Photo : Satoshi Morimizu(STUH)
Edit : Shin Kawase

The evolving top line of VANS
OTW by Vans& VANS PREMIUM
Interview with Ian Ginoza(VANS)

VANSの進化を象徴する
最上級ラインがスタート

本誌最新号でも紹介したが、2024年春夏からニューコレクションがスタートしている。ひとつは、デザインを探求し新たなブランド体験を生み出す、ヴァンズの最上級ライン、“OTW by Vans”(オーティーダブリュー バイ ヴァンズ)。もうひとつは、進化するヴァンズのデザイン理念の延⻑線として位置する新たなプレミアムライン“VANS PREMIUM”(ヴァンズ プレミアム)。ヴァンズの今を取材した。

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OTW by Vans
HALF CAB REISSUE 33 VIBRAM

OTW by Vans
HALF CAB REISSUE 33 VIBRAM

¥19,800

デザインを探求し、新たな体験を生み出すプラットフォームとしてスタートしたOTW バイ ヴァンズ。OTW バイ ヴァンズは、ヴァンズの進化を象徴する最上級ラインでスケートボードカルチャーに敬意を表したプロダクトになっている。記念すべきファーストモデルは、ヴァンズスケートボーディングの最もアイコニックなモデルのひとつハーフキャブがベース。ハーフキャブは、1992年にスケートボート界のレジェンド、スティーブ・キャバレロのセカンドシグネチャーモデルとして当時“#33”と呼ばれた名作。本作は、ヴァンズ初のヴィブラムソールを採用し、バルカナイズボトムでハーフキャブを再定義した一足。ビビットなイエローの他にブラックとホワイトの3色展開。2月下旬にビームス原宿とキストーキョーで限定販売された。

 

OTW by Vans
SPEED VIBRAM

OTW by Vans
SPEED VIBRAM

¥19,250(5月発売予定)

スピードにヴィブラムソールを採用し、アウトドア仕様にアレンジされたモデル。OTW バイ ヴァンズは、ブランドの根幹であるスケートボードカルチャーの精神性をさらに豊かにすべく、スケート、アート、デザインを革新的なプロダクトと体験に融合させ、独自の視点を通して表現していく。ヴァンズを次のステージへ昇華させていくニューラインの今後に期待したい。

OTW by Vans
SPEED VIBRAM

¥19,250(5月発売予定)

 

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM SK8-MID 83
PREMIUM OLD SKOOL

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM OLD SKOOL

¥14,300

PREMIUM SK8-MID 83
¥14,850

ヴァンズ プレミアムは、定番モデルを新たに再構築したコレクション。本パックのベースモデルは、オールドスクールとスケートミッド。オールドスクールは、1977年にスタイル36というモデル名でデビューし、ヴァンズではじめてレザーパネルとジャズストライプを採用したことで知られる名作。スケートミッドは、1978年にスタイル38として誕生し、スケートハイのアンクルパッド部分を切り落として履くスケーターが多くなった時に誕生したモデル。本パックは、定番のネイビーカラーウェイのトーキャップやアッパーのカラーを反転しているのが特徴。アッパー素材に8オンスのキャンバスを採用し、光沢と高さのあるサイドウォール、ポリウレタン製のカップインインソールなど、ヴァンズ プレミアムビルドによって履き⼼地を⼤幅に向上させながら、ヴィンテージアイコンのデザインと米国のオリジナル⼯場で⽣産されていた頃のディテールが再現されている。

 

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM OLD SKOOL
PREMIUM AUTHENTIC 44
PREMIUM HALF CAB 33
PREMIUM ROWLEY XLT
PREMIUM SK8-HI 38

ヴァンズ プレミアムは、現代的な設計と洗練されたデザインによってフォルム、フィット感、履き心地を追求した、ヴァンズの新しいスタンダード。そのラインナップには定番モデルのオールドスクール、オーセンティック、ハーフキャブ、ローリー XLT、スケートハイなどエントリーしている。

