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SHOES MASTER
Web SPECIAL
Photo: Soma Doi(CLOCK)
リーガルでもうひとつ。
本誌秋冬号とウェブスペシャルで掲載した
リーガルのニューラインを企画した
デザイナーインタビューを紹介。
2025年2月にリブランディングを発表した
リーガルスタッフから編集部に一報があった。
リーガルの強みを活かしたニューラインを
企画しているので会ってほしいと。
リーガル本社を訪れた我々の前に置かれていたのは、
従来のリーガルの印象とは異なるプロダクトだった。
ニューラインを企画したデザイナーに、
その詳細について取材した。

About REGAL New Line
Takuji Katayama(REGAL)
Interview
片山拓治 / リーガルコーポレーション
商品企画部デザイナー

リーガルの品質基準は、
「なぜここまで高い基準が必要なのか?」と
驚かれることもあります
–––ニューラインのコンセプトを教えてください
リーガルのリブランディングの背景には、コロナ禍を経て大きく変化した、働き方や人々のマインド、そしてファッションのあり方があります。そうした変化をリサーチし導き出されたのが、“Always feel good”をテーマにした「履く前から、履いている最中、脱いだ後まで、ずっと心地よさが続く体験を届ける」というミッションでした。
–––ニューラインの特徴、ディテールについてのこだわりを教えてください
今シーズンは、ゴアテックスとヴィブラムの組み合わせをどうしても実現させたかったんです。ゴアテックスを採用するには、防水性や透湿性といったゴア独自の基準をクリアしなければなりません。ただ、それだけではなくて、表面のマット感や艶感、革の厚みにも調整を加えました。

New Line
REGAL AFG Sneakers – GTX
(Lace-Up Version)
https://www.regal.co.jp/
ドレスシューズでは使わないタイプの革をあえてカジュアル向けに選んだのも今回のポイントです。カラーについてもすべて新たに企画して、それに合わせてヴィブラムソールの色も別注しています。また、ソールに関しては、雪山での使用も視野に入れていて、仙台より北のエリア向けには専用のモデルも用意しました。

REGAL AFG Sneakers – GTX
(Winter sole version)
開発メンバーと一緒に札幌まで足を運んで、レギュラーのソールや冬用のタイプ、それからヴィブラムのアークティックグリップなど、いろいろ試したんです。現地のリーガルショップのスタッフにも意見を聞き、非常に参考になりました。履き心地についても、高反発と低反発の感じ方を検証しながら、素材の配置や厚みをミリ単位で調整しています。さらに、ゴアテックスの持つ透湿性をより高めるために、インソールにパンチングで穴を空ける工夫も取り入れています。
–––他ブランドにはない「リーガルニューラインの魅力」とは何でしょうか?
リーガル独自の靴づくりの基準をすべてクリアしているというのは、ニューラインの大きな魅力だと思います。日本には四季の変化があり、家の中では靴を脱ぐ習慣があるなど、足元にまつわる文化がとても繊細です。創業123年を迎えるリーガルには、長年日本人の足と向き合ってきた実績があり、その蓄積と自負があります。たとえばクッション性などの快適さを生む素材や、履き心地を左右する木型の設計には、過去の統計データをもとにした厳格な検査基準が設けられています。もちろん、ニューラインにもこの基準がしっかりと適用されています。

New Line
REGAL AFG Sneakers – GTX
(Center Zip Type Version)
https://www.regal.co.jp/shop/
さらに、レザーへのこだわりも深く、革の品質はすべて自社で検査を実施。基準をクリアしたものだけを使用しています。中には、ISO(国際標準化機構)が定める基準よりもさらに厳しい項目もあり、「なぜここまで高い基準が必要なのか?」と驚かれることもあります。実際、本場イタリアのタンナーの革でも、この検査に通らないことがあるほどです。世界的ソールメーカーであるヴィブラムに対しても、耐摩耗性や剥離、屈曲などといった機能面を網羅した独自の検査を行い、すべてにクリアしたものだけを使用しています。こうしたこだわりは「頑丈で長く履ける」というリーガルのブランドイメージを守るためでもあります。その基準を満たした製品だからこそ、自信を持ってお勧めできるんです。
–––主な展開店舗を教えてください
全国のリーガル直営店のほか、オンラインストアでも取り扱います。そして、百貨店では伊勢丹新宿店での展開も決まりました。10月上旬より順次発売になりますので、実際に手に取って見てみたい方や、足入れをしてみたいという方は、ぜひお気軽に店頭までお越しください。