Photo : Masataka Nakada (STUH)
Text : Hirohito Iso
Edit : Shin Kawase

Roger Federer and On Launch
the Most Technical Retro Tennis Sneaker Yet
On “THE ROGER Centre Court”

2010年のブランド誕生から10年目の節目を迎え、ランニングシーンだけでなく、ライフスタイルシーンでも存在感を高めている“On”(オン)。2019年11月には、世界的テニスプレイヤーのロジャー・フェデラー氏をチームメンバーに迎えるなどその動きは非常に興味深く、両者の限定コラボレーションも7月に登場するや即完売となった。今、もっとも気になるブランドのひとつであるオン、その意欲作にフォーカスしよう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

On THE ROGER Centre Court “0 Series”

2020年7月に、1000足という超限定足数で発売され、即完売となったロジャー・フェデラー氏とのコラボレーションモデル「ザ・ロジャー センタコート ゼロシリーズ」。オンのDNAでもあるクラウドテックやスピードボードなどの機能を搭載しながら、伝統的なテニスシューズのルックスの採用は、シンプルで洗練されたデザインながら履き心地が良いと高い評価を得た。

On THE ROGER Centre Court

White / Gum

そして続いて登場した今作も基本的なスペックは同様。アッパーに入るステッチとスピードボードの色がホワイトになるなど細かい変更は加えられているが、限りなく前作に近い仕上がりに。クリーンなホワイトレザーにゴールドのネームが映える、フェデラー氏のこだわりが詰まった渾身の一足と言えるだろう。
18,800円+税

Roger Federer

About Roger Federer
1981年生まれ、スイス出身の39歳。グランドスラム男子シングルス最多勝利(20勝)や史上最長の世界ランク1位在位など数々の記録を残している、言わずと知れたテニス界のトッププレイヤー。2019年11月に、スポンサー契約としてではなく、シニアメンバーとしてオンに参画することが発表された。

On 2020 HOLIDAY COLLECTION
RECOMMENDED PRODUCTS
by SHOES MASTER

On Cloudflyer Waterproof

Black

オールブラックの武骨な表情ながら、軽量性に優れるクラウドフライヤーの完全防水バージョン。雨天時の外出が軽快になるのはもちろんのこと、なんと言ってもオンらしい高いクッション性と安定性、サポート性を兼ね備えた快適な履き心地が大きな魅力。スタイルを選ばないルックスは、どんな天候でも妥協したくないユーザーに最適な一足だ。
18,800円+税

On Cloudflyer

Black / White, Grey / Orange, White / Blue

バイカラーのアッパーデザインが印象的な、オンを代表するランニングシューズのひとつ。独自素材のヘリオンを採用することで超軽量なうえに高いクッション性とサポート性を実現し、アッパーにはソフトなメッシュ素材を使うことで長時間履き続けられる快適さを提供。走らずともタウンユースとしてうれしい機能が満載されている。オンらしい見事なカラーコンビネーションで、軽快に足元を彩ってくれるだろう。
16,800円+税

Voice of select shop atmos &
Runners Pulse STAFF
About On

今、もっとも気になるブランドのひとつであるオンだが、オンのパフォーマンスシューズとしての側面だけでなく、スニーカーとしてのポテンシャルにいち早く目を付けていたのがアトモス代表の本明秀文氏である。また、その本明氏にオンを紹介した弊誌兄弟誌、ランナーズパルスの南井正弘編集長。2016年、当時まだ知る人ぞ知るブランドだったオンをランナーズパルスの表紙に大抜擢したり、日本のメディアとして初めてオンの本社を取材するなど、日本国内でオンを一番知る男であろう。その二人にインタビューを実施した。


Hidefumi Hommyo (atmos)
本明秀文 / アトモス代表

–––オンを初めて知ったのはいつですか?
7年位前になりますかね。雑誌で見て知りました。

–––初めて履いたのはいつですか?何のモデルで、その時の感想は?
現物を見たのは5~6年前、アメリカで初めて見ました。この靴なんなの?こんな不思議なソールで履いて大丈夫なの?ってイメージだったんですけど、その後、ランナーズパルスの南井さん経由で初めてクラウドを履きました。「なんだ硬いじゃん」というのが正直な第一印象でした。最近のランニングシューズがみんな柔らかいので、柔らかさに慣れすぎてたのかも知れませんけど。でも、長く履いているとその良さが分かってきたんです。オンは、足入れが特別にいいって訳じゃないけど、歩いてみると初めてその良さが分かる靴だと思います。

–––所有しているモデルを教えてください
クラウドを色違いで4足持っています。

–––他のブランドと比べて、オンの優れていると思う所は?
靴の作りが滅茶苦茶いいところです、値段の割に。あと、全部が繊細な感じがして、ヨーロッパのブランドだなって思います。若者にはなかなか伝わりにくいかもですが、30代より上の層には、それが伝わっていると思いますね。

