Photo: Masataka Nakada(STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

Since 1966
SERGIO TACCHINI
2020 Spring and Summer Best Selection

テニスの名立たるレジェンドプレーヤーたちがこぞって身にまとっていた歴史を持つセルジオ・タッキーニ。フットウェアはビームス Tとの共同企画モデルから復活を果たし、2年の月日が流れた。着実に歩みを進める春の新作のベストセレクションを紹介。またセルジオ・タッキーニの今を知るためにビームスバイヤーの新井伸吾氏を訪ねた。

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TOP PLAY SPORT MAX & GARETH
SERGIO TACCHINI
2020 Spring and Summer Best Selection

TOP PLAY SPORT MAX
White / Blue / Orange, White / Gray / Green
¥14,000+tax
1990年代にパフォーマンステニスシューズとして発売されていたトッププレイの復刻モデル。アッパー素材にレザーを使用し、当時のデザインを忠実に再現。90年代を象徴するようなシルエットとカラーリングが特徴的。

GARETH
White / Yellow, White / Gray
¥10,000+tax
シンプルでクラシックな雰囲気のテニスシューズにホールド感を高めるクリアパーツを搭載したハイブリッドモデル。蛍光色のイエローをチョイスするセンスがセルジオ・タッキーニらしい。

SERGIO TACCHINI x CHINATOWN MARKET
“PRIME SHOT CM”

White / Yellow, White / Gray
¥23,000+tax
セルジオ・タッキーニとLA発のストリートブランド、チャイナタウンマーケットによる別注モデル(2019)が日本で再リリース。セルジオ・タッキーニの定番モデル、プライムショットをベースに、レザーアッパー全面にきらびやかなラメが贅沢に配され、ラグジュアリーかつインパクト抜群な一足。

 

The man knows
“SERGIO TACCHINI” most in Japan

セルジオ・タッキーニといえば、ビームスバイヤーの新井伸吾氏。近年におけるセルジオ・タッキーニの日本復活を誰よりも待ち望み、インラインモデルはもちろん、多数のコラボレーションモデルも展開してきた。そんな彼にビームスにおけるスニーカー事情とセルジオ・タッキーニの今について取材した。(インタビュー収録:2020年1月30日)

Voice of select shop
BEAMS
About SERGIO TACCHINI

Shingo Arai (BEAMS)
Interview

About SERGIO TACCHINI
Shingo Arai (BEAMS) Interview
ビームス バイヤー 新井伸吾

ビームスにおけるスニーカーについて

–––2019年を振り返って、ビームスにおけるスニーカーの状況を教えてください
基本中の基本のもの(定番モデル)に売りが集中していて、そこまでお客さまが冒険をしなくなって、少しアグレッシブさに欠けてきてます。やはり話題性のあるものに関しては強いですが、逆に話題性に欠けるスニーカーは厳しくなってきている状況だと思います。ですので売れているスニーカーは、簡単に言うと知名度があるかないか。誰もが知ってるブランドに集中しています。その為新規参入ブランドは、今なかなか僕らでもピックしづらい状況にあります。カラーに関しても、やはり白、黒。あとは茶系、ベージュであったり。ビビッドな色というよりかは、落ち着いた色が集中していますね。そこはやはりスニーカーショップとの差なのかもしれませんが。以前ですと、どれだけ奇抜か、どれだけクレージーかというポイントをお客さまも求めてたところがあったかと思いますが、ビームスに関しては落ち着いてきている傾向にあります。

–––ビームスにおけるコート系シューズやコラボレーションモデルはどうですか?
エア フォース 1のローカットのホワイトはコンスタントに売れてます。コートシューズの代表格だと思います。コラボレーションモデルに関しては、どのスポーツブランドさんでも仕掛けるものが毎回違いますが、それに対して、ビームスのコンセプトに合わないなと思ったら、どんなに推してるモデルでもやらないのがビームスのスタンスです。そこでセレクトショップらしさであったり、ビームスの色が出てくると思っています。今の現状、どのスニーカーショップもどのセレクトショップも置いてある物がみんな同じなような気がしています…。これで本当に良いのかと疑問に思うところもあります。ビームスはどのショップよりも店舗の色を出していかないといけないと思っています。ですので僕らビームスのピックは、少し奇をてらうというか、セレクトショップなので他と同じでは面白みがないと思っています。

