Photo : Masataka Nakada (STUH)
Interviewer & Edit & Text : Shin Kawase
Cooperation: adidas AG & adidas Japan

adidas ENERGY Part2
About adidas ENERGY 2022
SHINSUKE SETA (adidas AG)
Interview

編集部が今最も注目しているプロジェクトのひとつ“adidas ENERGY”(アディダス エナジー)。このニュープロジェクトは、単なる新作モデルのコマーシャルキャンペーンではなく、アディダスブランドの熱をけん引することを目的に、世界主要都市のカルチャーや空気感、今のトレンドをアディダスのヘリテージと組み合わせたもの。前回のアディダス ジャパン副社長のトーマス・サイラー氏に続いて、ドイツ本社スタッフであり、東京オフィスに駐在しているプロダクトマネージメントの責任者である瀬田新介氏を取材した。(インタビュー取材:2022年1月24日)

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About adidas ENERGY & Tokyo ENERGY

–––前号でトーマス副社長に「アディダス エナジー」専門チームがドイツ本社に発足したと聞きました。瀬田さんは東京駐在の「アディダス エナジー」チームの一員という立場ですか?
はい。エナジーのチームはグローバルなファンクションとして、ドイツ本社のヘルツォーゲンアウラッハとアメリカのポートランドにあって、僕らの東京を含め世界三都でエナジーを動かしています。

–––あらためて、グローバルで展開する「エナジー」と、東京に特化した「アディダス トーキョー エナジー(仮)」(2022年夏に本格展開予定)のコンセプトを教えてください
グローバルも東京も基本的な目標は同じで、ブランドとしての熱を、プロダクトとそれにまつわるストーリーを通して高めていくこと。それがコンセプトであり、私たちに課されたミッションになっています。グローバルのエナジーは世界中に発信して販売することを前提に企画開発しているのに対し、前号でトーマスが語っていたトーキョー エナジーは、アディダスのキーシティである東京に向けて発信して販売することで、キーシティのエンドユーザーの方々に話し掛けていくことを大前提にしています。流通も東京、日本に軸足を置いたプランニングになっているのが一番大きな違いですね。もちろん、東京に焦点を当てて届けたプロダクトが世界中に波及してくいことも視野に入れていますが、まずは東京のお客さんに喜んでもらうこと。それが最大のテーマになっています。

–––ターゲットは、往年のスニーカーファンと新世代のスニーカーヘッズの両者だとトーマス副社長に聞きました
そうです。それはグローバルも全く変わらないです。昔ながらのアディダスファンの方にも、これからファンになってくださる若いスニーカーヘッズの方にも、どちらにも刺さるストーリーを届けていきたい。スニーカーが共通項で結ばれている関係だから、世代、年齢軸は関係ないと考えます。

アディダス カテゴリーディレクター エナジー
瀬田新介

1975年、北海道生まれ。小学生から夏はサッカー部、冬はアイスホッケー部に所属。中学生時にはアディダスのサッカースパイクにトレフォイルTシャツを着て過ごす。高校1年生でスニーカーと裏原宿に目覚め、雑誌「宝島」「Boon」「Asayan」などを愛読。高校卒業後はジャーナリストを目指し、立命館大学・国際関係学部に進学するも、学部の方針に合わず半年で中退。ステューシー京都チャプトでスタッフとして働き始める。ロンドン留学を挟んで、ステューシージャパングループに入社。MDとして8年勤務した後、2008年にグローバル採用でアディダス本社入社。渋谷オフィス駐在としてアパレルとフットウエアのプロダクトマネージャーを務め、現在はプロダクトマネージメントの責任者として活躍している。アディダス マイ フェイバリット スニーカーは、キャンパス、スーパースター、スタンスミス。

About Sneaker Culture

–––瀬田さんが感じる東京のスニーカーカルチャーの特徴とは?(他国と比べて)
他国にはない東京のスニーカーカルチャーの特徴は、ユースカルチャー(若者文化)とスニーカーの距離が近い、ということだと思います。例えばアメリカだと、スニーカーとスポーツの距離がすごく近いですよね。スポーツの延長線上というか。バスケットボールシューズやランニングシューズのスニーカーを皆が自然と取り入れている感じがある。ライフスタイルの中にスポーツが自然に溶け込む歴史、環境が整っているというか。バスケットボールやアメリカンフットボールを見に行くと、その盛り上がりにすごい熱量を感じますしね。我々日本人に置き換えるとサッカーのFIFAワールドカップの日本代表戦の大一番が3カ月に1回あるくらいじゃないかなと思ったりします。東京は、スニーカーがユースカルチャー、ストリートカルチャーとの距離感が近い。ストリートブランドとのコラボレーションが早い段階から生まれたのは東京ですし。ドイツ本社の同僚から「なんで日本ってこんなにファッションブランド多いの」って聞かれて初めて気が付いたんです。考えたこともなかったのですが、それは作る側、買う側にも受け入れる準備があるということなんですよね。そこが海外と違う大きなところだと思います。東京、日本ならではのファッション、音楽、アート、アニメなどのいわゆるユースカルチャー、ストリートカルチャーがミックスしたニュートラルなカルチャーがある。それが東京のスニーカーカルチャーの特徴だと思います。海外の人から東京の人たちが世界で一番お洒落だとよく言われますしね。

