Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

for sneaker heads! Part 7
Amazon Kicks 3rd ANNIVERSARY

3年前、ミタスニーカーズ、アトモス、チャプター、スタイルス、キックスラボのスニーカーセレクトショップ5ショップが集まりスニーカーに特化したストアとしてスタートしたアマゾンキックス。アマゾンの中に屋号を付けて出店することは世界的にも極めて稀で異例なことだった。今回はアマゾンキックス3周年を記念して、出店しているショップからゲストを迎え、改めてショップのあり方について語ってもらった。

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Three human relations&
Three profiles

アマゾンキックスは、アマゾンキックスバイヤーの藤田氏がミタスニーカーズの国井氏を訪ね、二人が意気投合したことからすべてが始まっている。国井氏曰く、ビームス出身の藤田氏は、今まで会ってきたアマゾンのスタッフと一線を画していたそう。また、国井氏とビームス バイヤーの新井氏は、ミタスニーカーズとの数々のコラボレーションを担当している旧知の中。新井氏のビームスの先輩にあたるのが藤田氏。この不思議な縁で結ばれた3人のプロフィールを紹介する。

藤田直哉 (Amazon Kicks) / バイヤー

1.初めて買ったスニーカー
小学校6年生の時に買ったナイキ エア マックス1。エア マックスのソールが好きで校庭の砂の上を歩いて足跡を付けて遊んでました。

2.生涯のベスト3足
ニューバランス1500(ネイビー)、ナイキ エア ジョーダン1(ロイヤルブルー)、あとはやっぱり、アマゾンキックス初のオフィシャルコラボとなったコンバース×マスターマインド ジャパン“オールスター100” ですね。

3.今まで所有したスニーカーの足数(累計)
600足位。実家に300足以上あって、自宅に300足位あります。

4.普段スニーカーを購入する場所
スニーカーに関しては、ミタスニーカーズの店頭で買うのが一番多いかもしれません。海外のウェブサイトだとフットパトロールとエンド。本当はアマゾンキックスで買いたいですけど、僕が欲しいと思ったモデルはいつも売り切れている(苦笑)。人気のモデルはリリースされた瞬間に売り切れることが多いんです。だから僕でもなかなか買えない。

5.アマゾンの使用方法と頻度
アマゾン社員なんで(笑)、何から何までアマゾンですね、僕は。ミタスニーカーズの店頭で買うもの、フットパトロールとエンド以外での買い物はすべてアマゾンです。本もガジェットもそうですけど、食料品、飲み物、子供のおもちゃも服も全部そうですね。本当に24時間って言うと大袈裟ですけど、衣食住に関するすべてで利用しています。

国井栄之(mita sneakers) / クリエイティブディレクター

1.初めて買ったスニーカー
小学4年生の時に買ったナイキのコルテッツです。特にコルテッツが欲しいと思って買ったわけじゃなくて、ナイキのスウッシュが大きく付いてるのが欲しくて。幼少の頃ずっと野球をやってたので、アディダスとプーマはサッカーをやってる人たちのものだったんです。サブリミナル的に80年代のワーナー・ブラザース映画に影響されたのが大きいと思います。

2.生涯のベスト3足
順番がつけられない4足があります。ナイキ エア マックス95。オリジナルのイエローグラデです。それから色々と企画をやらせてもらったニューバランスMT580。あとは、アディダスのキャンパス(サックスホワイト)とプーマのスウェード(ナチュラル/ケリーグリーン)がベストになります。

3.今まで所有したスニーカーの足数(累計)
全く把握出来ていませんが、累計で5,000足は超えていると思います。

4.普段スニーカーを購入する場所
偏ったこだわりがないので、どこかに出かけた時は普通に量販店やスポーツ店から入ります。試し履きしていいなと思ったら何でも買います。それが、セール品で安いと思って買うこともあるし、インラインモデルでも他店の別注モデルでもいいなと思ったら買っています。

5.アマゾンの使用方法と頻度
本やガジェットを中心に消耗品もよく買います。夜中の仕事の相棒として駄菓子もよく買っています。もちろん自分で食べる用の(笑)。

新井伸吾(BEAMS) / バイヤー

1.初めて買ったスニーカー
小学2年生の時にテニスを始めたんですけど、その時に姉とお揃いで買ってもらったリーボックのクラブCです。オールホワイトでした。その時からスニーカーやファッションにも目覚めました。アパレル会社に務めていた両親の影響も大きいです。

