Photo : Masataka Nakada (STUH)
Product Photo : Kazumasa Takeuchi (STUH)
Edit & Text : Shin Kawase

The future of atmos
and the atmos limited model
Hirofumi Kojima(atmos) Interview

アトモスといえば、昨年の“AIR MAX DAY”(エア マックス デイ)で、過去29年間の人気100モデルの中から“atmos elephant”(アトモス エレファント)が第1位に選ばれ、世界中のスニーカーファンの間で大きな話題になった。アトモスのキーマンであり、アトモス エレファントを手掛けたディレクターの小島奉文氏に今後のナイキとの取り組みについて聞いてみた。

このエントリーをはてなブックマークに追加

ナイキのエア マックスには僕らを熱狂させてくれる何かがあるんです。
今の仕事は、僕にとって天職だと思います。

–––そもそもアトモスに入ったキッカケは何だったのでしょうか?
20歳の時、2000年の7月に入社しました。18年目になります。文化服装学院・スタイリスト科に通っている頃から休みとか休憩中とかによく原宿に遊びに行っていて、チャプター(アトモスが誕生する前からあるアトモスのグループ店)でよく買っていたんです。ファッションが好きで、ファッションに欠かせないスニーカーも大好きで…。僕は昔から95世代ですね。エア マックス 95に魅了されて、もうずっと20年以上好きですね。文化服装学院を卒業すると、スタイリストのアシスタントに付くというのが一般的なんですけど、実家が別に裕福なわけではなかったんでアシスタントではやっていけなくて…どうせ働くのだったら好きなことするのがいいなと思って、当時お客として通っていたチャプターの面接を受けたんです。そしたら、その日に受かったんです。でも、その次の日がステューシーの面接だったんですよ。チャプターの面接が1日遅かったらそっちに行っていたかも知れません。その1日の差が運命の分かれ道でした。あの日が僕の運命を決めたと言っても過言ではありません。そういう意味では、今、アトモスで働けているのは運命に導かれたと思っています。学生時代は実家の埼玉・久喜から通ってたんですけど、学校の同級生は皆一人暮らしで。自分も東京で一人暮らししたかったんですけど、お金がなかったんでチャプターで働いている頃は友達の家にずっと居候していました(苦笑)。でも純粋にスニーカーが好きだから続けて来れたんだと思います。

–––今、何足位のスニーカーを所有されていますか?
多分400~500足の間ぐらいですね。数えたことはないですけど自宅にあります。一部屋全部スニーカーなんで、さすがに嫁さんが怒ってますよね(苦笑)。なので今はもうこれ以上持って帰れないです(苦笑)。

–––大学生から現在までの「マイ フェイバリット スニーカー」ベスト3を教えてください。
1994年に一番最初に買ったナイキがジョーダン 1のシカゴ。1994年に初めて復刻されたオリジナルカラー。それを確か雑誌「Boon」の通販で買ったんです。今でもまだ大事に持ってますよ。他のは加水したりとか、捨てちゃってるのもいっぱいありますけど。次は、エア マックス 90のインフラレッドです。エア マックス 95も好きなんですけど(苦笑)、ボリュームがあり過ぎるんで、ベースはマックス 95世代ですけど、ここ数年はエア マックス 90かエア マックス 1が好きですね。マックス 90のインフラレッドのOGカラーが出ると、ついつい買っちゃうんですよ。あのピンクとオレンジの独特の中間色が好きで。最後は、やっぱり“AIR MAX 1 atmos elephant” ですね。世界1位を取った反響は想像以上に凄く、世界中へ“atmos”ネームをアピールできた1足です。これがきっかけで僕個人としても、様々なオファーが増え、先日はナイキ チャイナのエア マックス デイのイベントにスペシャルゲストで招待されたりと、更に幅が広がり飛躍しています。まさにエア マックスドリームです(笑)。
僕の人生、ナイキに出会ってなかったらこの仕事やってないと思うんですよ。というのは、プーマ、アディダス、コンバース、アシックスとかも一通り履きますけど、ナイキのエア マックスには僕らを熱狂させてくれる何かがあるんです。そういう意味では、今ナイキさんと取り組んで仕事ができていることは、僕にとって天職だと思います。今言うと嘘っぽい話ですが、昔、自分でもっともっとカッコいい、クールなスニーカーをデザインしたいと思っていましたし。アトモス社長の本明も、ナイキバカの小島っていうことで任せてくれていると思うので。

