Photo : Masataka Nakada(STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

About KEEN
“TOKYO DESIGN CENTER”
Key Person Interview

キーン誕生15周年の年、2018年2月1日にキーン・ジャパン内に設立された“TDC”(東京デザインセンター)。本誌とウェブスペシャルとで特集するとシューズ業界の注目の的となった。あれから約2年半。キーンより、ついにTDC名義のプロダクトが完成したと一報があった。我々編集部は早速、プロダクトのキーマンを取材した。

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About TOKYO DESIGN CENTER
Hideyuki Suzuki(KEEN JAPAN)
Interview

キーン・ジャパン合同会社
東京デザインセンター 
デザイナー 鈴木英之

鈴木英之氏プロフィール
東京・浅草橋出身。少年時代は機械が好きで、高校3年時に友人が履いていたナイキ コルテッツに衝撃を受け、スニーカーに目覚め、御徒町のスポーツ店に足繫く通う日々を送る。大学は、機械の設計を学び、卒業後には業務用制御機器のプログラマー及び、筐体設計として活躍。その後、電子部品商社を経て、スポーツ店の紹介で1989年にニューバランスジャパンに入社。1400、576コードバンなどを発案し、世に送り出す。その後、ゴールドウインに転職し、日本で展開するノースフェイスのシューズのほぼすべてを手掛け、ヌプシブーツなどのロングセラーモデルを生み出す。2018年、キーンのTDC設立を機にキーン・ジャパンに入社し、現在、TDCのデザイナーを務めている。

–––おさらいになりますが、TDC(東京デザインセンター)を設立した目的を改めて教えてください
キーンはアメリカのブランドなので、商品企画は基本的にアメリカ・ポートランド主体で進められます。そうすると、どうしても日本のマーケットに合わないものとかも出てくる。それで、日本のマーケットに合うように、東京デザインセンターを立ち上げて日本主導の企画、デザインをして商品化していくことを目的に設立しました。商品化したモデルは、ゆくゆくは全世界で売っていきたいと思っています。ポートランドと、もう一つの拠点を東京につくることによって東京、日本のみならず、それがグローバルにつながっていく拠点になって、世界に向けて発信していければ一番ベストかなと考えています。

–––TDC名義の2020秋冬モデルと各モデルの特徴を教えてください
ゼロベースから作った“フッド”コレクションは、3タイプのブーツで展開します。冬のブーツの絶対条件である暖かさはもちろん重要なので、インサレーション入りのナイロンアッパーと保温素材キーン・ウォームを使っていて、雪や雨にもさらされても大丈夫なように防水浸湿素材キーン・ドライも採用しています。スリップオンブーツのフッドロメオ ウォータープルーフは、ストラップが甲から踵部分にかけて1本でつながっているのでフィット感が抜群だし、ゆったり履きたい人は緩めて履けば、楽に脱ぎ履きできますし、がっちり締めたい人は、これを締めればいい。これが一番の特徴ですね。あと、履き口にバンジーコードがついているので、履き口のフィット感の調整もできる。サイドにあるV字成型を黄色にしたのは、キーン創業者で今なおキーンの経営に携わっているローリー・ファーストから助言があって、パっと見でキーンって分かるようにと黄色にしてロゴを入れてあります。

HOODROMEO WP

次は、歴代のサンダルデザインを反映させたストラップブーツのフッドゼラ ウォータープルーフです。これは、歴代の人気サンダルをいいとこどりしたデザインにウォータープルーフナイロンのブーティーを付けています。ポイントとしては、履き口から甲部分、踵まで全包囲網してあること。ホールド感がすごく良い。あと、つま先からかかとまで全体に施した補強素材に、レザーの屑とかを集めて固めて加工して作ったリサイクルレザーを使用しています。

HOODZERRA WP

最後にチャッカブーツタイプのフッドチャッカ ウォータープルーフになります。コンセプトは、ひとつは普通なものが作りたいなと思って(笑)。チャッカなので普通の形なんですけど、履き口のバインディングにちょっとチロリアン風な柄を入れてネイティブアメリカンみたいな感じにしました。キーン本社があるオレゴン州って今なおネイティブアメリカンの文化が色濃く残っている街なんです。アッパーもつるつるのナイロンじゃなくて、パラシュートクロスみたいに、結構な強度、厚みがあって、もし穴が空いてもそこから広がらないっていうナイロンを使っています。あとバンジーコードでイージーオン・イージーオフ、脱ぎ履きしやすい利便性ももちろん兼ね備えています。