2.生涯のベスト3足
ベストはやはりシューズマスターの表紙を飾らせてもらった、ナイキ エア プレストQSです。ビームス40周年の目玉企画でもありましたし、ナイキさんへのプレゼンからすべての工程に携わった一足なので。あとは、高校生の時によく履いていたプーマのテニスシューズのベッカー。イタリアの本社まで行って作ってもらったディアドラとのコラボレーションモデルのN9000ですかね。これが僕のベスト3足です。

3.今まで所有したスニーカーの足数(累計)
1500足位ですね。数が増えるのは、ファッションだけでなく、テニス用に履くと1ヵ月位で1足が潰れてしまうんです。モチベーションを上げるためにも格好いいシューズを買っていました。自宅と実家に分散して保管しています。

4.普段スニーカーを購入する場所
やはりビームスの店舗です。ビームス以外だったらミタスニーカーズの店頭でよく買っています。

5.アマゾンの使用方法と頻度
結構な頻度で本を買います。本=アマゾンですね、次の日には届いているし。

 

Shigeyuki Kunii(mita sneakers)
Interview


リアルだと断片的に買い物をしなければならないけど
アマゾンだとカートに入れて一気に買えるし、届くのも早い。

–––リアルショップとネットショップのそれぞれ役割を教えてください
実店舗に関しては、ニュートラルな状態で靴を選んでほしいなと思って店作りをしています。なので、金網に囲まれた店ではあまり値札と商品がどうだとかっていうのは出していません。見て気に入って商品を手に取って確かめてもらって、最後に値札が出てきて。それが自分の思う商品の価値に合っているかどうかで買い物をしてもらいたい。そういう当たり前に買い物をするまでの流れを組めるようには、一応考えてお店作りをしているつもりです。極端な話、ネットで完売になっている靴でも、実は店舗では売ってたりとかします。なのでやっぱり実際に行く価値のあるお店にしたい。東京・上野に足を運んでもらうだけでもお金も労力も掛かるし、色々大変だと思うので、価値のあるものにしたいなとは常に考えています。あと僕らとしては「これを買いたいという目的が明確にあったけど、お店行ったらこんなのを見つけてこっち買っちゃった」っていうお店になれればいいなと思っていますね。

–––国井さんがよく言っている「わざわざ上野まで来てもらう価値のあるお店」ですね
そうです。常に発見がある場所でありたいと思っています。なので、コラボレーションモデルとか何か特別なリリースに関しては、実店舗が先で、翌週からネットとか。あと、限定品に関しても、やっぱり店頭が基本的に優先で在庫が用意できれば、そのタイミングでネットでも販売するという感じですね。実はミタスニーカーズのオンライン通販に対して、あんまり力を入れてなくて、逆にバックボーンや商品説明に力を入れています。例えば実店舗で買ってもらった商品がどういう商品なのかっていうのを、逆に後から見直してもらうとか。あと、本当にすぐ完売になってしまった商品でも一応アップし続けている理由は、ただそれに人気があるから右から左に売り切れましたじゃなくて、この商品はこういう理由で発売されたものである、というのをキチンと伝えたいために毎日やってる感じです。

–––ミタスニーカーズにおけるアマゾンキックスの役割と、モデルの選定基準を教えてください
もともと僕自身はアマゾンでスニーカーを買ったことがなかったので、アマゾンでスニーカーを買っている方っていうのは、恐らくミタスニーカーズのことは知らないだろうと。だから全然違う層の方も沢山いるのかな、と思ってアマゾンキックスに参加しました。もちろん、普段からミタスニーカーズに通ってくれている方でも、アマゾンを使ってミタスニーカーズの商品を買ってもらっている方もすごい数いると思います。しかし、ミタスニーカーズを知らないでアマゾンで買う方は今まで接点がない方たちなので、奇をてらったものや限定品というものじゃなく、普通にいいスニーカーをキチンと紹介したい、というのが選定の一番の根底にあります。

