2014 | 11.19 | Wed | 06:33

Reebok CLASSIC The Pump 25th ANNIVERSARY #3

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No Two Feet_The Pump_1990

via
SHOES MASTER Vol.21 page_129
Reebok CLASSIC The Pump 25th ANNIVERSARY

 

1990年代初頭の「フィッティング戦争」を
制したポンプテクノロジー

アッパーに内蔵されたブラッダー(空気室)に適切な量の空気を送り込むことで、足とシューズの一体化を
目指したテクノロジーの代名詞はなんといってもリーボックのポンプである。しかしながら1989年のサンク
スギビングデーのタイミングにはポンプテクノロジーを搭載したリーボックのバスケットボールシューズで
あるザ・ポンプだけでなく、ナイキからもエアプレッシャーという類似テクノロジーを搭載したモデルが
リリースされた。アメリカの業界誌などは「ポンプ対決」のような記事で煽ったが、結果はニューヨークを
代表するスポーツショップのパラゴンで圧勝するなど、リーボックのザ・ポンプがこの対決を制した。これ
以降ポンプテクノロジーはバスケットボール以外に、テニス、クロストレーニング、エアロビクス、
ランニング、ウォーキングといったカテゴリーにも採用されるリーボックの基幹テクノロジーとなり、
1990年~1991年頃のポンプテクノロジー搭載モデルの売り上げは、それ単体でも当時の全米スポーツシューズ
ブランド別売り上げでベスト5にランクインするほどのセールスを誇ったほど。一方でナイキの空気による
フィット機能搭載モデルは、エアコマンドフォースとエアフォース180(HI)で終了した。’80年代末期は
「クッショニング戦争」と命名されるほど各ブランドは衝撃吸収及び反発テクノロジーの開発に躍起に
なったが、’90年代初頭はナイキからハラチフィットが登場するなど「フィッティング戦争」と名付けても
よいほど足とシューズのフィット感に注目が集まった。そんな当時のスポーツシューズマーケットをリード
していたのがリーボックのポンプであり、シュータン部分のバスケットボールやテニスボールを模ったコン
プレッサー部分はストリートにおけるステータスシンボルとなった。それは権力者がメルセデスベンツの
スリーポインテッドスターでその威光を誇示したように、当時のアメリカのストリートキッズたちはポンプ
を履いていることを心から誇りに思っていたのである。

南井正弘

 
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