Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Text : Fumihito Kouzu
Edit : Shin Kawase

KIHACHIRO ONITSUKA 100th ANNIVERSARY
Stand With the Sun
~鬼塚喜八郎が描きたかった未来~

5月30日(水)から6月4日(月)までの6日間、アシックスの創業者・鬼塚喜八郎の生誕100周年を記念し、伊勢丹新宿店7階催物場で、「Kihachiro Onitsuka 生誕100周年 by ASICS 〜鬼塚喜八郎が描いた未来〜」が開催された。

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イベント前日、鬼塚喜八郎の誕生日である5月29日には、生誕100周年を記念した限定モデルが発売された。限定モデルは、シューズが3型、アパレルが2型展開され、シューズについては、アシックス、オニツカタイガー、アシックスタイガーから1モデルずつピックアップされ、共通のデザインコンセプトでシューズが製作された。デザインのモチーフになったのは、鬼塚喜八郎が生前に描いたヒマワリの絵。鬼塚喜八郎の前向きな人柄とパイオニア精神、ヒマワリが太陽に向かって伸びるように人々が明るい未来に踏み出す手助けをしたいという心情を表している。

アシックス創業者 鬼塚喜八郎はヒマワリへの想いを絵画に込め、命を吹き込んだ。
ASICS FOUNDER KIHACHIRO ONITSUKA BEGAN PAINTING TO BRING HIS OBSESSION WITH SUNFLOWERS TO LIFE

鬼塚喜八郎 未完成絵画
「ひまわり」

子供たちはヒマワリのよう。
水、そして太陽。
すくすくと育っていく。
空高く、誇らしげに花を咲かせる。
スポーツは生命を与える水。
太陽は光り輝く未来。
これらが降り注がれ、子供たちは健やかに育っていく。
立派に成長する。
誇らしげに咲くヒマワリのように。
未来を託され、子供たちは花開く。
太陽の光を浴びて

Children are like sunflowers,
A little water, a little sun
Helps them grow,
helps them stand tall, proud.
Sport is the water that gives them life.
The sun, a future shining bright.
Give them those two things and watch them thrive.
When fully grown,
Like a proud sunflower,
Will Look forward to the future. As they STAND WITH THE SUN.

 

会場入り口には、限定モデルのデザインモチーフとなった未完成の油絵作品「ひまわり」が飾られていた。普段はオニツカ資料室に飾られているこの絵を観ることができたのは、鬼塚喜八郎の考えや思いを伝えようというイベントならではだろう。

鬼塚喜八郎(おにつか きはちろう)
大正7(1918)年5月29日、鳥取県生まれ。アシックス創業者。
終戦後、復員し故郷の鳥取に戻るが戦友との約束を守るために神戸の地へ。戦争で荒廃した町並みのなかで若者たちが進むべき道を失っている姿を目にし、「青少年の育成に役立つことをしたい」その想いからスポーツシューズづくりをはじめ、1949年鬼塚株式会社を創業。二度の肺結核で倒れながらも会社を大きくし、1977年には3社合併してアシックスが誕生、社長に就任する。「健全な身体に健全な精神があれかし」というラテン語の名句の頭文字をとって、社名を「ASICS」とした。それは鬼塚が神戸の焼跡でスポーツシューズを手がけた時の理念そのものだった。

Kihachiro Onitsuka
Born May 29th, 1918 in Tottori Prefecture. Founder of ASICS.
Post World War II, returned to Tottori but headed to Kobe to fulfill his promise with a friend. In the post war Kobe, where he noticed young children losing their ways, he thought about how to bring up sound youth through sports. From then, he started creating shoes for sports and established Onitsuka Co., Ltd. in 1949. While battling tuberculosis, he grew the company and in 1977, ASICS Corporation was born, and became President of the new company. The origin of the company name, ASICS, is the initial letters of the phrase “Anima Sana in Corpore Sano”.