–––ユーザーがアマゾンキックスで買うメリットは何ですか?
例えばランニングの本を買う、ランニングのウエアを買う、ランニングシューズを買うとか、何かその人の目的に合わせて、カートにどんどん入れて、最後に整理して一気に買えることですねかね。リアルだと、パーツパーツで断片的に買い物をしなければならないので。あと、届くのも早いっていうとこですね。ミタスニーカーズのオンラインでは全然敵わない早さなので。

Shingo Arai(BEAMS)
Interview


ビームスオンラインでは独自のセレクト力がある。
でもアマゾンキックスだったら一度に
他ショップのスニーカーも見られる。

–––リアルショップとネットショップのそれぞれ役割を教えてください
特にリアルショップは、実物を見られる、試着できる。あとはやっぱり接客ですね。オンラインでは体験できない、接客が一番だと思います。人を介して、実売に至るっていうのが基本なので。ネットショップっていうのは、なかなかお店まで来られない方のフォローみたいな感じもあります。しかし、接客以外は同じサービスなので、今ではビームスのポイントも付くし、送料も無料なんです。ぶっちゃけネットで買ったほうが効率は良いのかもしれないですけど、それ以上のものを求める方っていうのは、やっぱり店舗に来て、あの人に接客してもらいたい、あの人から買いたいっていう、ひとつの物を買うまでのストーリー性を求める方々が店舗に来られると思います。だから、リアルショップは接客を一番大切にしています。あとは、店のレイアウトだったり、BGMだったり、ビームスの世界観ですかね。お店の雰囲気も楽しんでもらうっていう。

–––ビームスにおけるアマゾンキックスの役割を教えてください
地方の方に優しいんじゃないかと思います。近隣に最寄り店舗がない方だったりしたら、やっぱりビームスオンラインになる。ビームスオンラインだとビームスの商品しか見られない。でもアマゾンキックスだったら一度に他のセレクトショップのスニーカーも見られるじゃないですか。そういった意味では、色々比べられるっていうメリットがあるし便利だと思います。頼んだ次の日には着いてるし。

––– アマゾンキックスで展開するモデルの選定を教えてください
基本的には、エクスクルーシブルモデルで販売規約がないものです。なので、ラインナップの数は少ないですが、ビームスならではのモデルが展開されています。

–––ユーザーがアマゾンキックスで買うメリットは何ですか?
先ほど言いましたが、ビームスのエクスクルーシブルモデルがお店に行けなくても買えること、配送が早いこと。ビームス以外のセレクトショップはもちろん、ミタスニーカーズやスニーカーセレクトショップのスニーカーも一緒に見られること。ほかにスニーカーを買えるネットショップは結構あると思うんですけど、それってアマゾンキックスしか、あまりないのかなっていう。有名セレクトショップを一堂に会してセレクトしているのがいいですね。あと、本や生活用品を買う感覚でスニーカーも買う。例えば週末に結婚式があるとか、野外フェスがあるとか、すぐに必要でお店に行く時間が無い時なんかには、まさにアマゾンキックスで買うと便利ですよね。

Naoya Fujita(Amazon Kicks)
Interview


サイトアップされたらすぐに売り切れるので、
まだまだ玉が足りない状況が続いています。

–––アマゾンキックスがスタートして3年が経ちました。今の状況を教えてください。
3年前といえばスニーカーセレクトショップ5店舗だけだったのですが、今ではファッションのセレクトショップさんやメーカーさんにも多く参加してもらっています。3年経ちましたが、やはりメインはスニーカーセレクトショップさんとの展開になりまして、毎年大きく成長しておりましして、どれだけ投入していただいても、サイトアップされたらすぐに売り切れるので、まだまだ玉が足りない状況が続いています。
初年度は、どうなるか分からないけどやってみよう、ということでスニーカーセレクトショップさん達に手を繋ないでもらって、話題性も手伝ってアマゾンキックスをスタートできたんです。けど、やっぱり2年、3年経つにつれ実績ができると、アマゾンキックスでは何が売れて何がダメなのかというのも、各ショップさんが全部把握した上で、うまくアマゾンキックスとお付き合いをしている感じです。お陰かげさまで3年経って信頼頂いたというか、やっぱりアマゾンは売れる、という認識を持ってもらっています。
あと、ミタスニーカーズ、アトモス、チャプター、スタイルス、キックスラボさんの持つ影響力のほかに、前号のシューズ・マスターの特集「次世代のスニーカーシーンを担う7人」でも紹介されていた方々(KING-MASA、スニーカーユーチューブバー・SOSHI-Muzicなど)もスニーカー業界を頑張って牽引し始めていると感じています。特にインスタグラマーやユーチューバーの人達は、やっぱりオンラインで生きている方々なんで協力体制を取ってくれています。彼らがきっちりアマゾンキックスを宣伝してくれるっていうのは、ある意味カスタマー目線でもスニーカーヘッズに対しても、アマゾンキックスの知名度が上がっている証拠だと日々感じています。