–––確かに何でもミックスする文化はありますね
アウトドアプロダクトのハイキングシューズやトレッキングシューズをいち早く街履きとして自然に取り入れて発展させたのは日本ですし、もちろんアウトドアサンダルを街で履くことも。最近でこそヨーロッパでも街でアウトドアシューズを履くことが流行ってきましたが、それまでは全く見なかったですからね。

–––日本人は全般的に何でも良ければミックスする文化がありますよね
ニュートラルに「いいものはいい」と取り入れる準備が日本のエンドユーザーに浸透していますね。

–––クリスマスのケーキの次はお正月にお節を食べて、結婚式では洋装から和装に着替えるみたいな
笑。そうですね。いいと思うものに対してバリアが低くバイアスが掛かりづらいところで言ったら、世界唯一無二でしょうね。分け隔てなくいいというものに関してはそれを受け入れて、自分なりに取り入れて咀嚼してアウトプットしていく。そこが一番特徴的なところかも知れませんね。

adidas ENERGY
adidas Originals by KYNE
“STAN SMITH KYNE”(2021)

瀬田さんチームが手掛けるグローバル展開の「アディダス エナジー」名義で2021年6月にリリースされたアーティスト、キネ氏との初のコラボレーションモデル。(即日完売)

–––ヨーロッパのスニーカーカルチャーはどんな感じでしょうか?
ヨーロッパは国によって違うんですよね。例えばアディダスに関して言うとそれぞれのお国柄があって、ドイツ市場の代表的なモデルはフランスと地理的には隣り合っているんですけど異なるんです。はたまたイギリスも。

–––ドイツはやっぱりランニングシューズのZXですか?
はい、ドイツはZXですね。もちろん、スーパースターやスタンスミスもドイツ人が認めるアイコニックなモデルなんですけど。昔からランニングの習慣があって絶対的なZX文化がある。アディダスといえば、ZX。ドイツの人はZXに対して思い入れが特に強くて、「Sneaker Tokyo」にも紹介されていましたけど、コレクターもZXを中心に集めている人が多いですね。

Three Stripes, Three Cities.
QUOTE

ドイツの首都ベルリンで看板製作業を営んでいるクオータは、1983年生まれの若きアディダス・アディクト。街の中心部に構えたオフィスが彼のコレクションルームだ。壁一面に設けられたシューズ専用ラックには、ZXシリーズやSLシリーズをはじめとするランニングシューズを中心に、彼が所有するヴィンテージ・アディダスのコレクションがギッシリと詰まっている。

「Sneaker Tokyo vol.4 addicted to “adidas”」
編・著:SHOES MASTER編集部
バイリンガル編集(日本語/英語)
(2012年4月発売)※現在は販売していません

–––フランスはどうなのでしょうか?
フランスはスタンスミスなんです。それはスタンスミスの原型が1964年にアディダスと契約を結んでいたフランス人テニス選手、ロバート・ハイレットのために作られ登場したモデルだったという歴史的な背景が大きいと思いますね。2014年にスタンスミスが再ローンチした時、僕は日本が世界で一番熱量が高いだろうと思っていましたが、フランスが一番熱かったですね。買う順番をめぐって女性のお客さん同士が喧嘩して殴り合いになるぐらいだったんです。これは本当に驚きました。それくらいフランス国民はスタンスミスが熱烈に好きなんです。

–––イギリスはどんなモデルが?
イギリスもスポーツの延長線上で、フットボール競技用に開発されたシューズをライフスタイルに取り入れる傾向が強くて、サンバ、ガゼルなどが人気ですね。

