Do you know “ROOY”?
Do you know “ROOY”?
“ROOY” SHOESMASTER First Introduction!
“ROOY”(ルイ)というシューズプラットフォームを聞いたこと があるだろうか?ROOYは、世界で1,200名以上のシューズデザイナーからデザインを募集して、商品化・製造・販売し、売り上げの一部は担当したデザイナーに還元している稀有な仕組みだ。そのROOY側から「日本の優秀なデザイナーを探しているのでぜひ協力してほしい」と連絡があった。編集部は、ROOYの活動をもっと知るために来日した彼に直接話を聞いた。
Photo: Kazumasa Takeuchi (STUH)
Ryan Kang (ROOY CEO), Interview
世界で唯一のフットウェアの
クラウドソーシングなのでライバルは存在しません。
―ROOYを立ち上げた目的を教えてください。
アメリカの大学を卒業後、実家の靴製造業会社に入ってシューズの製造 をやっていました。最後はセールスのディレクターを3年やっていました。その中で靴のデザイナーが新しいブランドを立ち上げる難しさをずっと感じていました。服と比較した場合でも、靴の製造はとても難しい。その理由は3つあって、ひとつは資金の問題。プロトタイプをひとつ作るにもとても資金がかかる。次に製造。販売マーケティングの専門知識が必要で、ひとつひとつの製造コストが服より高い場合が多い。最後に消費者のニーズを把握することが難しいこと。これらすべてをROOYで解決しようという目的でROOYを立ち上げました。
ROOYのビジネスはプラットホーム、つまりデザイナー、リテイラー、ブランドが使う場所なので、ROOY自体がターゲットを持っているということはありません。それぞれのデザイナー、リテイラー、ブランドによって異なったターゲット層になる。例えばパルコだと当然日本にある会社で日本のコンシューマーに靴を売っているので、日本の消費者にユニークなデザインを届けるというニーズはある。アイテムによって、デザイナーによってターゲットが違うということになります。ROOYは、120ヶ国、1,200人のデザイナーを抱えています。だから1,200人がみんな違うストーリーを持っているようにそれぞれのターゲット層があるとも言えますね。
―最大の特徴(魅力)は何でしょうか?
スタッフがスペシャルメンバーだということ。私をはじめ、他も大手のシューズインダストリーで活躍していたメンバーが立ち上げていて、企画から製造、マーケティング、実際に販売するというところまでの専門家が揃っているということ。
もう一つは、オープンプラットホームであるというところ。つまりはクローズドで開発するのとは違って、オープンにデザインを公開していくのですぐに皆に見てもらえること。結果どうなるかというと、大手のメーカーと比べた場合、コンセプトを作った段階から、最終的に製品するまでの期間が3分の1です(通常18ヶ月かかるが6ヶ月でできる) 。最後にデザイナーのインキュベート。個人のデザイナーを育成し、世の中に知ってもらう機会を沢山作ることを目的としているので、収益の10%をデザイナーに還元しています。収益 が上がれば上がるほどお互いにとって成長できるスキームであること。
―ライバルブランドは?
世界で唯一のフットウェアのクラウドソーシングなのでライバルは存在しません。ただし、他のアイテム、Tシャツのクラウドソーシング、あるいはコンシューマー向けの雑貨、アイテムのクラウド、デザインを集めて作るというものはアメリカにも成功企業はあります。ただし靴の場合は製造がとても難しいので、そこのクラウドソーシングというものは世界に他にありません。デザイナー同士が競争するということはありますが。
―ライアンさんにとって「いいシューズ」とは?
既存ブランドでも新規ブランドでも「ストーリー性」というのが最も大切だと思います。数十年前と比較して、高品質でいいものを作っただけでは靴は売れなくなっていて、消費者も高品質だけを求めるような時代ではない。消費者が今求めているひとつはストーリーがあること。だからストーリーに 共感できる靴がいい靴ですね。強い思いが込められている靴。
―ライアンさんが考える「売れるシューズ」の条件とは何ですか?
靴には強いストーリー性、売れる靴にはマーケティングが必要です。デザイナーが持っているストーリー、これに実際に消費者のニーズを反映させてアジャストする。売れる靴とは、消費者ニーズを反映して強いストーリーを持った靴ということになります。
優秀なシューズデザイナーとは、起業家でもあるということです。
―ライアンさんにとって「優秀なシューズデザイナー」とは?