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM OLD SKOOL (BLACK / WOODTHRUSH)

¥12,100

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM AUTHENTIC 44 (DIP DYE DRESS BLUES)

¥14,300

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM HALF CAB 33 (PARK RANGER ALUMINIUM / OLIVE)

¥13,200

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM ROWLEY XLT (VINTAGE INK)

¥17,050

VANS PREMIUM CLASSICS
PREMIUM SK8-HI 38 (BLACK / WHITE)

¥13,200

 

VANS TOKYO DESIGN COLLECTIVE
“TOKYO CRUISE”
BY TADAYUKI KATO & SHINSUKE NAKADA

VANS TOKYO DESIGN COLLECTIVE “TOKYO CRUISE”
BY TADAYUKI KATO & SHINSUKE NAKADA
SLIP-ON REISSUE 98 SP

¥12,100

OLD SKOOL 36 SP
¥13,200

新しいデザインコンセプトを発信する東京発のデザインチームのTDC。本モデルは、ゲストデザイナーに加藤忠幸氏と中田慎介氏を迎えたコレクション第2弾モデル。アッパーにはダブルラッセル生地、サイドストライプにリフレクター素材を使用するなど、両デザイナーのこだわりを取り入れた力作となっている。

VANS TOKYO DESIGN COLLECTIVE “TOKYO CRUISE”
BY TADAYUKI KATO & SHINSUKE NAKADA
OLD SKOOL 36 SP

¥13,200

SLIP-ON REISSUE 98 SP
¥12,100

 

Creative Director & Vice President for OTW
Interview with Ian Ginoza(VANS)

OTWのクリエイティブディレクター兼バイスプレジデントのイアン・ギノーザ氏が昨年末に急遽来日した。OTW バイ ヴァンズとヴァンズ プレミアムを詳しく知るために彼がいる代官山の展示会場を訪ねた。(インタビュー取材:2023年12月)

OTWは、
スニーカーとカルチャーが
共鳴しながら新しいムーヴメントが
生まれることを目的にスタートした

東京について

――何度目の来日になりますか?
僕はハワイで生まれ育って、父は日本人なんです。そんなこともあって、1990年から年に2~3回は来ています。アメリカに行くのも東京でも時間的にあまり変わらないので、日本に来てはスケートしたり、友人と遊んでいます。

――90年代と今の東京の印象を教えてください
今でこそ欲しい物は大抵ネットで手に入る時代になりましたが、90年代はスニーカーに限らず、日本にしかない限定品(洋服など)を求めて渡航していました。当時、東京だけなく世界でストリートカルチャーが隆盛を極めていたので、自分のいるスケートカルチャーを通して、東京のシーンにどっぷり浸かっていました。昔、ストーミーやアークティーズといったスケートショップで遊んでいた時、東京のスケーター達が色んな場所に連れて行ってくれたんです。言語は違ってもスケートボード通じてコミュニケーションができた。そんなスケートカルチャーならではのトライバル感がとても楽しかったですね。今、興味深いのは、ネイバーフッド、ダブルタップス、アンダーカバーといった私の時代の伝説的ブランドを現代の若い世代が取り入れ始めていることです。かつてはやっと探し当てたブランドも、今ではソーシャルメディアで簡単に見つけられるので。現在の東京はクラフトマンシップに溢れ、体験から得られる「洗練さ」が世界と比べても際立っています。友人でもあるヒステリックグラマーのノブさん(北村信彦氏)をはじめ、かつて「裏原宿」と言われたシーンしかり、そこから生まれたストリートカルチャーやスタイルが世界的にも受け入れられ、世界の中でも非常に影響力のある都市だと思います。現代においては、ソーシャルメディアのおかげでその波及効果のスピードも速いのでいつも驚いています。