The most important thing in ” adidas ENERGY “

–––それでは、アメリカ、東京、ヨーロッパのスニーカーカルチャーを知る瀬田さんが「アディダス エナジー」を手掛けるにあたって一番大切にしていることは何ですか?
一番大切にしているのは、僕たちのプロダクトとストーリーを、どのようにエンドユーザーに届けていくか。それらをプロジェクトごとにどう届けていくべきかを明確にすることです。つまり一番大切にしているのは受け取るエンドユーザー、お客さんのことを考えることですね。エナジーチームは、お客さんのことを一番に考え、その上で自分たちが正しいと思うものを正しいやり方で届けていくことを、企画段階では常に意識して開発しています。

–––プロダクトのストーリー、背景をより伝えやすく
はい。アディダスのすごくいいところでもあるし、時として悪いところでもあるんですけど、職人気質なんですよね、会社全体が。なので絶対に独り善がりにならないように。僕たちも突き詰めてずっと深く入り込んでいって、逆に細か過ぎて伝わらないんじゃないかって思うことがよくあるので(苦笑)。でも、そういう職人気質な所も分かりやすく伝えようっていう気持ちがある。アディダスは靴職人から始まって生まれたブランドなので。そのこだわりと職人気質な部分をどう若い世代に伝えていくかを常に考えています。

About adidas Sneaker

–––瀬田さんが考える他ブランドにはない「アディダス スニーカーの魅力」とは何でしょうか?
月並みかもしれないですけど、やっぱり潤沢なヘリテージと歴史だと思います。ただその分、どうしても分散しがちというか、さまざまなヘリテージがあるから正しいタイミングで届けるべきモデルを、あっちに行ってる時もあれば、こっちに行ってる時もあったりして、表裏一体だなと思っているんですよね。ただそれらを含めて潤沢なヘリテージと長い歴史があるっていうことに集約されると思います。先ほども言いましたけど、靴職人からスタートした会社のDNA、アイデンティティが良くも悪くもすごく浸透しているんです。それはドイツ本国のチームだけじゃなく、東京でもポートランドでも。それがカルチャーとして根付いていることがプロダクトの魅力のひとつになっているかと思います。

–––瀬田さんが想う「いいスニーカー」の条件とは?
タイムレスであることですね。我々のモデルを挙げると、やっぱりスタンスミス、スーパースター。半世紀以上も愛されているんで、おそらく僕らの子ども、孫の世代も履いていくんじゃないかと思うんですね。世代を超えて愛され続けるスニーカーがいいスニーカーの条件かなと思っています。

About
adidas ENERGY 2022 Spring

–––グローバルで展開する「アディダス エナジー」の新作モデルについて教えてください
モーターサイクルカンパニーのカワサキさんとの共作がメインモデルになります。ベースモデルに選んだのはタイムレスなスニーカーを代表して最もドイツで愛され続けているZX 8000。ZX 8000は、1988年にソウルで開催された国際大会に向けてソールのトルションバーが開発されて、1989年に発売されたモデル。時を同じくしてベルリンの壁※が崩壊した年にリリースされたのがZX 8000だったんです。このモデルは今のドイツ人の30代後半、40歳前後の人たちにとって特に印象深いそうです。その当時、スニーカーに興味を持ち始めたドイツの思春期の若者たちにとって、ZX 8000を購入できることは高根の花だったらしいんです。そういった歴史との巡りあわせもあり、今でもZXファンの中で一番代表的なシューズで特別な意味があるモデルです。そんなヘリテージモデルと2021年にモデルチェンジをしたZX 5K BOOSTというイノベーションモデルの2足を一緒に届けていこうと。それで完成したのがこのコレクションです。

※ベルリンの壁
第二次世界大戦後、連合軍(米・英・仏・ソ連)によって西ドイツと東ドイツとに分割された敗戦国ドイツ。東ドイツはソ連が統治し、その中にあったベルリンはさらに分割され、西ベルリンを米・英・仏が、東ベルリンをソ連が管理した。

adidas ENERGY
ZX 8000 KAWASAKI

¥16,500

–––ZX の名前の由来は稚著「Sneaker Tokyo」で取材していますが、あらためて教えてもらえますか?
ZXの名前の由来がカワサキさんの通称“Ninja”(忍者)として名前が知られているZXというモーターサイクルから来ているという史実は、僕が知っている限り2012年に発売された「Sneaker Tokyo」のジャック・シャサン氏インタビューで初めて公に発表されました。

–––当時は社内でも話題になったらしいですね
ドイツ本国のスタッフの中でも「そうだったのか…」っていう人が沢山いて皆びっくりでした。アディダス社員としてもその事実に衝撃を受けました。それからそのストーリーは、アディダス オリジナルスに関わるメンバーに関してはもう周知の事実といいますか、語り草になってて。アディダスのオリジナルとして30年以上に渡って続いているフランチャイズシリーズの名前の由来が
まさか日本のバイクの名車、ZXだとは。これこそエナジーで世代を超えて伝えるに相応しいストーリーであり、プロダクトであると考えたんです。

