Photo : Daiki Suzuki
Text : Masahiro Minai (Runners Pulse)
Edit : Shin Kawase

FILA CHERISH THEIR ITALIAN DNA ! Part1
~SHOES MASTER Web SPECIAL EDITION~
ディスラプターやマインドブロワーが
ワールドワイドで大ヒット
イタリアの2都市を訪れフィラの魅力を探る

最近、ストリートシーンで注目されることが多くなったフィラ。それは、ディスラプターやマインドブロワーを始めとしたプロダクトが世界的にヒットしたことで、街で見かけるのと同時に、各メディアでも頻繁に取り上げられることになったからだろう。そんなフィラと密接な関係がある国がイタリア。ブランド発祥の国であるだけに、現在も愛用者が多い。今回は、発祥の地であるビエラ、そして2019スプリングシーズンのファッションショーと、アーカイブ展示のイベントが行われたミラノを訪れ、フィラというブランドの魅力を探る。

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SPECIAL INTERVIEW WITH
FILA KEY PERSON 1/2

世界中のストリートシーンで躍進を続ける
フィラのキーパーソンをミラノで取材

フィラを世界中のストリートシーンで再び注目される存在へと浮上させるために、大きな貢献をしたと言われるのが、ルイス・コロン(フィラ ノースアメリカ ヘリテージ&トレンド担当副社長)である。現在ヒットするディスラプターなども、彼の手によって市場へとリリースされた。そんなフィラ躍進のキーパーソンである彼に、このブランドの魅力を語ってもらった。

LOUIS W.COLON III
Vice President of Heritage & Trend at Fila North America

ルイス・コロン
フィラ ノースアメリカ ヘリテージ&トレンド担当副社長

自分がフィラというブランドを好きな理由は、
歴史というか、ヘリテージがしっかりとあるブランドだから。

ニューヨークのブルックリンで生まれ育った自分にとって、若い頃はヒップホップやスポーツ、そしてファッションが毎日の生き甲斐で、それらが不可欠な存在でした。特にスニーカーは大好きで、日本のストリート誌のスニーカー特集に注目し、当時アメリカにはスニーカーだけをテーマにした雑誌は存在してなかったから、“KICKSCLUSIVE MAGAZINE”というスニーカーマガジンをアメリカで創刊しました。その次はお店で、ウイメンズだけのハイグレードなスニーカーを扱うショップがなかったから、“LACES SNEAKER BOUTIQUE”という女性向けのスニーカーショップをオープンさせました。場所はソーホーのシュプリームから2ブロックほど離れたところ。この2つの共通点は、どちらともまだ誰もやっていないことにチャレンジしたということ。スニーカーショップのほうは、アイディア自体はよかったと思うんですが、オープンしてしばらくするとアメリカ国内の消費不況にぶつかり、市場環境が急速に変化したこともあって、お店を閉めざるを得ませんでした。それでも、このときの「誰もやっていないことにチャレンジする」という姿勢は、2010年にフィラにジョインしてからも大きく役立っています。

自分がフィラというブランドを好きな理由は、つい最近デビューしたブランドではなく、そこに歴史というか、ヘリテージがしっかりとあるから。洗練されたデザインや大胆なカラーコンビネーションに加えて、フィラには、テニスのビョルン・ボルグ、登山家のラインホルト・メスナー、NBAプレーヤーのグラント・ヒル、アルペンスキーヤーのアルベルト・トンバといったスポーツ界のレジェンドたちと歩んで来た歴史があります。そして、スポーツとファッションのバランスがいい点は、このブランドの大きな魅力でしょう。ファッションのほう、スポーツのほうというように、どちらかに偏っているブランドは多いですが、フィラはそのバランスが絶妙なのです。
また世界中のフィラで働いているスタッフみんなが「このブランドをもう一度盛り上げるんだ!」という情熱を持って働いている点も注目に値します。その結果、マーケットの主役に再び名乗りを上げることができて、ディスラプターやマインドブロワーを始めとしたプロダクトは、実際に世界中のストリートシーンで良好なセールスを記録し、スニーカーのヒストリーに、その名を刻むことができたと思っています。

自分がフィラに入社してからたくさんのプロダクトをリリースすることに関わってきましたが、そのいずれにもいろいろな思い出があります。それはディスラプターのように商業的に大きな売り上げを達成したモデルから、ニューヨークの著名なレストランやホテルとの小規模のコラボレーションまで様々な形態ですが、そのすべてを他のブランドと異なった独自の視点でクリエイトするようにしてきましたし、今後もそれは変わりません。これからもスポーツ、ミュージック、ファッションといったキーワードを巧みに取り入れたラインアップ、各種コラボレーション、そして新たなカテゴリーへの参入etc.で、スニーカーフリークの期待に応えることができると思います。さらには、彼らの想像を超えるような特別なプロジェクトをいくつか用意していますので楽しみにお待ちください。

 

TUTTI IN FILA UNA RETROSPETTIVA CHE GUARDA AL FUTURO
at Triennale Design Museum

取材に訪れたミラノ ファッションウィークのタイミングでは、“TUTTI IN FILA UNA RETROSPETTIVA CHE GUARDA AL FUTURO”と題された回顧展が、スフィルツィコ城内のトリエンナーレ美術館で開催された。ファッションショー会場にはジャーナリスト、バイヤーを始めとした数多くの来場者が訪れ、フィラの貴重なアーカイブの展示を堪能した。

会場内は創業以来のフィラの足跡を紹介する写真パネルが年代毎に配され、同社の歴史を理解することができる。(説明の文章はイタリア語のみ)

来場者には豪華な展示目録がプレゼントされた。フィラのファンのみならず、スニーカーフリークには嬉しいアイテムだ。

この回顧展のメインは貴重なアーカイブの数々。普段は創業の地であるビエラに保管されている逸品たちが、この展示のためにミラノへと運ばれた。

もちろん、シューズの名作たちも展示された。時代を彩ったプロダクトが一堂に会するこのイベントを訪れることができたスニーカーフリークは、本当に幸せだと思う。

 

MILAN FASHION WEEK
FILA 2019 SPRING COLLECTION

ミラノ ファッションウィークにも参加

パリ、ニューヨーク、ロンドンとともにファッションをリードする都市ミラノ。そんなファッションの中心都市で行われるミラノ ファッションウィークは世界中から数多くのジャーナリストやバイヤーが集結することで知られるが、今回フィラは2019年スプリングシーズンのコレクションで参加。観衆から高い評価を得ることに成功した。

ファッションショーの会場には世界中からジャーナリスト、バイヤーが集まった。

観客の足元にも、ディスラプターを始めとしたフィラのフットウェアが目立つ。

懐かしさがありながらもしっかりと新しさを主張するコレクションは、ジャーナリストやバイヤーからも高い評価を得ていた。

ランウェイを歩くモデルたちが着用するフットウェアに関しても、注目が集まった。

Part2へ続く

INFORMATION
丸紅フットウェア
03-3665-1786

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