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SHOES MASTER Vol.27 page_216-219
Panther
Resurrection! Panther is Made in Japan
2017 Spring/Summer
 
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伝説のスポーツシューズブランド、
Pantherが見事に復活しています。

長い沈黙を破って昨年復活を果たした伝説のスポーツシューズブランド、パンサー。本誌初登場となるパンサーは、1964年に誕生し、1970 年代にはトレーニングシューズの代名詞として多くのトップアスリートから愛され、全国の学校指定靴となるほどの人気だった。昨シーズンから復活し、ミタスニー カーズなどで販売され好セールスを記録している。その全ラインナップを紹介する。
Photo: Kazumasa Takeuchi (STUH)

Panther GT-AT LE
パンサー GT-AT LEは、1977年に誕生し昨年復刻されたパンサー GT デラックスのアップデート版として登場。アッパーの素材の調達から生産まで日本国内で完結させた 現在のパンサーの最高峰モデル。トリコロールとホワイトには、カンガルー革を使用しソフトなホールド感のある履き心地を実現。ブラックは、70年代そうであったであろうクラシックな雰囲気を再現するためにステア革を使用している。さらにミッドソールを加えることでボリューム感とクッション性を向上させ、ミッドソール内部はベンディングスリットを入れ屈曲性を保っている。インソールはオーソライト社製を採用。3色展開。各¥16,000+tax
 
 
 
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Panther GT Deluxe
染色加工を施したスエードをアッパー素材に採用し、サイドパネルの補強パーツが象徴的なパンサーのアイコンモデル。ドッグイヤーと呼ばれるヒールタブを設置して、アキレス腱を保護し、スムーズな足入れをサポート。オリジナルモデルの普遍的なディテールを可能な限り忠実に再現しなが ら、インソールにオーソライト社製のフットベッドを使用し、コンフォート性・通気性・防臭性の全てに優れた一足に仕上がっている。パンサー GT-AT LEと同様に裁断、縫製、成型までの60工程 にも及ぶ作業全てを日本国内の工場で行っている。オフホワイト、ネイビーの2色展開。各¥15,000+tax
 
 
 
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Panther Dera
1977年に誕生した、アッパーのナイロン素材とサイドパネルの補強パーツが象徴的なパンサーのアイコンモデル。パンサー GT デラックスと同様の機能性がある上に、軽量性や耐摩耗性に優れたスポンジソールを採用したトレーニングシューズの名作。パンサーのヘリテージモデルに対する強い想いを職人の高い技術が具現化し、新たな価値を創造している。ネイビー、ホワイト、コバルト、エンジの4色展開。各¥13,000+tax
 
 
 
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Panther Dera Original (1977)
今も大切に保管されている1977年のカタログ。ここには当時注目を集めた名品が数多く掲載されている。日本全国の学校指定靴として採用されほどの人気だったパンサー。その中でも1977年に発売された「パンサー デラ」 のオリジナルモデルは、アイコンモデルとして、当時多くの人に愛された。

About panther
Masahiro Minai(Runners Pulse)
世界長パンサー
筆者が小学校に入学したのは昭和47年(1972年)のこと。この当時の小学生が履く運動靴は俗にいうゴム履き物メーカーと呼ばれた月星(現ムーンスター)、世界長(現世界長ユニオン) 、日本ゴム(現アサヒコーポレーショ ン)、アキレスが製造するランニングシューズタイプであり、現在のスリムなフォルムのアッパーと厚みのあるミッドソールをミックスしたシューズと異なり、明らかに足袋のシルエットをモチーフにした前足部が幅広のアッパーデザインと 極薄のアウトソールが組み合わされている点が大きな特徴であった。それぞれ、ジャガー、パンサー、クーガー、ランドマスターとシリーズ名が付けられたが、これらのシューズは当時の小学生の足元の定番としてしっかりと君臨していた。なかでも個人的に思い入れのあるのが、世界長パンサーのブルー/ホ ワイト。幼稚園の頃から履きなれた前ゴムのスリップオンシューズを卒業して、ナイロンアッパーに白のブランドストライプ、そしてレザーの補強パーツを組み合わせたシューズを履いて学校に行くことは、小学校低学年の頃は本当に嬉しかった。このタイプのシューズは1980年初頭までポピュラーであったが、 この頃に登場した超軽量ウレタンソールを使用する学童用運動靴に急速にシェアを奪われ、現在の小学校では見られなくなってしまった。そんな状況で 「世界長パンサーが復活した!」というニュースを聞いたときは思わず耳を疑ったが、実際に復刻されたシューズを見てみると悪くない。そして意外なことに今回の復刻モデルは現代風にカラーリングをアレンジしたのではなく、1977 年当時のカラーリングを忠実に復刻したという。パンサーGTデラックスのベージュやグリーンなどはモダンなテイストなので、今回の復刻のためのニューカラーだと思ったが、1977年のパンサーのカタログにしっかりと掲載されているのだ。子供ながらにパンサーは他社の同タイプよりも個性的な印象があったが、このことは当時の世界長がカラーリングとデザインに関しては、他社よりも一歩先を行っていたということの証明かもしれない。
解説: 南井正弘(ランナーズパルス編集長)
 

INFORMATION |
世界長ユニオン 0120-419-265
www.secaicho-union.jp/panther.html

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