『Sneaker Tokyo vol.4 addicted to “adidas”』
Jacques Chassain

ZXの名付親であるジャック・シャサン氏は、フランス出身のデザイナー。1981年、アディダス・フランスに入社。ZXシリーズ、フォーラム、EQTシリーズなど数々の名作シューズのデザインを手掛けた。

–––それで初めてカワサキモータースジャパンにコンタクトを?
はい。アディダスのリーガル部門にも、こういうことなんだけども法務的に問題はないかと裏取りしたら、法律上的には既知の事実は周知の事実になるらしいと。僕たちがコラボレーションを行う時は、自分たちのネットワークや知り合いを通じて関わっているクリエイターさんなど、割とオーガニックなプロセスが多いのですが、今回ばかりはアディダススタッフに誰も知り合いがいないんで(苦笑)。なので直接、カワサキさんに問い合わせをして2019年の年末に担当者に初めてお会いしました。

–––ZX命名秘話にびっくりされてませんでしたか?
びっくりされてましたね(笑)。普通の会社だと商標の問題があるので、法的には大丈夫だと分かっていてもシリアスになってしまいました。

–––その事実を知ったカワサキさんの反応はどうだったんですか?
こちらの心配をよそに、すごく興味持ってくださって。

–––カワサキ側も好意的で?
はい。どういったやり方がお互いにとって一番有意義なのかというところから、すぐに話し合いが始まっていきました。カワサキさんの対応がすごくオープンだったので、すべてスムーズに話が進みましたね。最終的にZX 8000は1989年にリリースされたカワサキさんの“ZX750R”というバイクのカラーパレットを参照にして、ZX 5K BOOSTは我々にとって最新モデルなので、開発スタートした時のカワサキさんの最新ラインナップから“Ninja ZX-10R”というバイクのカラーパレットを参照させてもらいました。

adidas ENERGY
ZX 8000 KAWASAKI & ZX 5K BOOST KAWASAKI

22MY Ninja ZX-10R & ZXR
Photo by Kawasaki Motors, Ltd. © 2021 カワサキモータース株式会社 All Right Reserved.

–––今回、特別に制作されたムービーもいいですね
ありがとうございます。ここがドイツチームのZXに対する熱量の高さですね。熱量が高いから、予算も時間も掛けて、こういういいムービーを作ることができたと思います。エナジーの目的である往年のスニーカーファンと今の若い世代を繋ぐっていいますか、両方に届けたいメッセージの具体的な形といいますか。このムービーですべて表現しています。

–––リリース日と販売する店舗を教えてください
4月14日(木)から発売します。販路は世界の主要なスニーカーショップとアディダスの直営店で展開します。また今回は特別に、カワサキさんのディーラーショップでもZX 5K BOOSTを販売してもらえることになっていまして、世界中のバイク屋さんでも購入することが可能になりました。

–––あと、先日リリースされたGUCCIMAZE(グッチメイズ)とのコラボレーションモデル、“OZRAH GM”についても教えてください
グッチメイズさんは、今の東京、日本のアートシーンを代表する若手日本人アーティストなのですが、我々チームからの発案ではなく、ドイツチームからグッチメイズさんがいいんじゃないかとの話が出たんです。

adidas ENERGY
OZRAH GM

–––あっ、そうだったんですね
ドイツチームも日本のユースカルチャーや、アートのシーンにすごく興味があって。グッチメイズさんもデジタルアート、いわゆるアシッドグラフィックと言われるフィールドに属していて、デジタルのカルチャーとすごく繋がりが深かったりするんです。そのユースカルチャーのひとつの表現の形として、グッチメイズさんとコラボレーションに取り組んだモデルがOZRAH(オズラー)です。オズラーは、デザインのコンセプトが急進的なデザインランゲージというか、最新のデジタルミュージックや、そういったカルチャーに造詣の深い若い世代に届けていきたいモデルです。それにふさわしいクリエイター、アーティストは誰だろう?となった時に、ドイツチームの候補に挙がったのがグッチメイズさんだったんです。

–––このモデルの特徴を教えていただけますか
ベースモデルとなっているオズラーは、これから定着させ、発展させていきたいライフスタイルランニングシューズになります。しかし、エンドユーザーの方々の嗜好性が多様化している昨今では、新しいモデルを市場に定着させていくことはすごく難しいプロセスになってきています。このモデルのように際立った特徴のあるラジカルなデザインは、お客さんによっては敬遠される方もいらっしゃると思いますが、それを理解した上で、このモデルを好むであろうお客さんに向けて作っているんです。

