河瀬です。
アシックスといえば、
SHOES MASTERの最新号でアシックス&オニツカタイガーの
グローバルマーケティング統括部の総責任者、
ジョン・モレンジャー氏にインタビューしたことを思い出す。

via
SHOES MASTER Vol.21
126-127_page
Photo: Kengo Shimizu(STUH)

ASICS&Onitsuka Tiger
John Mollanger(Global Marketing Division)
INTERVIEW

 

――― アシックスとオニツカタイガーの違いを教えてください。
ひと言で言うなら… ミッションが違う、ということです。アシックスは、スポーツで何かを達成するのをサポートするツールであり道具であること。そのパフォーマンスをより良くするためのイノベーションだったり、マテリアルだったり…。目的のために一切妥協しないモノ作りがミッションです。オニツカタイガーは、ライフスタイルブランドなので、カルチャーテイストを取り入れて「今」のライフスタイルに支持されるモノ作りを行っています。

――― 「よいプロダクト」の条件とは何ですか?
アシックスとオニツカタイガーでは「よいプロダクト」の条件に違う意味があります。アシックスにおいては、ファンクション、テクノロジー、妥協しないこと、こだわりがあること、だと思います。オニツカタイガーでは、クラフトマンシップ、ヘリテージ、カルチャー、そして、ここでもこだわりがあることが「よいプロダクト」の条件ではないでしょうか。

――― アシックスのプロダクトのクオリティは世界一だと思いますか?
「はい」と応えるのは簡単ですが(笑)、どういう基準で考えるかによって答えは違ってくると思います。傲慢かもしれないですが、ファンクションという点で考えれば一番だと言える部分はあります。でも買っていただくお客様が何が一番大事で何をもって一番だと思うかによって違うのだと思います。

――― ジョンさんのマイフェイバリットシューズは何ですか?
アシックスでは、沢山あって本当に迷うのですが、パフォーマンスの方でいうと“GEL-KAYANO®(ゲル カヤノ)”です。カヤノを選んだのは、20年の歴史があって毎年より良いものへと改善し続けている高いビジョンを持ったシューズだからです。オニツカタイガーでは、1953年に発売された“マラソン足袋”です。オニツカタイガーだけでなく会社を代表する一足だと考えています。非常に丁寧に作られた靴で、シンプルなルックスが美しい。ただそれが目的ではなく、この靴が作られた目的はファンクション、走るために作られた靴であるのに結果がシンプルで美しい靴に出来上がっています。追加で言えば、80年から90年代の“GEL LYTE”(ゲルライト)ですね。テクノロジーが発展したきっかけとなった靴でとてもインサイトフル(色々なものが込められた)な一足です。

――― ジョンさんの思う個人的なライバルブランドは?
全てのブランドを尊敬しています。誰がライバルという考え方はしません。あえて言うなら私たちの敵はアシックスの中の悪いアイデア、考え方にある、と思っています。日々会社でコンペティターは素晴らしいと考えています。どんな風にしたら彼らと違うものが作れるかを考えるようにして…。他社に対して失敗すればいいとかではなく、アシックスをどうしたらより良いかを常に考えるようにしています。

――― 今後の日本での展開について教えてください。
ずばり、イノベーションカルチャーです。人とかテクノロジーとか商品ではなくて、カルチャーをより刷新していきたいと思っています。カルチャーというのは、過去・現在・未来のすべてを含み、よりグローバルな意味で日本の文化を発信していきたい、使っていきたいと考えています。


John Mollanger
Senior Executive Officer
Senior General Manager
Giobal Marketing Division
ASICS Corporation

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