmonster
All Black
¥18,480

オンのブランド史上最大のCloudTec®ソールを搭載したクラウドモンスター。クラウドモンスターのミッドソール素材には、軽量で耐久性・耐熱性に優れたHelion®スーパーフォームを使用し、より高いレベルのクッション性を生み出すことを実現。また、アッパーに使われているポリエステルの80%、シューズ全体の35%にリサイクル素材を使用し、環境負荷軽減に向けた商品開発にも取り組んでいる。

Cloudmonster
Frost Cobalt
¥18,480

SHOES MASTER Best Selection
2022 Fall / Winter

THE ROGER Clubhouse Mid
SHOES MASTER Best Selection
2022 Fall / Winter

THE ROGER Clubhouse Mid
Black / Eclipse, All / White
¥18,480

ロジャー・フェデラーと共同開発したザ・ロジャーシリーズの最新作。オフコートでも履くことのできるミッドカットシルエットに、90年代に活躍したプロテニスプレーヤーたちが履いていたテニスシューズを彷彿とさせる、履き口の盛り上がりも特徴的な一足。ヴィーガンレザーをレイヤードすることで繰り返し履ける耐久性を備え、通気口を増やすことでムレも防止。街中でも高いパフォーマンスを発揮するシューズに仕上がった。モノトーンのクリーンな配色もうれしい。

THE ROGER Clubhouse Mid
White / Indigo
¥18,480

 

Waterproof
SHOES MASTER Best Selection
2022 Fall / Winter

Cloudrock 2 Waterproof
¥23,980

鮮やかなブルーが眩しい一足は、オンの定番ハイキングブーツ、クラウドロックをアップデートした2代目モデルの防水仕様。今作では新しいラグパターンの採用や、ミッドソールのクラウドテックをよりダイナミックに備えるなど、デザインを全面的に再設計。これまでより優れたフィット感を提供し、ハイクからキャンプまで、様々なアウトドアシーンで活躍するシューズへと生まれ変わっている。

Cloudwander Waterproof
¥20,680

ブランド初となるローカットのハイキングシューズ。軽量で汎用性があるので気軽に着用でき、かつ長時間のハイキングにも対応する十分なサポート力を備えている一足。急な天候の変化にも安心の防水モデルで、あらゆるコンディションで常に快適な履き心地を提供。アウトドアからストリートまで、フィールドは自由自在。

Cloudvista Waterproof
¥15,180

今年春に登場したトレイルランニングシューズ、クラウドビスタの防水バージョン。軽量性やヘリオンスーパーフォームのミッドソールなどテクノロジーはすべてそのままで、防水メンブレンに加えてアッパーにリフレクター素材を採用、夜間の視認性をアップしている。落ち着いた配色は、ランニングシーンだけでなく普段の雨天時にも活躍する。

 

GEMSTONE EDITION
SHOES MASTER Best Selection
2022 Fall / Winter

Cloudnova Form Titanite
¥18,480

オンのルーツであるスイスの山々で採れる宝石や鉱物にインスピレーションを得たジェムストーン エディションからの一足。希少な鉄鉱石のチタナイトからインスパイアされたクラウドノヴァ フォーム チタナイト(上)は、ゴールドやブラウンなど落ち着いたカラーをパッチワーク風に配置し、縫い目のないシームレスなモノメッシュアッパーでモダンな雰囲気を醸成。一方、水晶の一種、スモーキー クォーツをデザインソースにしたクラウドアウェイ スモーキークウォーツ(下)は、アイスダイ加工プリントと半透明のアイステイラバーが魅力。スイスの時計職人によってデザインの細部にまでこだわり、足元に存在感を生み出してくれる。

Cloudaway Smoky Quartz
¥17,930

GEMSTONE EDITION
SHOES MASTER Best Selection
2022 Fall / Winter

THE ROGER Clubhouse Opal
¥18,480

こちらもジェムストーン エディションからの一足。オパールをイメージしてデザインされたザ・ロジャー クラブハウス オパール(上)は、パステルカラーのグラデーションのアッパーと、シューズの所々に立体感のあるエンボス加工を施した上品な質感が魅力。そして、蛍石の宝石パレットを意識したクラウドウルトラ フローライト(下)は、パステルカラーが美しい。アッパー部に配されたリップストップ、シューレース、アイステイループにリフレクター素材を使用し、暗い道でも存在感を発揮。トレイルランニングやロードランなど、パフォーマンスシーンからタウンユースまで幅広く活躍してくれる。

Cloudultra Fluorite
¥20,680

INFORMATION
オン・ジャパン 
050-3196-4189 
www.on-running.com/ja-jp

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