Photo : Masataka Nakada (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

MIZUNO "KAZOKU" now and the future Part3
Two members of “FUTUR” come from France
Ben Fredonie & Felix Schaper Interview

ミズノ"KAZOKU"(カゾク)と“FUTUR”(フューチャー)のコラボレーションモデルが発表された。フューチャーといえば、パリならではの感性を生かしたスタイリッシュなデザインで、今注目を集めるファッションブランド。ストリートファッションに新しい価値観を加えようとしている彼らが、なぜ"KAZOKU"と組むことになったのか?その真相を探るべく、パリから展示会のために来日したフューチャーの2人を取材した。

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Ben Fredonie (ベン・フレドニ)写真左
フューチャーのクリエイティブ・ディレクター。1983年
パリ生まれのパリ育ち。大学卒業後、セレクトショップでバイヤーやデザイナーを担当した後、フィリックス・シェイパーとフューチャーを設立。バスケットボールとフットボールをこよなく愛するパリジャン。

Felix Schaper (フィリックス・シェイパー)写真右
フューチャーのエグゼクティブ・ディレクター。1986年ドイツ生まれのオランダ育ち。10代の頃からスケートボードに魅了され、大学卒業後にパリへ移住。スケートボードカンパニー勤務後、2013年、パリにてベン・フレドニと共にフューチャーを設立。現在、フォトグラファーとしても活躍中。

Ben Fredonie & Felix Schaper Interview

ベン・フレドニ&フィリックス・シェイパー
インタビュー

フューチャーブランドについて

–––2014年、パリでコレクションをスタートさせたキッカケとブラントのコンセプトを教えてください
フィリックス 2010年に入り、ラグジュアリーブランドやハイブランドが、ストリートやスケートの要素をただなんとなく取り入れ始めたんだ。彼らには何のバックグラウンドもないのに、ただ流行っているからって理由で。自分たちのブランドにスケートのテイストを搾取とまではいかないけど、使っていることがすごく嫌だったんだ。だったら小さい頃からスケートをして育って、スケートカルチャーの中にいた僕らがしっかりとした服を作ろうと思ったんだよ。それが我々のブランドが誕生したキッカケで、ブランドのコンセプトだね。だからってスケートブランドということではなくて、スケーターが始めたハイクオリティな服を作るブランド、それがフューチャーさ。

–––展開しているアイテムを教えてください
ベン フューチャーでは、着るものすべてを展開したいと思っている。最初はジャージ素材を使ったカジュアルなアイテムとかが多かったけど、機能性が高い生地や職人が作ったデニムやイタリア製の素材とか、シーズンを追うごとにバラエティが増えてきて、色々なコラボレーションもあってスーツまで作っている。今はメンズウエア全般を展開しているよ。

FUTUR 2019 Autumn /Winter Collection at COMMON GALLERY (Tokyo Harajuku)

–––服を作る上で大切にしていることは?
ベン 色と素材と形だね。
フィリックス 色と素材と形が一番大切なんだけど、さらにグラフィックの位置などのディテールもとても大切にしているよ。

–––現在、日本で取り扱っている店舗を教えてください
フィリックス セレクトショップを中心に15店舗で展開している。東京だったら、モンキータイム、H ビューティ&ユース、スタイルスなどだね。

スニーカーについて

–––東京のスニーカーマーケット、スニーカーカルチャーの印象を教えてください
ベン 東京はいつも新しいものを探している人が多いね。世界のトレンドも東京からきている部分もある。世界のマーケットの中でもすごく重要な都市といえるね。

–––スニーカーの魅力とは何だと思いますか?
フィリックス スケートをやっていたからスニーカーはスケートをするための大切な道具なんだ。裸足でスケートしたこともあるけど全然駄目だった(笑)。でもスケートをやっていると、すぐにぶっ壊れるから月に1足買ってた。だから僕にとって魅力的なスニーカーとは、丈夫なこと。それに見た目もクリエイティブなスニーカーだね。
ベン バスケットボールをやっていたから限定モデルとかよりも機能性の高いスニーカーに惹かれる。スポーツするために作られたのがスニーカーだから、そのスポーツをする時に理にかなっているのが魅力的なスニーカーだと思うね。

–––フューチャーブランドにベストマッチするスニーカーとは、どんなスニーカーだと考えていますか?
ベン どんなスニーカーでも自分がいいと思うスニーカーを履いていればベストマッチだと思うね。僕らがどうこう言うことじゃない気がする。履いている本人が履いて心地良いスニーカーであればいい。だから自由に履いてほしいな。だから僕らがコラボレーションしてスニーカーを作る時には、自分たちがいいと思うものを作らなきゃ意味がないよね。

–––個人的に何足位スニーカーを所有していますか?(それぞれに)
ベン 50足位だね。でもよく履いているのは、その中の10足位かな。履かないで大切に持っているスニーカーも何足かあるよ。
フィリックス 40足位。ベンは毎日違うスニーカーを履いているけど、僕はずっと同じスニーカーを履き続けるんだ。2ヵ月位とか。今はずっとミズノのコート セレクトOGを履いているよ。