–––そういう意味では靴自体がエンドユーザーを選ぶ?
まさにそうなんです。靴自体がエンドユーザーを選ぶけど、それを嗜好する一定層が存在するので、マスマーケットだけでなく、セグメントされた嗜好の人にもアプローチをするという目的もエナジーにはあるんです。アディダスの新しいモデルを知ってもらうためのきっかけと言いますか。グッチメイズさんのようなスタイルのアートピースを発表していらっしゃるコミュニティー、他のアーティストさんもいらっしゃって、その世界ではすごい熱量を持って支持されているんですよ。その熱量の高さが我々にとってすごく魅力的でした。

–––最後にサンダル“EQT93 SNDL”について教えてください
これはコラボレーション企画ではないのですが、我々が拠点としている東京、それからアジアパシフィックの地理的特徴に沿って開発したインラインモデル(一般に流通するモデル)になります。

adidas ENERGY
EQT93 SNDL

–––「アディダス エナジー」にはインラインモデルもあるんですね
はい。しかし、そこに届けるべき理由と伝えるべきストーリーを見いだして開発したアディダス エナジーのモデルになります。届ける理由のひとつは、ちょっと語弊があるんですけど、アディダスの夏のサンダルは、アディレッタだけじゃないということを知ってもらいたかったんです。

–––アディレッタといえば、スポーツサンダルの代名詞ですよね
市民権を得ているというか、スポーツサンダルの確固たるポジションを築いていますが、アディレッタ以外にもアジアパシフィックの高温多湿な夏のシーズンに特化したサンダルの新しい選択肢を提案したかったんです。

–––ヘッドクォーターであるドイツではサンダルを履くんですか?
履くは履くんですけど優先順位は低いですね。極端に言うと、本当にアディレッタがあれば充分じゃないかぐらいな感じで(苦笑)。サンダルに関してはヨーロッパでは地域性からニーズがアジアほどないので、サンダルを積極的に開発しようという発想自体があまりないんです。ブランドとして会社として、アジアパシフィックのお客さんに対してのニーズ、求めるものに対しての新しい提案をしていく必要があるんじゃないかと、僕のチームメンバーがリクエストして開発しました。

–––EQT93 サンダルの特徴を教えてください
特徴は、“ベスト・オブ・アディダス”とも言われる1991年に登場したランニングシューズ、EQTのヘリテージにインスパイアされたデザインであること。EQTのアッパーデザインとEQTサポートランニングのツーリングのアウトソールを使っているのでクッション性に優れていて、すごくホールド感があって履き心地がいいです。スニーカーに近いサンダルというか、アディダスになかったスニーカーサンダルと言ってもいい意欲作です。アディダスの歴史があるEQTというプロダクトを若い世代にも知ってもらうために、その機能を搭載して作ったのがグローバルで展開するアディダス エナジー名義のEQTサンダルです。

The future of adidas ENERGY

–––東京に特化した「アディダス トーキョー エナジー(仮)」が、秋に本格的にスタートすると聞いています
今のステータスをお伝えすると、すでに最終サンプルの点検に入っており、9月にリリース出来ればと考えています。その後、10月、11月というリズムで年内に3回リリースする予定です。

–––グローバルに展開する「アディダス エナジー」の今後の展望を教えてください
エナジーのチームはドイツ、東京、ポートランドに拠点があるので、3都市チーム全体として、さまざまなことを現在進行形でディスカッションしながら進めています。エナジーは単発の企画やキャンペーンではなく、単純に物を売る新作キャンペーンでもありません。ブランドの熱を伝えるブランディングとして、一年を通じてブランド全体としてマルチレイヤーで取り組んでいくプロジェクトです。今後も期待していてください。

–––最後に読者、東京のスニーカーファンにメッセージをお願いします
最後までインタビューを読んでいただいてありがとうございます。アディダスに対して様々な見方があると思いますが、これからより積極的に面白いプロダクト、プロジェクトを届けていくことができると思っていますので、キーワードとして「アディダス エナジー」を頭の片隅に留めておいていただけると嬉しいです。

About
adidas ENERGY 2022 Spring

adidas ENERGY
ZX 8000 KAWASAKI

¥16,500

adidas ENERGY
ZX 5K BOOST KAWASAKI

¥22,000

adidas ENERGY
OZRAH GM

¥19,800

adidas ENERGY
EQT93 SNDL

¥14,300

INFORMATION
アディダスお客様窓口
0570-033-033
http://shop.adidas.jp/originals

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