優秀なシューズデザイナーとは、起業家でもあるということです。つまりデザインだけを考えるのではなく靴を実際に作るには、企画、製造、販売、販 売促進、というそれぞれのプロセスの中で全てを考える起業家のようなデザイナーがいいデザイナーだと思います。
―なぜ日本人のシューズデザイナーを探しているのですか?
日本人は、趣味嗜好も多様で自分を「自分らしく表現したい」という想いを持っている。だから眠っているポテンシャルデザイナーが日本に多くいると 考えています。あと、日本人はたくさん靴を買っているから。我々の調べでは、アメリカが年間3.5足なのに対して、日本は倍以上の7.2足の靴を買っています。
―日本での展開について教えてください。
外国人がデザインしたユニークな靴を日本の消費者に販売するという「メイドフォージャパン」プロジェクトを行っています。現在、渋谷パルコでギャラリーをコンセプトにしたポップアップストアを展開中でシューズも販売してい ます。
―最後に読者にメッセージをお願いします。ぜひ皆さんROOYというプラットホームを知ってください。デザイナーもパートナーシップのメンバーも新しい靴を作るのに日々一生懸命にやっているのでぜひ一度見に来てください。
Ryan Kang
ライアン・カン
ROOYのCEO。コーネル大学のビジネススクールを卒業後、サンフランシスコで ROOYを設立。世界で唯一のフットウェアのクラウドソーシングを行ってシューズデザイナーやブランドを発掘するプラットフォームを立ち上げる。先ごろ、本拠地をシアトルに移転し、アメリカ、日本、韓国の靴小売市場に本格的な参入を始めた。
Made For Japan
Three of shoes by
the three shoes designer by ROOY
ROOYは、パルコが運営するクラウドファンディング“BOOSTER” (ブースター)と組んで「外国人がデザインする日本向けの商品」というテーマで世界中からデザインを公募した。その中から選ばれたのがこれから紹介する3モデル。現在、渋谷パルコの地下にデザイナーズシューズギャラリーが開催中で販売も行っている(パルコ3モデルは5月1日発売予定)。オンラインではパルコ3モデル以外は、アマゾンで販売する予定になっている。
シューズデザインに関する講師を8年勤め ているブラジルのデザイナーの作品。日本の “サムライ”からインスパイア。現代の若者 文化と伝統文化を組み合わせる温故知新 のデザインがテーマ。ビブラム社のソール を使用し、快適な履き心地も約束している。
ハイカット¥16,800 +tax
ローカット¥13,800 +tax
KO-JD Loafer
by Malith Waharaka
スリランカ二世のバージニア工科大学院生 デザイナーの作品(アメリカ)。日本の下駄 と上履きから着想を得たデザインでフェルト地 と独自の染色技術で染められた藍染めのデ ニムによって優しい履き心地も実現。デニ ムは岡山のクロキデニム。
¥9,800 +tax
大学でインダストリアルデザインの学士号を 取得しているデザイナーの作品(メキシコ)。 下駄や草履といった日本式のサンダルから インスパイア。俳句にその名を借りているよ うに、「必要なものしかない」というシンプル さ、機能的かつ軽量なデザインがテーマ。
¥19,800 +tax
パルコ渋谷店 03-3477-8885
www.rooy.com/store/parco
COSMIC(Hihg Top)
¥27,800 +tax
COSMIC DENIM(High Top)
¥17,800 +tax
COSMIC DENIM(Low Top)
¥12,800 +tax
ROOY JAPAN
https://www.rooy.com/
藤田直哉 / Amazon
Amazonシューズストア メンズシューズ統括バイヤー。
―ROOYの印象は?
存在を知った時からすぐに興味が湧き、今の日本のスニーカー業界には無い大きなポテンシャルを感じました。
―ROOYのビジネスモデルについては?
シューズデザイナー達からデザインを募集し、それを形に できるのは、ROOYの一番の強みであると思います。
―ROOYのプロダクトについては?
まだ、現状リリースされるのは数型だけですが、今後、尖がったプロダクトからベーシックなプロダクトまで幅広いカスタマーに向けたプロダクトが増えていけば面白いことになると思います。
―ROOYの将来に期待することは?
オフライン、オンラインの垣根が無いフラットでマルチなビジネスができると思いますので、今後のROOYブランドの拡大に期待します。
Do you know “ROOY”?
“ROOY” SHOESMASTER First Introduction!
ROOY JAPAN
https://www.rooy.com/