HOODCHUKKA WP

HOODCHUKKA WP (左上)
¥14,500+tax

HOODZERRA WP (右上・右下)
¥15,000+tax

HOODROMEO WP (中央)
¥16,000+tax

キーンの名作サンダル、フッドコレクションの冬仕様として、ブーツにアレンジして誕生したフッドコレクション。キーンならではの機能性と革新的なデザインをハイブリッドしたラインアップは、スリップオン、ストラップ、チャッカの3つのブーツタイプからなり、どれをとってもフィットの調整ができる。真冬のフィールドからキャンプ、デイリーとシーンを選ばずオールラウンドに活躍してくれるウインターブーツとして重宝しそう。(11月20日発売予定)

JASPER Ⅱ WP

–––定番人気モデルのジャスパーの最新作もTDCが手掛けたと聞きました
はい。ジャスパーって定番モデルとして売れていて人気があるんですけど、防水性が欲しいっていう声が多くありました。結構フェスとかでも愛用されていて、朝露で爪先びしょびしょとか、結構そういう写真を見たんですよ。そしたら、防水浸湿素材キーン・ドライを入れれば解決する。でもそうすると、ゼロからデザインもやり直さなければならなかったんです。定番のジャスパーのイメージを崩さないで、ちょっとだけ変えて新しくしようってことになって。ソールからすべてフルモデルチェンジさせて作りました。

–––開発する上で一番大変だったこと、苦労した所を教えてください
ソールの絵を描くのが一番大変でした。麻の葉模様のソールパターンをイラレで全部作っているんですけど、ものすごく時間かかってしまって…。でもその結果、より滑りにくく、グリップ力が強化されています。あと改良した所は、現行のジャスパーって、シューレースの穴の数が多くて締めづらかった。だから、穴の数を減らして、全部を一発で締められるような構造にしています。

さらにギリータイプにして隠れるように、ここが強調できるようなデザインにしました。つま先部分から側面にはシンセティック素材のマッドガードで耐水性と耐久性を向上させています。それによって、履き心地、使い勝手は相当良くなったと思います。

–––SHOES MASTER読者へメッセージをお願いします
色々と機能性を追求して作っている割には、かなりコストパフォーマンスがいいかと(笑)。今までキーンに足を入れたことがないスニーカーフリークの方に、この機会にぜひ一度お試し頂ければ嬉しいですね。

JASPER II WP
¥14,000+tax

2008年の発売以来、まさにキーンを代表する定番モデルへと成長したジャスパーに、遂に完全防水機能が備わったモデルが登場。過去10年強に渡るユーザーからの意見を反映させた今作は、防水性以外にも数々のアップデートが施され、新たな次元へとレベルアップ。アッパーには環境に配慮したなめし加工を施した天然スエード素材を採用し、独自開発のフッドベッドはクッション性を大きくアップ、さらにアウトソールのラグパターンの変更でグリップ力が強化されるなど、ますますアウトドアで愛される仕様となっている。写真のスエードの他にヌバックレザーも用意。アディショナルシューレースも付いており、アウトドアシューズやスニーカー感覚など様々なコーディネートが可能だ。

KEEN 2020 FALL / WINTER
SHOES MASTER SELLECTION
UNEEK SNK CHUKKA WP
UNEEK SNK SNEAKER

アウトドアとストリート、サンダルとスニーカーを絶妙にクロスオーバーさせ、その垣根を超えた存在として知られるキーン。東京デザインセンター発の新提案モデル以外でも今季は、定番アイテムのユニークコレクションからウィンタースニーカーが登場。

UNEEK SNK CHUKKA WP
¥15,500+tax

ユニークらしさを残しつつ、冬でも快適なブーツスタイルへ仕上げたユニーク スニーク チャッカ ウォータープルーフ。フリースのライニングで暖かな履き心地なのはもちろん、キーン・ドライによる防水透湿性や雪寒地対応のアウトソールによって、都市部から野外までをシームレスに繋いでくれるのも魅力。アッパーに配置されたコードが優れたフィット感を提供してくれるのだが、このコードは3種類が付属。履き心地やスタイリングに合わせたコーディングカスタマイズが可能となるのもファンにとってうれしいポイントだ。

UNEEK SNK SNEAKER
¥13,500+tax

ユニークのデザインにメッシュライニングを施し、肉厚なミッドソールをハイブリッドして履き心地をアップさせたユニーク スニーク スニーカー。こちらは、デザインパートナーの3名によるコラボレーションで、左は季節を感じられる秋色2色のコンビネーションで彩ったバンブーシュートの甲斐一彦氏による一足。中央は、RFWの鹿子木隆氏によるもので、調和のとれた美しいグレーのグラデーションが上品な仕上がりを演出。そして、グローインザダーク仕様を施した右のスペシャルな一足は、TOKYOHEMPCONNECTION*THCの関村求道氏によるもの。氏のホームタウンである伊豆のわさびを感じさせるカラーリングが特徴だ。どれも三者三様の仕上がりで、コラボレーションらしい個性溢れるコレクションとなっている。※フットベッド素材・カラーが変更あり

INFORMATION
キーン・ジャパン
03-6416-4808
www.keenfootwear.com

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