シューズファンを喜ばせたのは、やはり貴重なアーカイブが展示されたスペース。1953年に登場したバスケットボールシューズのチャンピオンタイガー、1960年にリリースされたマラソンシューズのマジックランナー、東京オリンピック日本選手団用に作られたデレゲーションシューズ、1966年に国内初のピン取り替え式の陸上スパイクとして登場したランスパークDS-SP、KAYANOシリーズの第一号である1993年発売のゲルカヤノ トレーナーなどが並べられていた。

1953年に登場したバスケットボールシューズのチャンピオンタイガー

1960年にリリースされたマラソンシューズのマジックランナー

東京オリンピック日本選手団用に作られたデレゲーションシューズ

シューズ・マスター読者にはお馴染みのゲルマイのオリジナルモデル

 

これらのシューズとともに、2017年に桐生祥秀選手が100mの日本記録(9秒98)を出した大会の準決勝で着用したスパイク、ロサンゼルス・エンゼルスで圧巻の活躍を見せている大谷翔平選手の2018年着用モデルも展示。創業から、現在まで、世界を舞台に活躍するトップアスリートとともにアシックスのシューズがあることを改めて認識させられた。また、過去の広告ビジュアルが掲示されたヒストリーコーナーからもアスリートに寄り添う姿勢、そして「スポーツを通じて子供たちの健全な育成を支えたい」という鬼塚喜八郎の創業精神が伝わってくる。

2017年に桐生祥秀選手が100mの日本記録(9秒98)を出した大会の準決勝で着用したスパイク

ロサンゼルス・エンゼルス・大谷翔平選手の2018年着用モデル

アシックスのブランド名の由来であり、ブランドのアイデンティティでもある「健全なる身体に 健全なる精神があれかし」という言葉。これを体感してもらう場として、アクティビティスペースも設けられた。ヨガ、ファンクショナルトレーニング、フィットネスバイク、ランニングなど、多様なコンテンツが用意されたのも特筆すべき点。多くの人に気軽にスポーツを楽しんでほしいというアシックスの想いが伝わる内容となっていた。

来年、2019年に創業70周年となるアシックス。
今後も、常に新しいものを求め続けるチャレンジに期待したい。

 

Anima Sana in Corpore Sano=ASICS
by KIHACHIRO ONITSUKA
Introducing New Shoes

~スポーツのあるライフスタイルを実現する新作シューズたち~

アスリートたちにより良いものを提供しようと新技術の開発に余念がないアシックス。そして、アシックスの持つ歴史と技術を感じさせてくれるアシックスタイガー。その新作シューズからも、鬼塚喜八郎のパイオニア精神やその考えを引き継いでいこうとする意志が伝わってくる。

GELSAGA
アシックスタイガーからゲルサガの新作が登場。そのモデル名は、北欧神話の女神サーガを由来とする。成形ミッドソールと成形中敷を採用し、フィット生徒クッション性を高めた、1991年に発売されたランニングシューズを原型としており、今作はアシックスストライプやシュータンに、オリジナルにあったオレンジやグリーン、パープルなどのネオンカラーを採用している。
¥9,000+tax

HYPER GEL-KENZEN
ハイパーゲルケンゼンは、ミッドソールにアシックススポーツ工学研究所で新たに開発されたHyperGELを搭載したランニングシューズ。HyperGELとはソフトなウレタンスポンジに衝撃緩衝材のGELを散りばめたもの。性質が異なる2つの素材によりクッション性と反発性を両立している。アッパーはニット素材。足を包み込むモノソック構造により優れたフィット感も実現した。
¥15,000+tax

GEL-QUANTUM 360 KNIT
シューズのミッドソール部分にグルリと360度、衝撃緩衝材のGELを搭載したゲルクォンタム360 ニット。そのGELとOrthLite中敷が足裏全体のコンフォートな履き心地を実現。また、ランニングシーンでの使用だけでなく、タウンユースしたくなるルックスに仕上げられている。アッパーはニット素材で、通気性とフィット感に優れているのも特徴だ。
¥20,000+tax

INFORMATION
アシックス(アシックスジャパンお客様相談室) 
0120-068-806
KO100特設サイト
https://www.asics.com/jp/ja-jp/ko100

アシックスタイガー オフィシャルウェブサイト
www.asicstiger.com

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