Photo: Masataka Nakada (STUH)
Commentary: Masahiro Minai (Runners Pulse)
Text & Edit: Shin Kawase

Original colors of basketball shoes
representing the 1990’s are released.
FILA“GRANT HILL”

フィラのスニーカーに主役が登場した。今やフィラの代名詞として世界中で好セールスを記録しているのはディスラプターだが、多くのスニーカーファンにとって、フィラといえばバスケットボールシューズであり、1990年代のNBAで活躍したグラント・ヒルのシグネチャーモデルに尽きるだろう。復刻されたグラント・ヒルを紹介する。

GRANT HILL 1

WHITE / FILA NAVY / FILA RED

NBAで一時代を築いたスーパースターであるグラント・ヒル。引退から6年が経過しているので、バスケットボールにあまり詳しくない人のために簡単に説明すると、グラント・ヒルは、アメリカンフットボールリーグNFLのダラス・カウボーイズなどでランニングバックのポジションで活躍したカルビン・ヒルの長男として誕生。スポーツ選手としての優秀な遺伝子を受け継ぎ、カレッジバスケットボールの名門デューク大学の中心選手として活躍。卒業後、1994年のNBAドラフトの1巡目3位でデトロイト・ピストンズに指名されて入団。1994－1995シーズンを1試合平均19.9点、5.0アシスト、6.4リバウンド、1.77スティールという成績を残し、新人王に輝いた。その後も活躍を続けたグラント・ヒルは、7度のNBAオールスター選出、アトランタ五輪男子バスケットボールアメリカ代表、通称ドリームチーム3にも選ばれるなど、優秀な成績を収めて2013年に現役引退。2018年にはバスケットボールの殿堂入りを果たすとともに、フィラとの生涯契約も発表された。彼の名を冠したシグネチャーモデルは、著名なシューズデザイナー、ケビン・クローリーらによってデザインされ、直線と曲線を巧みに組み合わせ、ブランドロゴを大きく配するなど、他ブランドと異なる独自のデザインテイストで初代モデルから人気になった。解説：南井正弘