About SALOMON SPORTSTYLE Yuta Kaji (Stylist) Interview
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SHOES MASTER
Web SPECIAL
Photo: Masataka Nakada(STUH)
ウェブスペシャルのサロモン特集では、
サロモンのスタイリングディレクションを
手掛けた経験のあるスタイリストの梶 雄太氏に
インタビュー取材を行っている。
その模様を紹介。
About
SALOMON SPORTSTYLE
Yuta Kaji (Stylist / SANSE SANSE Director)
Interview
サロモン スポーツスタイルは、ファッション業界からいち早く支持され、スニーカーシーンにもすっかり浸透しているものの、スタイリッシュな佇まいのためスタイリングの難易度が高いのも事実である。その高度なスタイリングディレクションを手掛けた経験のあるスタイリストの梶 雄太氏。スタイリストとして四半世紀のキャリアを誇り、自らのブランドも手掛ける彼にファッション界でも支持されるサロモンの魅力について聞いてみた。
梶 雄太 / Yuta Kaji
1998年よりスタイリストとして活動開始。
ファッション誌、広告、映画など幅広く活動中。
性別・世代を越え、ユニーク且つ、オリジナリティ溢れるスタイリングに定評がある。
2019年よりSANSE SANSEブランドディレクションをスタート。
About SNEAKER
–––まず、はじめて自分で買ったスニーカーを教えてください
30年以上前、中学3年生の時に買ったニューバランスの「576」でヌバックの赤です。当時、東京・広尾にあった僕らの世代だったら絶対に知っているお店、タダスポーツで買ったことを今でもはっきり覚えています。僕はタダスポーツでスニーカーデビューして、そこからお洒落を意識して、色々買って今に至ったという感じです。
–––梶さんが想う、他の靴にはない「スニーカーの魅力」とは何でしょうか?
機能的で動きやすいことです。でも、革靴とかはほとんど履いてなくて、ほとんどスニーカーしか履いてないから、魅力と言われても難しいですね。今まで、ずっとほぼスニーカーばかり履いてきたので、スニーカーの魅力なんて取り立てて考えたこともなかったです(笑)。僕の人生は今までずっとスニーカーと共に、ここまで来ましたみたいな感じです。
–––梶さんが考える「いいスニーカー」の条件とは何ですか?
スニーカーばかり履いているけど、面白いことに好きなスニーカーは常に変わるんです。ずっとヴァンズのオーセンティックしか履かない時期もありましたけど、ちゃんとこだわりがあって、その時の気分で常に一定ではない気がします。今はあんまり頭で考えずそうじゃないことを楽しもうと思っている時期なので「いいスニーカー」の条件は一言では語れないですね。
–––今まで履いたスニーカーの総数はどれ位ですか?
数えられないぐらいですが…少なくとも年間に10足以上は買うから、それで35年位買い続けているから500足位にはなってると思います。
–––サロモン以外で「マイ フェイバリットスニーカー」のベスト3足を教えてください
ヴァンズのオーセンティック、ナイキ エアマックス90のOGカラー、コンバース チャックテイラーのハイカットの赤ですね。
About SALOMON
–––サロモンブランドを知ったのはいつ頃でしょうか?
小学生位の時で、当時は完全にスキーブランドでしたよね。当たり前のようにスキーブランドとして認識していたんですけど、20年位前のもうスタイリストになっていたころに一度だけ、サロモンがサーフボードを出したことがあるんですよね。当時、僕もサーフィンをやっていたから、ずっとスキーのイメージだったスキーブランドのサロモンがサーフィンに参入するんだなと思った記憶があります。
–––現在のサロモン、サロモン スポーツスタイルのイメージを教えてください
今のサロモンは、かっこいいです。「サロモン=かっこいい」っていうイメージです。
About SALOMON SPORTSTYLE
–––サロモンのシューズは、まずファッション業界から火が付いたと思います
そうですね。少し前からですがファッション業界でサロモンを履いている方、めちゃくちゃ多いですよね。スタイリストとか、色々なブランドのスタッフや洋服屋さんとかも。ファッション業界で先に支持された理由は、他ブランドにはない独特のスタイリッシュさがあるからじゃないでしょうか。スニーカーはアメリカのブランドが多いですが、サロモンはフランスのブランドです。日本人の感覚にはないヨーロッパブランド独特の雰囲気があることが大きく影響している気がします。
–––梶さんが最初に履いたモデル名を教えてください
XT-6の白です。3年位前にサロモン スポーツスタイルの知識がまだない時で、見た瞬間に直感的にかっこいいと思いました。
–––現在よく履いているモデルを教えてください
XT-6も履くけど、最近はACS PROが好きですね。あまり人と被らないっていうのはもちろんあるし、自分的には配色が1980年代のナイキ ACGのラバドームっぽくて大好きなんです。最近は普段履きでも仕事の時もほとんどこれですね。履き心地もすごく良くて気に入っています。でも、贅沢を言わせてもらえば、メッシュで通気性が抜群なので、夏は涼しくて最高なんですけど、冬は涼し過ぎて寒いんです(苦笑)。
–––梶さんが思うサロモンの一番の魅力とは何でしょうか?
伝統と革新、その両方を兼ね備えている所でしょうか。長年培ってきた技術があるからやっぱり説得力もある。革新的な部分とデザインがミックスして、ちょうどよい塩梅になっている気がします。そしてヨーロッパ、フランス独特のカラーリングが魅力ですね。
サロモンスタッフからプレゼントされたという非売品のアーカイブブック。
伝統と革新、その両方を兼ね備えているサロモンの英知がこの一冊に凝縮されている。
下の写真は、梶氏がよく履いているという3足。
About Total Coordination
–––サロモン スポーツスタイルを上手く履きこなす上でのポイントを教えてください
普通に考えると、サロモンの履き方って結構限られてしまう印象だと思うんですけど、普通じゃないほうに履いてみると面白いと思いますね。今日僕は、サロモンを履いてデニムとジャケットを着ています。普通はスポーティーな格好やアウトドアっぽい感じの服を合わせるけど、あえてベーシックなスタイリングに合わせる。同じテック系のカテゴリーで、洋服もトーンでみんな合わせるほうが成立しやすいとは思うんですよ。でも割と難しいのは承知の上で、そういう風にトライをしておしゃれしても面白いんじゃないの?って、僕はそのほうがかっこいいと思うし、サロモンの本来の良さが楽しめるんじゃないかなと思います。
–––2023年春夏で梶さんの個人的なリコメンドモデルを教えてください
個人的にもよく履いているACS PROと、新作のACS +OGモデルです。
ACS +OG
¥26,400
–––最後にSHOES MASTER読者へ一言メッセージをお願いします
全体的な傾向として、スニーカーはナイキばっかりみたいな状況が続いていますが、ブランドの選択肢を増やして色んなスニーカーを履いたほうが楽しいよっていうこと。それと、スニーカーが好きな方の中には、スニーカーを買って飾るだけで完結する人もいるじゃないですか。それはそれでもいいですけど、スニーカーには履く面白さと楽しさがあるから、履く楽しみも味わって楽しんでねっていうことですね。スタイリングに関しても、型にはまらないで自由に楽しんでほしいですね。