–––小島さんが考える「スニーカーの魅力」とは、何でしょうか?
かけがえのないものなんで、何とも言えないですけど…。スニーカーがなければ今の僕はないですね。親には専門学校に進学することすら反対されてましたから。家系的には、親族含めて、大学出て会社勤めするっていうのが一般的な道であり、それが当たり前で育ったので。でも、僕だけ突然、道を踏み間違えちゃったみたいな感じで。初めは親も理解がなかったですよ。身内にそういう人はいなくて。さすがに今はもう何も言われないですけど。初めは相当心配してたと思いますね…。今、僕がやっていることは、趣味と実益を兼ねて、スニーカーフリーク目線、消費者目線で冷静で見れていると思うし、それは大きいと思っています。

–––これからリリースされるモデルを教えてください。
この間、アニマルパックをリリースしました。エア マックスのコラボレーション企画は、世界中でアトモスが恐らく一番多くリリースしていると思うんです。サファリから始まって、すごい種類が出てるんで、世界中で行われているエア マックス デイでのアーカイブの展示もアトモスのものが圧倒的に多い。本当に名誉で光栄なことです。若い世代は知らない人もいっぱいいたと思うんですけど、人気投票でアトモス エレファントが1番を取ったんで、2017年は注目度が一段と高まったのではないかと思っていますし、エアマックスをもっと身近なものとして捉えてもらえたら嬉しいですね。アトモスとしては、本誌最新号の表紙と巻頭特集でもご紹介頂いている“WE LOVE NIKE”パックを5月中にリリースする予定になっています。“WE LOVE NIKE”は、アトモスのナイキ愛と、自分の部屋にはナイキのシューズボックスが積み上げられてるんで、それをイメージして作りました。「スニーカーヘッズの部屋」がコンセプトです。3モデルあって、エア マックス 1、エア マックス 90、エア マックス 95です。プリントされている箱の写真も自分たちで撮ったんです。それをナイキに提供してます。シューズボックスって、半分自慢っぽいですけど、よく海外でも積み上げられた写真があるじゃないですか。好きな人にとってはこんなに持ってるんだ、って感じで。企画の時って結構、メーカーさんで制限があるんですけど、ナイキは、できるできないは別として、リミッターを外して自由にデザイン提案してほしいと。マテリアルの問題とか含めて、もしかしたらできないかもしれないけど、制限しないで自由にデザインしてよいと、いつも言われています。なので、僕の私物のシューズボックスとアトモス社長の本明の私物、会社のアーカイブ含めて、ランダムに並べて撮影しました。見る人が見ると懐かしいな〜、このボックスって、観て楽しめる様にもなっています。80年代、90年代の黒赤箱もあるので幅広い層のスニーカーヘッズに楽しんでもらえると思っています。もう1つのこだわりは、エア マックス 95には、エア マックス 95の当時のOGボックスを入れ込んでいて、エア マックス 1、90とあえて写真を変えてます。僕のちっちゃなこだわりですけどね。僕も消費者側の立場でもあるので、消費者、マーケットを刺激する、わくわくするプロダクトをデザインしようといつも心掛けています。もちろん僕はこのエア マックスは3色すべてコンプリートしますよ(笑)。

NIKE AIR MAX 1 ATMOS “WE LOVE NIKE”
¥14,000+tax (5月発売予定)

NIKE AIR MAX 90 ATMOS “WE LOVE NIKE”
¥14,000+tax (5月発売予定)

NIKE AIR MAX 95 ATMOS “WE LOVE NIKE”
¥17,000+tax (5月発売予定)

INFORMATION
Sports Lab by atmos 
東京都新宿区新宿4-1-1 新宿サウスアヴェニュー 1F 
03-6457-8755 
www.atmos-tokyo.com

pagetop