–––オンのライバルブランドといえば?
ホカ オネオネ。

–––オンのマイベストモデルは?
クラウドです。毎日は履かないですけど、履く時には2週間位ずっと履いているのがオンです。自分の下駄箱の中でマイブームが定期的に来る不思議な靴がオンなんです。僕、右の膝が悪くて、マイブーム以外では、膝が痛くなるとオンを履きます。膝の痛みにはずっと柔らかいソールがいいと思っていたけど、硬いソールのオンがいいんです。痛みを緩和してくれるというか。最近はランニングをやめて月に350キロ位歩いています。

–––オンの弱点をあげるなら何でしょうか?
PRをもっとやった方がいいかと思います、じゃないともったいない(笑)。あと、ロジャー・フェデラーと一緒に開発したセンターコートをドーバー ストリート マーケット ギンザで発売して即ソールアウトさせたように、もっとファッション側にアプローチすると、もっと多くの人に知ってもらえ、履いてもらえると思いますね。

–––今後のオンに期待することは?
プロダクトにも、もっとファッション的な要素を取り入れてもらえると面白くなると思います。ソールとかにも。

–––5年後、オンはスニーカー市場でどうなっていると思いますか?
今の市場は、トレイルランニングシューズが強いと思いますが、オンの場合はカテゴリーを広げずに、ランニングシューズとロジャー・フェデラーとのモデルに特化して突き詰めて行ったほうがいいと思いますね。突き詰めた先でカジュアルに落とした結果、多くの人に知ってもらえるブランドになれるかと。その選択によって5年後の立ち位置が変わってくるかと思います。

–––5年後、オンはランニングシューズ市場でどうなっていると思いますか?
プロダクトは抜群にいいので、これから確実に存在感は出してくると思います。けど、現状ではひとつのブランドが速い選手を独占している状況なので、どれだけいい選手と契約できるかも重要ですよね。選手とのリレーションシップと、それにどれ位投資できるかにもよると思います。


Masahiro Minai (Runners Pulse)
南井正弘 / ランナーズパルス編集長

–––オンを初めて知ったのはいつですか?
2013年の2月にスポーツブランド勤務時代にお世話になった方から連絡をもらい、初めて知りました。日本で正式発売される前のことでした。

–––初めて履いたのはいつですか?何のモデルで、その時の感想は?
2013年。クラウドサーファー、クラウドランナー、クラウドレーサーの3足。見た目からは想像できないソフトな着地と力強い反発性を兼ね備えていると思いました。

–––所有しているモデルを教えてください
初期のクラウドサーファー、クラウドランナー、クラウドレーサーからクラウド、クラウドX、最新のクラウドブームまで、数十足所有しています。

–––他のブランドと比べて、オンの優れていると思う所は?
外観では一目で「Onのシューズだ!」と分かるシンプルかつ洗練されたデザイン。機能面ではソフトな着地と力強い反発性を兼ね備えている点。

–––オンのライバルブランドといえば?
唯一無二な存在だと思いますが、強いて挙げればホカ オネオネとアルトラ。共通点としては、従来のランニングブランドとは異なった独自の機能性でランナーにアプローチし、ワールドワイドで受け入れられているところが似ているので。

–––マイベストオンモデルは?
クラウドランナー、クラウドサーファー、クラウドX、クラウドフロー、クラウドブーム

–––街履きとして愛用しているモデルは?
クラウド、クラウドX、クラウドロック ウォータープルーフ、クラウドノヴァ

–––ランニングシューズとして愛用しているモデルは?
クラウドフロー、クラウドX、クラウドサーファー、クラウドブーム

–––オンの弱点をあげるなら何でしょうか?
雨天時のアウトソールのグリップ性。それも最新モデルのクラウドブームでは克服しています。

–––今後のオンに期待することは?
これまでと同様にスタイリッシュなデザインと優れた機能性を高次元で融合したプロダクトラインアップを取り揃えてほしいですね。あとは、オン独自のランニングイベント、ロードレースを開催してほしいです。それを待っているOnFriendsは少なくないかと。

–––5年後、オンはスニーカー市場でどうなっていると思いますか?
現在は純粋なスニーカーはクラウドノヴァなど、少ないSKUですが、5年後になるとモデル数は大きく増えていると思います。もちろん、いずれのプロダクトも機能性はないがしろにすることなくパフォーマンス ウィズ スタイルをより一層究めていると思います。

–––5年後、オンはランニングシューズ市場でどうなっていると思いますか?
現在以上にランニング市場でシェアを高めていると思います。またランニングカテゴリーに留まらず、アウトドアを始めとした分野でも確固たるポジションを築いている気がします。

About On
スイス・チューリッヒで2010年に誕生したスポーツブランド、オン。そのミッションはシンプルで、“ランニングを楽しくする”こと。2019年、スイス人の世界的テニスプレーヤーであるロジャー・フェデラーがチームに参画することが発表され、アメリカなどでも大きく報道、話題を呼んでいる。独自のクラウドテックシステムは、世界特許を取得しており、ブランド誕生から10年で、世界55ヶ国、6,000店舗以上で販売されている。

INFORMATION
オン・ジャパン
050-3196-4189 
www.on-running.com/ja-jp

pagetop