
Photo : Masataka Nakada (CLOCK)
Edit & Text : Shin Kawase
Evolving Mizuno Sports Style
Mizuno Sports Style
“WAVE PROPHECY MORELIA NEO”
ミズノを象徴する名作サッカースパイク、
モレリアが40年の時を経て
ミズノスポーツスタイルで新生
2025年、早春。「オフザピッチで履ける新しいモレリアが完成した」とミズノスポーツスタイルの齊藤健史氏から編集部に一報があった。ミズノのサッカースパイク・モレリアといえば、サッカー経験者では知らない人はいない絶対的存在の比類なき名作。モレリア誕生から40年。ミズノの伝家の宝刀にミズノスポーツスタイルが初めて向き合い誕生した。

Morelia II JAPAN (2020)
写真提供:ミズノ株式会社
「すべてはプレーヤーの最大限のパフォーマンスのために」をテーマに、1985年に誕生したミズノのサッカースパイク、モレリア。「軽量」「柔軟」「素足感覚」の3つをコンセプトに、当時としては超軽量の245g(26.0cm片足)のシューズとしてデビュー。メキシコの都市名から名付けられたモレリアは、1986年にブラジル代表のカレッカ選手(FW)がメキシコでの国際大会で着用して目覚ましい活躍を披露し、世界中から一躍脚光を浴びた。その後、イタリアでの国際大会でブラジル代表の多くが使用したモレリアは、1991年に発売されたモレリアⅡがベースになっており、今でもJリーガーをはじめとする多くの選手に愛用されているモレリアと殆ど変わらないという。「ボールを蹴って、相手ゴールに入れるというサッカーの原点が変わらないように、スパイクも当時から今も求めるものは基本的には変わっていない」と開発担当者は語っている。

WAVE PROPHECY MORELIA NEO (2025)
※Not for sale

WAVE PROPHECY MORELIA NEO (2025)
About MORELIA&
Mizuno Sports Style
“WAVE PROPHECY MORELIA NEO”
Takeshi Saito (Mizuno Sportstyle)
Interview
1986年に世界中から一躍脚光を浴びて以来、ミズノは時代を超えてモレリアを高度にマイナーチェンジさせ、今なお愛され続けるサッカースパイクとして高いプレゼンスを誇っている。アスリートのパフォーマンスをサポートし続けるオンザピッチの絶対的王者を、オフザピッチへ。名作モレリアをミズノスポーツスタイルが誕生させた経緯とプロダクトの詳細を知るために齊藤健史氏を取材した。

齊藤健史
ミズノ株式会社
グローバルフットウエアプロダクト本部
商品企画部 スポーツスタイル企画デザイン課所属
–––齊藤さんの中でモレリアとは、今までどういう存在だったのでしょうか?
私自身はサッカー経験者ではなく、ずっと陸上部でした。ただ、練習を横で見ている中で、上手い選手の足元には必ずと言っていいほどモレリアがあり、その光景が今でも強く印象に残っています。海外ブランドが流行っていた時期ではありましたが、試合の中心となるような選手はたいていモレリアを履いていましたね。プーマのデルムンドやパラメヒコライト、アディダスのコパムンディアルなど、モレリアの特徴でもある天然皮革は、これら海外ブランドにも次々と採用されていました。実際、私も前職での製品開発では、モレリアをベンチマークにしていた位です。
当時はモレリアをはじめ、天然皮革を使用したスパイクが市場にあふれていた印象があって、そんな飽和状態に一石を投じたのが2011年デビューの初代モレリアネオです。圧倒的な軽さ、柔らかさ、そして“素足感覚”というキーワードで注目を集め、一気に人気を取り戻しました。今では、私の世代以上にモレリアが神格化されている印象があり、子どもたちを含む若い世代に聞くと、「上手くなるまでは履けない」「いつかは履きたい」といった声が多く、価格帯も含めてチャレンジングな存在になっているようです。
–––40周年ではありますが、なぜ今、モレリアだったのでしょうか?
実は、このモレリアの企画は、40周年のタイミングを狙って始まったものではないんです。プロフェシーモックに着手していた頃から、次の打ち手の一つとして構想はすでにありました。あの時の反響を受けて、次に打ち出すべき話題を考えたとき、ミズノが持つ資産の中でも、モレリアには大きな可能性を感じたんです。
ただ、モレリアはスパイクとしての高い専門性と、大きな存在感を持つブランディングのため、軽々しく扱うわけにはいきません。安易に手を加えてイメージを損ねてしまえば、私が担当するスポーツスタイルカテゴリーにとどまらず、これまでモレリアブランドを築いてきた先人たちや、実際にモレリアを履いてその価値を体現してきたレジェンドと呼ばれる選手たち、さらにはモレリアファンにまで大きなネガティブな影響を与えてしまいかねません。それでも、ここ数年のライフスタイルカテゴリーにおける評価の高まりが追い風となり、「今がそのタイミングだ」と強く感じて、社内で何度も掛け合いました。私たちは、ミズノがランニングだけではないということ、フットボールにも強い資産があるということを、きちんと証明したかったんです。
–––ウエーブプロフェシーモレリアネオのコンセプト、ディテールを教えてください
「オフザピッチのモレリアはどうあるべきか? そして、それはワクワクするか?」ということを徹底的に考えました。モレリアは、ピッチの上で90分間戦い抜くためのスペックを追求し、その結果として天然皮革の採用や、唯一無二のフィット感を実現してきました。一方で、今回のテーマは“オフザピッチ”、つまり街で履くモレリアです。