–––今まで履いたベストスニーカーは?(それぞれに)※今回のコラボモデル以外で
ベン ミズノ以外だったら、バスケットボールをやっていたからオールホワイトのナイキ エア フォース1だね。
フィリックス ベストスニーカーはその時によって変わるんだ。今履いているミズノのコート セレクトOG。本当に気に入っていてずっとこればっかり履いているよ。あと、スケートシューズだったらアディダススケートボーディングだね。ナショナルブランドが今、スケートシューズを作っているけど、アディダススケートボーディングが一番ちゃんと作っていると思っている。自分のスケートスタイルによっても見方が変わるから何とも言えないけど。あと、履いたことはないんだけど、ニューバランスのスケートラインのヌメリックはいいね。シルエットを見るだけで精巧に作られているなと思う。ナショナルブランドがスケートシューズを展開することで、小さなスケートシューズブランドの勢いがなくなるのは残念だけど、スケートシューズマーケットが拡がることはとてもいいことだと思っている。

ミズノについて

–––コラボレーションする前のミズノのことは知っていましたか?
ベン もちろん知っていたよ!個人的にもシューズを愛用していてリスペクトしていたんだ。

–––今回コラボレーションに至った経緯を教えてください
ベン ミズノと一緒にコラボレーションしたいとずっと思っていたから、我々からミズノにアプローチして、待望だったこの企画が実現したんだよ。ミズノって100年以上の歴史ある世界的なスポーツブランドなのに、派手なコラボレーションやミュージシャン、アーティストと契約してプロモーションするのを見たことがなかった。ひたむきに真面目に物づくりしている会社というイメージだった。そういうスポーツブランドとコラボレーションすることが個人的に面白いと思ったし、パフォーマンスモデルを使ってテクニカルなことが出来るんじゃないかと。やりがいがあるというか、我々らしいと思ったんだ。
大きいブランドとコラボレーションする時って、ブランド側のマーケティングの都合に合わせて色々制限されることがほとんどなんだけど、ミズノの場合それがまったくなかったことにびっくりした。やる前は、我々からアプローチしているし、厳しい制約があって、やりたいことをほとんどやれないかもと思っていたんだ。そしたら、我々がやりたいことを聞いてくれたんだよ。「何がやりたい?」って。すごく良心的で、すごくオープンで、そんなブランドは今までなかった。ずっと昔からミズノと一緒にコラボレーションしたいと思っていたから、こんなに良心的だったんなら、もっと早くアプローチしておけば(しとけば)良かったと思ったよ(笑)。

MIZUNO “KAZOKU”FUTUR
WAVE EMPEROR F
BLUE, SOFT WHITE
¥19,000+tax

–––コラボレーションモデルの特徴を教えてください
ベン 今回のコラボレーションモデルは、ミズノのパフォーマンスカテゴリーからこのモデルを選んだ。世界的なトレンドとしてチャンキーシューズが沢山リリースされているから、我々はあえてスリムでシンプルなモデルをチョイスしたんだ。変にトレンドの波に乗りたくなかったし、何で今これなの?というモデルでコラボレーションするとことで、ちょっとしたサプライズになればいいと思ったんだよ。

–––日本で販売する店舗を教えてください
フィリックス このコラボレーションモデルはグローバルで販売するんだけど、まずロサンゼルスのボデガというショップで5月にローンチする予定になっていて、その後にパリ、東京というスケジュールになっている。東京はモンキータイムやKAZOKUのアカウントで販売する予定だよ。

–––コラボレーションして改めて分かったミズノの魅力とは?
ベン ブランドの核にすごく太い芯があること。より良い製品作りにずっと没頭していることだね。マーケティングやプロモーション、セレブリティを起用してPRすることが当たり前のスポーツブランドの業界にあって、良質なプロダクトを作ることだけにフォーカスしている稀な会社であること。最近はKAZOKUでコラボレーションをやるようになったけど、今までほとんどやってないことも魅力のひとつだろうね。
フィリックス 僕もベンと同じことに魅力を感じているよ。ハイプに踊らされてないところがいいね。しっかりとした物づくりをしているブランドでマーケティング、プロモーション先行のチャラチャラしているブランドとは大違いだよ。ブランドロゴも格好いいし。

今後について

–––コラボレーションモデル発売後、またKAZOKUと取り組む予定はありますか?
ベン 2019年の秋冬では、新たなパフォーマンスシューズでのコラボレーションモデルを予定しているし、アパレルの展開もある。2020年の企画も現在進行しているよ。だから今回だけの単発の取り組みではなくて、メンズ、ウィメンズ、シューズもウェアも色々なスタイルのものを展開していく予定になっている。

–––今後、ミズノブランド(KAZOKU)に期待することは?
ベン 今後、KAZOKUプロジェクトで取り組むブランドが増えていくと思うけど、ミズノらしい的確な相手とコラボレーションして欲しいね。決してマーケティング、プロモーション先行のチャラチャラしているブランドみたいなことは、やってほしくないね。多分やらないと思うけど(笑)。そこに期待しているよ。
フィリックス このコラボレーションでミズノという素晴らしいブランドをもっと世界の人に知ってもらえるキッカケができればといいと思う。もっと日本の良さ、ミズノの良さをね。

コラボレーションモデルは、5月17日(金)にアメリカL.A.のスニーカーブティック「ボデガ」でのポップアップに続き、5月25日(土)から6月7日(金)までは原宿の「モンキータイム」でポップアップを開催。エクスクルーシブなコラボレーションアパレルコレクションと併せての先行販売後、6月1日(土)から全国の取扱店で発売がスタートする。

INFORMATION
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