ビームスにおけるセルジオ・タッキーニ

–––人と同じじゃ嫌なんで、セルジオ・タッキーニなんですね
スニーカーのアイテムが厳選されてく状況の中で、今でもセルジオ・タッキー二を続けているのは、僕の中でのビームスらしさがタッキー二をやることでもあったからです。それがビームスらしいなとも思っています。その結果として、セルジオ・タッキー二が幅広い年代で売れているんだと思います。その僕らの投げる変化球を打ってくれる方がいるから継続的にリリースができているんです。決して爆発的な売れ方ではありませんが、面白いと思ってくれる天邪鬼のビームスファンの方がいらっしゃる。タッキー二をやることでビームらしいな思ってもらえたらすごくうれしいです。

–––ビームスでセルジオ・タッキーニを購入する方の特徴は、やっぱり天邪鬼な方?
セルジオ・タッキーニが好きな方は実は若い人から高齢の方まで年齢層が広いんです。でも共通しているのは、ど定番じゃなくて、ちょっとひねりがないとダメな方。みんな流行っているからこれ行くけど僕はこれだよ、みたいな。ストリートのカルチャーであったり、新しい物、少しとがった物に飢えてる方など、どちらかというと天邪鬼的な方が多いですね。でもそれは、僕が狙っていたところなので、そういう方に買ってもらえるのは本当にうれしいです。

–––これからのセルジオ・タッキーニについては
正直、タッキー二がナイキやアディダスの人気を上回ることは恐らくないとは思っていますが、僕はそれでいいと思っています。根強い人にずっと支持されていければ、それはそれですごいカルチャーにつながって、ストーリーも生まれると思うので。その背景には、他にはない圧倒的な歴史があって、テニスの名立たるレジェンドプレーヤーたちがこぞって着て履いていた時代があるブランド。僕はそこから入ったので特にその気持ちは強いです。ビームスの若いスタッフはヒップホップから入ってたりもして。学生の頃、ロゴマークがキラキラ輝いて見えてましたし、それは今でも変わりありません。僕も天邪鬼だったのかも知れません…。イタリアというお国柄なんでしょうか、色遣いとかセンスが独特でウェア自体もメチャクチャ格好良かったんです。そういった影響を今でもバリバリ受けてしまっています。

–––また近々コラボレーションモデルをリリースされると聞きました
これは本当にゼロから作っていただきました。話の発端は、タッキー二のスタッフにビクトリーOG(1980年代のテニスシューズ)を見せていただいたら、それが本当に格好良すぎて…。ただ当初は作る予定はなかったのですが、わがままをタッキー二のスタッフが聞いてくれてソールは違いますが型から起こして実現させていただきました。

ここまで完成させるのは色々と大変でしたが、今回はプライベートでも本当にお世話になっているYOYO-T’sさんと、そのデザインを手掛けるWINさんと、元ネタとなるキーカラーのグリーンとレッドをさりげなく組み込んだ待望のトリプルネームを作り上げることができました。このモデルもまさにビームスが投げる変化球です。是非受け止めて打ってもらえればうれしいです。

新井伸吾 (あらい しんご)
両親ともアパレル会社勤務の家庭に生まれ育った影響で小学校2年生からスニーカー、ファッションに目覚める。同時にテニスを始め、高校、大学ともにインターハイ、インカレに出場した実績を持つ。ビームスでは、数々のメーカーとのコラボレーションモデルを担当。今まで所有したスニーカーの足数(累計)1,500足を超え、スニーカーだけでなく、ファッションも語れる稀有な存在として注目されている。

SERGIO TACCINI × BEAMS T × YOYO-T’s

VICTORY YO PIG YO
White / Green / Red
¥13,000+tax
ビームス新井氏のたっての希望により復刻された1988年発売のオールーコート用テニスシューズ“VICTORY”(ビクトリー)のトリプルコラボレーションモデル。甲部分をホールドするため面ファスナー仕様がアイコニックなクラシックモデルにグリーンとレッドのキーカラーを色付け、シュータン部分は今回のYOYO-T’sのテーマロゴが施されている。セットアップのウインドブレーカーもカプセル販売される予定(発売日未定)。※撮影したモデルはサンプルのため仕様変更がある場合があります

INFORMATION
ビームスT 原宿
東京都渋谷区神宮前3-25-15 1F
03-3470-8601
www.beams.co.jp/shop/hbt/

About SERGIO TACCINI
イタリアのテニスチャンピオンだったセルジオ・タッキーニが、1966年に自らの名前のスポーツブランドをイタリア・ミラノで設立。テニスウエアは白が基調だった1970年代に、カラフルな生地を使用したエレガントなテニスウエアを開発。その名は世界に広がり、1980年以降はテニスだけではなく、世界中のアスリートと契約を結び、スポーツブランドとしての地位を確立した。

INFORMATION
株式会社SHINYOH
072-229-2251
http://sergio-tacchini.jp/

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