このモデルでは、“日常使いでも型崩れしない、サッカーブーツらしいシルエット”、“革が伸びすぎないこと”、“唯一無二であること”という3つのコンセプトを掲げました。そこで、モレリアの象徴とも言える天然皮革はあえて使わず、天然皮革に近い質感を持つ人工皮革を採用。これにより、長時間の使用でも形が崩れにくく、それでいて足にしっかり馴染むようにしました。さらに、私たちのフラッグシップモデルであり、唯一無二の存在であるプロフェシーのソールを組み合わせることで、街のアスファルトというオフザピッチの環境においても、優れたクッション性(衝撃吸収)、スタビリティ(安定性)、グリップ力、そして圧倒的な存在感を付加しています。ちなみに偶然にも、モレリアとプロフェシーはどちらも6月1日生まれ。そんな共通点も、今回の企画に不思議な縁を感じさせました。
–––ウエーブプロフェシーモレリアネオを製作する上で一番大変だったことは?
やはり、もともとの使用目的が異なるソールとアッパーを組み合わせることには、当然ながら難しさがありました。一方を優先すれば、もう一方とのバランスが崩れてしまう。そのため、発売直前までミリ単位でシルエットやパターンの微調整を繰り返しました。その目線の中心にあったのは、何よりも「モレリアファンをがっかりさせたくない」という強い思いです。当時、モレリアをオンザピッチで履いてくれていた人たちに、今こそオフザピッチでも愛用してもらいたい。そんな願いを込めて、既存ファンの期待を裏切らないよう、細部に至るまで可能な限りこだわり抜いたつもりです。

–––ウエーブプロフェシーモレリアネオをどんな方に履いて欲しいと思いますか?
既存のモレリアファンの方々はもちろん、かつてモレリアネオを履いて青春を過ごした方にも、オフザピッチで履ける新しいモレリアをぜひ体感していただきたいと思っています。また、サッカーというフィルターを通ってきていない方にも、ミズノの神髄に触れるきっかけになればと期待しています。そして、このタイミングに確信を持たせてくれたファッション界隈の方々には、「お待たせしました!」と自信を持って届けたいと思っています。もちろん、それぞれの中にある“モレリア像”が異なる以上、「これだ!」と思ってくださる方ばかりではないことも覚悟しています。でも、今の私たちが表現したかったことは、しっかり形にできたと感じています。だからこそ、まずは手に取って、履いて、感じていただけたら嬉しいです。
齊藤健史 / ミズノ株式会社
大学卒業後に一般企業に入社。その後、その企業を退社してシューズの専門学校で2年間靴作りを学んだ後、外資系スポーツブランドに入社し10年在籍。その経験を生かして、2017年にミズノに入社。ランニングシューズを担当しながら、ミズノのニューレーベル“rhrn”(アールエイチアールエヌ)を立ち上げる。現在は、KAZOKU、rhrn、ミズノスポーツスタイルのインラインとすべてのコラボレーションモデルを手掛けている。