――ヴァンズにとって世界の中で「東京」はどういうポジションに位置するのでしょうか?
アジアの中でも早い段階からスケードボードカルチャーが根付き、またファッションと同じく、中国、韓国、シンガポール、香港といったアジア諸国に先駆けてシーンを牽引するキーシーティーが東京だと思っています。また、藤原ヒロシさんやダブルタップスの西山徹さんなどの影響力のあるアイコンによって、スケートカルチャーがファッションシーンに影響を与える側面もあり、それを育む都市としても東京は重要な役割を担っています。ヴァンズも、スケートボードやストリートカルチャーの先駆者たちに育てられたブランドなので、今後もヴァンズファンとカルチャーを繋ぐカタリストとして存在してもらえればと思っています。

OTW バイ ヴァンズとヴァンズ プレミアムについて

――新たに「OTW バイ ヴァンズ」をスタートさせた目的を教えてください
ブランドのラインナップの中では核となる存在で、先進性を持たせつつ、先鋭的なプロダクトを生み出すポジショニングとしてOTWをスタートさせました。イノベーターやカルチャーを牽引する方々とのコラボレーションも積極的に行い、OTWで我々が考える理想的な表現が出来ればと思っています。

OTW by Vans
HALF CAB REISSUE 33 VIBRAM

¥19,800

――OTW バイ ヴァンズの特徴を教えてください
実験的で先鋭的なクリエイティビティをより強く表現していくことが大きなコンセプトになります。ヴァンズ プレミアムとは大きく異なる部分です。これまでスケートカルチャーの先駆者たちが、制限を作らず、また既成概念を壊し、常に新しいカルチャーを生み出してきました。OTWではそのDNAを継承し、現代において表現していきます。

――ヴァンズ プレミアムのコンセプト、特徴を教えてください
ヴァンズ プレミアムはヴォルトからの派生的なポジションで、これまでのクラシックをどう継承していくか、どう今の時代にフィットさせていくかを追求し、ストレートに表現していきます。2つのラインを比較すると、今までにないものを生み出すのがOTWで、ヴァンズ プレミアムは今あるモデルの中で新たにプロダクトを開発するということです。

VANS PREMIUM CLASSICS
CLASH THE WALL (SUEDE / CANVAS BLACK CHECKERBOARD)

¥17,050

デザインについて

――イアンさんが考える「良いデザイン靴」とは?
モダンなもの。先進性を持たせるにしても、デザインの意図をとても大切にしています。

――プロダクトを作る上で一番大切していることは何ですか?
可能性を極限まで探求するのが私のスタイルですが、商品開発には技術的なことをはじめ限界があります。まずは限界を超えたものをイメージし、そこから引き算して可能性を拡げていくことをとても大切にしています。アート作品を作るのとは違って、商品開発におけるデザインはお客様に提供するソリューションです。お客様の様々なニーズを吸い上げ、課題を解決していくものなので、独りよがりなオーバーデザインにならないようにいつも心掛けています。

――OTW バイ ヴァンズをどんな人に履いて欲しいですか?
もちろん誰にでもオープンではあるのですが、誰にでも似合うものではないかも知れません。OTWのスタイルを理解した上で履くことで、ヴァンズが目指すものへの共感や、カルチャーへの造詣も深まって、プロダクトと履く人が一体となれば我々としては理想的です。このOTWとフィーリングが合えば、ぜひ手に取っていただきたいと思います。

――最後に読者、スニーカーファンにメッセージをお願いします
OTWは、スニーカーとカルチャーが共鳴しながら新しいムーヴメントが生まれることを目的にしています。御誌は、スニーカーカルチャーが好きで、スニーカーの中でもディテールを重視し、こだわりの強い読者に愛されている雑誌ですよね。読者の期待に応えられるように、アートや音楽まで幅を拡げて、今までにないアプローチで、いつもと違うコラボレーションも予定しています。楽しみにしていてください。

INFORMATION
VANS JAPAN
0120-994-250
www.vans.co.jp

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