 

Expectation for Amazon Kicks
~これからアマゾンキックスに期待すること~

–––アマゾンキックスにやってほしいことは?
国井 アマゾンには色々なブランドが入って、横並びで沢山あるじゃないですか。なので、アマゾンキックスを介して生まれたコラボレーションがあるのもいいと思いますし、アマゾンベーシックにシューズケアの何かが出てきたら面白いですね。
藤田 いいですね。アマゾンキックスとして今後はもっと積極的にコラボレーションもやっていきたいと考えています。ただ、コラボレーションをするということが目的になってしまうとなかなか魅力的なコラボレーションって生まれないと国井さんや新井さんとお話していて実感します。アマゾンキックスならではの企画を考えると、スニーカーだけを対象にするのではなく、スニーカーライフとしてケア用品にも着目したいと思っています。アマゾンキックスで購入されるお客様にとって高い利便性を求めておられるお客様って多いはずで、ゲリラ豪雨情報とか大雪警報とかって非常に気にされているのかなと思います。そういったお客様にとって、例えば天気予報で大雪情報が流れた時に防水スプレーやケア用品などの企画商品を常にお届けできる状態にすることでアマゾンキックスを連想いただければ、お客様のお役に立てるストアになれると考えています。今は、コロンブスのアメダスが圧倒的に強いですけど、スニーカーをもっと盛り上げるっていう意味では、マーキープレイヤーやジェイソンマークとかっていうのは、面白いなって思うんですね。
新井 うちも取り扱ってますよ。ジェイソンマーク、マーキープレイヤーは。
国井 うちは、クレップ以外は。マーキープレイヤーとジェイソンマークを取り扱っています。
藤田 そういうコラボレーションとかは全然大丈夫です。アマゾンキックスでやりたいですね。国井さんが絡んだりとか、ビームスさんも絡んだりいうのは普通にあり得ると思いますね。

–––今後、アマゾンキックスに期待することは?
新井 アマゾンの知名度はすごいですけど、アマゾンキックスの知名度をもっともっと上げて欲しいですね。知ってる人も多いとは思うんですけど一般的にもっと広く知ってもらえたら、もっと色々なことが出来る可能性が高くなると思うので。今、アマゾンはCMをやってますよね。アマゾンキックスに特化したCMみたいなのってやれないですかね?
藤田 了解しました(苦笑)。CMもそうですが、スニーカー好きのお客様に対して定期的に面白い企画やイベントをやりながら、もっともっとアマゾンキックスの知名度を上げていきたいですね。
国井 そうですね、知名度を上げて欲しいですね。僕の根底にあるのは、特にスニーカーが好きでもない人たちに向けて、スニーカーっていいな、と思ってくれるキッカケを作れればと思ってアマゾンキックスに参入したので。アマゾンキックスが今後どの様な形で進化して行くのか、本当に楽しみです。

スペシャルインタビュー&
トークセッションを終えて

お二人のアマゾンキックスに期待していることを再認識することができました。3年経った今、グーグルでアマゾンキックスってサーチすると、SEO対策が働いて、アマゾンキックスがようやくウェブページの検索で一番上に出てくるようになりました。アマゾンキックスのトップページになるっていうのは、グーグルが判断して評価してるから誰もコントロール出来ないんです。グーグルが判断するっていうことは、カスタマーが判断してるってことなんです。それは世間での認知度が上がっていることを意味します。ここ最近なんですけど、これは嬉しかったですね。これからももっと頑張っていきますのでよろしくお願いします。
藤田直哉(Amazon Kicks)

INFORMATION
Amazon.co.jp/Kicks

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