WAVE PROPHECY MORELIA NEO
BLACK
¥33,000
ミズノスポーツスタイルの最新作となるウエーブプロフェシーモレリアネオは、サッカースパイクのモレリアネオとウエーブプロフェシーを融合したハイブリッドモデル。アッパー素材には天然皮革に匹敵するほどの柔らかさを持つ人工皮革を採用。つま先のワイドステッチデザインは現行モデルのモレリアネオ 4を踏襲し、ソールユニットは空洞のあるインフィニティ構造のプレートが特徴のインフィニティウエーブを搭載。まさにミズノにしか作れない唯一無二のニューモデルに仕上がっている。



WAVE PROPHECY MORELIA NEO
(Not for sale)
モレリアⅡのカラーリングを踏襲したウエーブプロフェシーモレリアネオのスペシャルカラーバージョン。本スペシャルカラーは、ミズノスポーツスタイルと関わりの深い関係者だけに提供される贈呈品として制作されたもの(非売品)。

この贈呈品となるウエーブプロフェシーモレリアネオは、7月10日(木)に東京·南青山で開催されるクローズドイベントでお披露目されるそうだ。残念ながら販売の予定はないが、ミズノスポーツスタイル創世記から取材をしている弊誌だけがクローズドイベントの独占取材を許可されている。イベント終了後、ウェブスペシャルで当日の模様をレポートするのでお楽しみに。

WAVE PROPHECY MORELIA NEO
People Concerned Exclusive Launch Event
at Tokyo Minami Aoyama
東京・南青山で開催された
関係者限定のローンチイベント
7月10日の18時にスタートしたウエーブプロフェシーモレリアネオのローンチイベント。その幕が上がった直後、東京では数年に1度程度しか発生しない「記録的短時間大雨」が相次いで発表。18時40分をピークに記録的な豪雨、落雷に見舞われた。都心では住居浸水や道路冠水などの被害が出て、交通機関も大きく乱れる大変な事態になった。そんな嵐の夜、ミズノスポーツスタイルの新たな扉が開かれた。


2025年6月30日。1985年に誕生したモレリアサッカースパイクの40周年を祝うとともに、2011年に誕生したウエーブプロフェシーを融合させた新モデル、ウエーブプロフェシーモレリアネオの発売が発表された。モレリアとプロフェシーはどちらも6月1日生まれ。「そんな共通点も、不思議な縁を感じさせた」、とミズノスポーツスタイルの齊藤健史氏はインタビューで語っていた。


イベント当日は記録的な豪雨にもかかわらず、会場内は満員状態。ミズノスポーツスタイルの卸先であるショップスタッフ、メディア関係者、インフルエンサーやスタイリストなどが駆け付け、50名が入れば一杯の会場にトータル130名以上が来場した。この日は、ミズノスタッフのみならず、ミズノ関係者にとっても特別な夜。それを象徴するように、ほとんどの人がびしょ濡れで来場していたが、みんな楽しそうな表情が印象的だった。





ウエーブプロフェシーモレリアネオは、“ピッチを越えたサッカーの新しい美学を表現する”という、これまでにないアプローチから生まれたプロダクト。モレリアが持つサッカーのDNAと、ランニングシューズのソールユニット、ウエーブプロフェシーが持つ機能美を融合させ、ストリートに落とし込む。その新たなるミズノの革新を象徴する一足。


今回のイベントは、名だたるブランドでアートディレクター、クリエイティブディレクターを務める元田太郎氏が率いるtentativeが演出。彼らは、響く層が小さくても大きくても、深く刺さるものに価値を見出し、想像を促すようなクリエイションを生み出している新進気鋭のクリエイティブユニット。


ウエーブプロフェシーモレリアネオは、サッカープレーヤーにこよなく愛されている、モレリアネオ4のアッパーを搭載。サッカースパイクには天然皮革が使われることが多いが、ウエーブプロフェシーモレリアネオは足馴染みの良い人工皮革を採用し、あらゆるライフスタイルシーンにおける履きやすさを重視。

ミズノが独自開発したウエーブプロフェシーソールは、ミッドソールが‟へたる”原因を最小限に抑えるため、空洞のあるインフィニティ構造のプレートを採用。ミッドソールには安定性とクッション性という、本来ならば相反する2つの機能を両立するミズノウエーブを搭載。アウトソールに使われるラバーは、通常のものよりも耐摩耗性が高い素材、X10を踵部に採用することで、耐久性も向上。ウエーブプロフェシーモレリアネオは、ミズノの伝統と今を一足で体感できる一足となっている。

取材協力:ミズノ株式会社
INFORMATION
ミズノお客様相談センター
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